JR名古屋駅前にある松坂屋ナゴヤエキ店。古くから名古屋駅の玄関口にあり、名古屋の顔の一つとして構えていた百貨店の一つです。
この百貨店のある建物が建て替えになる話は以前から出ていたのですけど、その後の建物に入るのか否かという結論は先送りになっていました。
その結論がどうやら出たようです。明日の新聞の朝刊はかなり大見出しで出してくるのではないのかなと思います。
名古屋駅前にある松坂屋ナゴヤエキ店は2010年の夏に閉鎖(事実上の閉店を)することになりそうです。
理由としてはいくつかあるんですが、大きく言えるのは、まず折からの不況。黒字経営だったとはいえ、不安定要素を抱えたナゴヤエキ店に投資するよりかは、名古屋市中区(矢場町)の本店に経営資源を集中させた方がいいと判断をしたのでしょう。近年は何とか黒字を出そうとして模索していたみたいで、その兆候も表れていたらしいですが、やっぱり建て替え後やっていけるかといえば、苦しいのかもしれません。
もう一つは、真隣になるJR高島屋の存在。もっともそれ以外にも名鉄百貨店・近鉄百貨店というライバルもいるのですが、やはりJR高島屋の存在はケタ外れに大きいわけです。開店以降周りの百貨店を抑えて一人勝ちの状態で、今では確かに売り上げは他の百貨店と同じように落ちてはいるものの、その売り上げ高は頭一つ抜きん出ていると推察されます。
しかし一番の原因は持っていた土地が松坂屋ではなくJR東海だったことでしょうか。実は開店以来、松坂屋はJR東海に土地を借りて運営するという形で営業を続けていました。しかし、JR高島屋が開店したことで、そちらにシフトしていくことになり、言葉は悪いですが、松坂屋ナゴヤエキ店は「目の上のたんこぶ」のような存在だったと言えるかもしれません。
恐らく、建て替え後の出店交渉の際にかなり吹っかけてきたんじゃないかなと思います。
新しい建物の中に松坂屋の看板がないのは少々残念な気分ではあります。そして大名古屋ビルヂングに次いでまた一つ、名古屋の顔が変わっていく寂しさも仕方がないとはいえ感じています。
ただ一番辛いのは、姉貴の旦那の父親でしょう。元松坂屋関係者でナゴヤエキ店に思い入れのある人だったので、さぞかしこの話題が出た時には辛かったことだと思います。