楽天モバイル「ぎぶみー ぷらちなばーんど!」<おい、どこぞの動画サイトのチャンネルのような書き出しすんなや!
・・・と、訴え続けていた楽天モバイルにとっては、オイシイ事態になるのではないのでしょうか。
今日(10/1)から電波法が改正されることになりました。今回の改正の中で、一番のポイントは、各携帯電話会社に割り当てられた電波が、総務省の審議会によって有効に利用されていないと判断されれば新規参入の事業者に割り当てることも可能になった点です。その中で特に注目を集めている電波が、プラチナバンドと呼ばれるものです。
具体的には800MHz前後の周波数帯を指し、現在はNTTドコモ・KDDIと沖縄セルラー電話(au)・ソフトバンクが所有しています。古くから携帯電話会社を運営していた経緯もあり、現在でも独占的に所有しています。そのため、新規参入組からは不公平感が出ていたとされています。
この問題は古くからあり、2000年代前半の新規参入でもイーモバイルが、1.7GHzの電波帯しか与えられなかったことで通話や通信の繋がりに苦戦した時から出てきたと思います。それゆえに一時期はNTTドコモとのローミングを図っていました。なお、イーモバイルは後にPHSを展開していたウィルコムと合併してワイモバイルとなり、そこからソフトバンクの傘下に入ります(いわゆるサブブランド化)。ゆえに、今でもワイモバイル自身ではプラチナバンドを持っていないのではないかと思われます(ソフトバンクと一体化している現状は持っている可能性がある)。
そして、2020年から久しぶりの新規参入を果たした楽天モバイルにもプラチナバンド問題が起こっており、当初はイーモバイルと同様にKDDIとのローミングが計られました。ただしそれも期間限定の措置で、各都道府県の人口カバー率が70%以上になった時点で、原則的に順次終了していくふうになります。
そこに来たプラチナバンドの事実上の緩和になる電波法の改正。オイシイ事態、渡りに船になった楽天モバイルですが、認められるにはどうやって総務省の審議会を越えるかということを考えなければなりません。既存の3社もそう簡単に手放さないでしょうから、このあたりの駆け引きが今後大いに注目を集めることでしょう。
そして無事にプラチナバンドを掴めたとしても、今度は大きな責任が伴うことになります。
先日のauの大規模な通信障害のようなことを起こせば、今後大きな処分を下されることになるでしょう。もしかしたらその過程で取り上げもあり得る話になるかもしれません。また契約数が減る事態になれば、同じように取り上げになるでしょう。
今後は重大インシデントと契約者数の増減に気を配りながら戦うという戦国時代に突入することでしょう。3大キャリアと楽天モバイルだけでなく、これから参入を考えているところやMVNO(仮想移動体通信事業者)からの転換も視野に入れる会社も出てくるかもしれません。ただ、総務省のさじ加減次第は否めず、旧態依然の運営方法であれば、イーモバイルの時の失敗やソフトバンクのボーダフォン買収のような『抜け道』も出てくるかもしれません(ただ、3大キャリアがやすやすと手放すとは思えないですけどね(苦笑))。