今日(7/23)放送のNHKスペシャルは、予告の段階から結構面白そうだなと思って心待ちにしていましたよ。
タイトルは「デザインウォーズ」。近年機能の面では差の無くなってきた携帯電話が大きく差をつけるためにデザインという面でこだわりを持ち始めたことに着目して組まれた特集で、今回大手携帯メーカー3社にスポットを当てて紹介されていました。
一つ目は外資系企業LG電子。韓国で爆発的に売れたチョコレートフォンを引っさげて、日本に本格的に殴り込みをかけてきました。
二つ目は国内メーカーの代表としてNEC。かつて国内シェアNO.1だったこの会社も、近年は色々と押され国内4位にまで凋落。起死回生を賭け、デザイン重視路線に方針転換をかけてきました。
最後は日本とスウェーデンの合弁企業ソニーエリクソン。シェアではLG電子よりも上位にあり、独特なデザイン戦略が光っている会社です。
これを見ていて思ったのは、思った以上にデザインに関して注力をしているなと思えたところですね。
まずLG電子。LGも元は機能重視の会社だったのが、モトローラのRAZR(レイザー)が韓国でヒットしたことでデザイン重視に大きく方針転換。そのためには機能のダウングレードもやむなしで行われていったほどでした。
しかも商品開発力は国内のそれよりも早く、実際ドコモ側に見せた試作機を1週間で改良(実際は完全に改良したのではなく、タッチセンサーの発光部分を強め、スライド裏側の鉄板部分を目立たなく塗装しただけなのだが)してしまう程。
その点NECは、まだ煮詰めないといけなかったり、操作ボタンの部分で紆余曲折したりと迷走気味。かつては機能重視で、デザインは二の次だっただけにそうなるのも致し方ないのかなと思えてならないのだが、少し浮ついて見えてました。
ただ、デザインに特化しながらも機能を多様化する戦略は、とりあえずN904iで成功しているだけに、これからのN王国の逆襲が怖いところ。
独自の視点で作られるソニエリの秘密は、何回か行われる「審議(Shingi)」にあり、世界中のソニエリ社員が過去のモデルから未来のモデルを見つけようとしていった中で、経年変化(パティーナ。感覚的にはビンテージに近いか?)というコンセプトが生まれ、開発が進んでいくという、上手くブレスト(ブレインストーミング)が機能しているなという印象を持ちましたね。
同じデザインでも、ここまで考え方や作り方が違ってきているのは驚きを隠せないし、それだけ世界中のユーザーがデザインありきで考え出すようになってきたのだなぁと痛感。
私自身はまだまだ機能で選ぶ旧世代的な人間になるんでしょうけど、昔はスマートなデザインのケータイが欲しい(ポケットに入れた時ボコッとならないのがいい)と思ってましたし、今でもそういう考えはあります。ただ、機能の面が削られると痛いので、個人的にはNEC型なのかなと・・・。
恐らく近日中に再放送があると思うので、見てると色々な戦略が垣間見えて面白いですよ。