名古屋では4M+1という言葉があります。4Mとは、松坂屋・三越百貨店・名鉄百貨店・丸栄百貨店(以下丸栄)、+1とは2000年にオープンしたJR名古屋タカシマヤ(以下高島屋)のことを指します。
消費不況が甚だしい現在、各百貨店は悪戦苦闘をし、何とか頑張っている状況・・・と言いたいところですが、名古屋の百貨店はどちらかというと高島屋が一人勝ちの状況になっており、他の百貨店が少々落ち込み気味というふうになっています。中でも丸栄はその落ち込みが激しく、現在は興和の下で再建を図っていましたが、去年(2011年)あたりから、その親会社の興和が「丸栄、もうやーめた」と言いたげな発言をしたことから、いつか丸栄は無くなるのではないかと危惧されていました。
その危惧が今回具体化したようです。
興和が丸栄のある本館とその周辺、および同じく興和の傘下にある名古屋国際ホテルが入居している栄町ビルを取り壊し、広小路通をまたぐツインビル構想をぶちまけました。
このツインビル、完成は2020年を目指しており、店舗やホテルなどが入居する複合商業施設になるとのこと。広小路通をまたぐ格好での連絡通路が設けられる(可能性のある)高層ビルになるのではないかと言われています。しかし、その複合商業施設の中には丸栄の名は無く、取り壊されることで丸栄は閉店されることを明示されてしまった格好になりそうです。
今のところ、(恐らく丸栄周辺の)土地取得が難航しているため、まだ具体的な計画(早い話が取り壊しの時期)が動いていないのと、広小路通をまたぐ連絡通路を警察が許可するのかという点があるため、まだ動いていませんが、特定都市再生緊急整備区域(大規模な再生が可能になる区域)に丸栄周辺が指定されていることを考えれば、GOサインが出ればやる・・・というふうなんでしょう。
で、地上の店舗からは丸栄が無くなっても、ネット通販の名で残るとのことだそうですけれども、正直なところ、若年層に名が浸透しているとはいえ、ネット通販で丸栄の名が通じるとは到底思えません。たぶん多数あるネット通販の世界に埋没して終わり・・・というのがオチでしょう。
しかしながら、愛知国際放送を潰し、今度は丸栄と名古屋国際ホテルを潰しにかかる・・・いや、名古屋国際ホテルはリニューアルという形で残るかもしれないのか。いや、いずれにしても、興和が今回の件でも『壊し屋』ということがよくわかった。
同じ名古屋の人間として恥ずかしいし、悲しいですね。そうしないとやっていけないとはいえ・・・。
サヨナラ、ありがとう―FMラジオ局の音が消える日 (デラックス近代映画 new moon novel vol. 1)
愛知国際放送が放送終了するまでの日々をモチーフに描いた小説(ムック)。