メルクマール

特に、美琴と黒子、初春と佐天の信頼関係が良かったですね。必要な時に必ず力を貸してくれる、と信じられるパートナーがいることは幸せです。彼女たちは、今後の人生でも貴重な仲間でいられるのでしょう。

パワーローダーのようなメカが登場。飛び道具としてはロケットパンチしか無いわけですが、本来は建設機械なのでしょうね。ローラーで高速移動できるのは過剰性能な気もするけれど、スピード感があったからいいか。

レールガンの射程は50m。おそらくそれ以上の距離では、弾体であるコインが蒸発してしまうのでしょう。これは、それ以上の距離には被害が及ばないという、リミッター（自己規制）の意味もあるんだろうな。コインではなくもっと重いモノを使えば、射程が伸びるという理屈です。

学園都市の暗部が、これまでもチラチラと描かれていましたが、ついにテレスティーナがぶっちゃけました。学園都市は実験動物の飼育場で、学生は家畜にすぎないと。

でもそんなことは、美琴はずっと前から悩んでいて、すでに答えを出していたのでしょう。まるで動揺せずに、「学園都市はね、私達が私達でいられる最高の居場所なの」 と言ってのけました。

実際のところ、普通の学校だって、”社会の歯車として働くためのパーツの製造工場”と言ってしまえばそれまでです。”一人一人の自己実現”というタテマエと、”全体の一部として役に立たせる”というホンネは常に表裏一体。会社なんかもそうですね。

だからといってクサるか、あるいはそのシステムの中で自分らしさを伸ばそうとするかは、その人次第です。気の持ちよう、とも言えます。

いろいろ問題があるかもしれないが、仲間のいる学園都市を美琴は愛しているので、その平和を守りたい。それが答えですね。将来的なことは分からず、学園都市が仲間に害を与えることがあるかもしれないけれど、今のところはそれで良いのでしょう。ラストも「学園都市は楽しい」というメッセージで締めました。

でもラストでなにより印象的だったのは、木山先生ですよ。目の下の隈が消えてるじゃないですか。これまで寸暇も惜しみ、睡眠もままならず、憑かれるように研究していたのでしょうね。生徒たちを助けるために。ようやくそれから開放され、数年ぶりにゆっくり眠れたのでは。お疲れさま木山先生、としみじみ思いました。この物語の陰の主人公は、木山せんせいなのでしょう。

全体的に、良いシリーズだったと思いますね。2クール目に入ってから、微妙に評価を落としていた気もしますが、僕はそのあたりの回も好きですよ。四人組＋固法先輩の掘り下げとしては有意義だったと思います。

あすなろ園の回で、美琴が「プロポーズをOKしたら、海から花火が上がるとかがいいかなぁ～」という乙女チックな願望を語るシーンがありましたが、それも今回の伏線になっていますしね。あれを「御坂さんらしい」と理解しているが佐天というのも、そうだろうなという感じです。

やっと四人組の立ち位置が、しっくりと納まるようになったところなので、ここでおしまいなのは残念ですね。営業的にも成功しているようなので、二期があることを期待したい。それより禁書の二期が先でしょうけれど。

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