欧米では、当たり前のように行われているサマータイム(夏時間)制度。国によって違いますが、だいたい3月に始まって11月に終わり、その間は1時間時間を早められます。
そんなサマータイムを無くそうと動いている人がいます。次期大統領になるドナルド・トランプさんです。
トランプ次期大統領は、「不便で国家に相当な負担を強いる」として「少ないながらも根強い支持はあるものの、廃止をすべきだ」と検討しているのこと。
サマータイムは、第1次世界大戦中の1916年にドイツで導入されたものが始まりとされ、エネルギー節約のためとされていました。現在の主な導入理由は、日中の時間を増やすことで、日中の時間を有効活用したい目的があるようです。
今回廃止するべきだと述べているアメリカでは、1918年に採用され、一旦廃止はされたものの、1966年に恒久化されました。しかし、廃止論も根強くあり、2022年には上院では廃止法案が通過したものの、下院には手つかずのまま残っている状況です。実は、サマータイムはアメリカでは採用されているものの、連邦レベルではなく州単位のレベルでの採用になっていることから、元々サマータイムの必要性のないハワイ州やアリゾナ州の大部分ではサマータイムを採用していません。
サマータイムを廃止しようとする一番の理由は、健康への影響で、人工的に時間を動かすことで、体内時計が狂ってしまい、病気やうつ病が増えるとのこと。ただ、因果関係が不明瞭なのもあり、確固たるものではないとも言われています。逆の事例もあるからですね。ただ、人為的な変化は人体への影響が大きいのは、あながち間違っていないのかもしれません。時差で体調を崩したという人が一定数いるのが、その証左です。
なお、日本でもサマータイムが導入されていた時期があり、アメリカ占領下の1948年~1951年になります。しかし、寝不足や残業増加などの理由で不評を買い、1952年に廃止になりました。そう思うと、推進しようとしてきた国が、最終的に廃止を論議するというのは、何とも皮肉なものです。