サッカーJ1の磐田に所属していたゴンこと中山雅史選手が、J2の札幌に完全移籍という形で移籍することになりました。
ご存じの通り、中山選手はJリーグの草創期から活躍する人で、磐田のJリーグ(現在のJ1)昇格時から活躍していました。また90年代および2002年の日韓ワールドカップの日本代表として特に1998年の初のワールドカップ出場に導き、日本選手で初めて同大会でゴールを挙げた選手としても有名になりました。
ただ彼を一番有名にしたのは、ビッグマウスでありながら、それが単なるブラフやハッタリとかではなく、行動力が伴ったうえでの発言だったところ。そして大胆不敵かつおちゃめな行動や発言もマスコミによって大きく話題になりました。一時期は、磐田のスポンサーだったネスレ日本(ネスカフェ)・ヤマハ・金鳥のCMキャラとして起用されたこともあります。
しかし近年は、年齢的な衰えと若手の急成長もあって、スタメンを張る機会が減り、今年は3試合(ナビスコカップ・天皇杯・公式戦で1試合ずつ)のみだったと言います。
さらに磐田自身J2降格の危機に陥ったことで、更なる若手育成・活用の方針から、中山選手は選手としての戦力外を通告され、スタッフ残留での契約を要請してきました。ところが中山選手は選手としての残量を望んだため、交渉が決裂し磐田を退団。自らが選手協会会長時代に築きあげた合同トライアウトに参加して新チームを探すという皮肉を味わったのは記憶に新しいところでしょう。
そして、今回、かねてからオファーのあった熊本と札幌と悩んだ末、今回の発表の通り、札幌への移籍が決まったわけです。
条件面では熊本のほうがよかったとも言われていますが、敢えて札幌にした理由は、設備面のよさがあるとのこと。
記者会見でもおなじみの中山節が炸裂し、凛としながらも時に和気あいあいとしたものになっていました。
札幌か熊本のどちらに移籍しても、彼の熱いハートを表すかのような赤のチームへの移籍になったことでしょう(ちなみに、カズこと三浦知良(かずよし)選手の在籍している横浜FCへの移籍もあったとされる。そこに決まっていれば、古巣のチームと同じ蒼のチームへの移籍になったかもしれない)。
是非とも札幌でチームカラーに負けない熱いプレーを見せてほしいものです。
ちなみに、札幌にとっては待望の精神的支柱・ベテランの獲得になりました。
札幌はJリーグクラブがほぼ共通にして抱えている経営不振で赤字を出している期間が長かったため、一時期はベテランを放出したり解雇したりして財政面での支出を圧迫していたことがありました。そのため若いチームに生まれ変われたものの、ベテランがいないため、ここぞという時に勝ち越せないというメンタリティの弱さがあったと言われています。そのメンタリティをたたき込むために招へいされたと言ってもいいでしょう。
元々J1を狙えるチーム、いやプレーしていたチームなだけあるので、彼の力は大きいものになるはずです。若手は十分に生かしてほしいものです。
そして、他のJ2チームは、カズと同様、ポテンシャルの高い個人技や洗練されたプレーを試合の中で見習ってほしいと思います。
ところで、かつての栄光とはいえ、こんな素晴らしい選手をJ2で見られるのですから、ある意味幸せです。しかも地元の話で恐縮ですが、J2の岐阜は下手したら映画1本の値段とほぼ変わらない値段(2000円程度)見られるので、非常にオイシイです。こんないい選手が見られるなら、来年は横浜FCと札幌の試合は外せないなと思っています。何とかしてスケジュール合わせよう(笑)。