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ほしあかりをさがせ
山登り・サイクリング・星見・石仏探し 本命は何なのか、出たとこ勝負で行ってみましょう
プロフィール

デルタ

Author:デルタ
四十才代、三重北勢在住の技術者です。ちょっとだけ営業マンもしてました。
ネット上では、磨崖仏の研究家としてごく一部の人から認知されてる(らしい)。磨崖仏・星見・歴史小説創作については、本館のHPを見て下され。

他の任務:東洋的リバアタリアニズムの確立。
       日本まんなか共和国 勝手に観光大使

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くまなく測る。 その1(2013春 福島市)
(プロローグ)
この前の大型連休、私は水を入れる前の水田の中へ入らせてもらってました。
子供のころ、三角ベース野球をやるのに、持ち主さんに内緒で入ってた頃以来のこと、当時は時々怒られながらでしたが、今回は堂々と入ってます。
とはいっても、やたらと走り回ってはいません。地元の方につれていただき、何やらオレンジ色の金属筒(かれこれ2kgくらいあるでしょうか?感覚ですが)を持って、東西に400mくらいの範囲を、3日がかりで行ったり来たりしながら。
地元の係の方の一人は、GPSの携帯端末で位置の記録を取り、もう一人の方は、地籍簿/地籍図を確認して番地と照合を取りながら、私は測定器を操作し、2分待っては、田んぼをジグザグに歩いていきます。
西を見れば、吾妻山系、円錐状の吾妻小富士には、種まきを促すという「ウサギ」の雪形があるのを見える。
颪の風に耐えながら何をしているか?

土にどれだけの放射能があるか、その細かな「まだら模様」を明らかにする作業、私はその作業にかかわらせてもらっておりました。

(見えない「まだら模様」とリスクの話)
30年くらい前、将棋をちょっと変形したような、こんなボードゲームが流行ったのを、覚えてる方、どれくらいおられるでしょうか。
将棋と少し違うのは、2点。敵の駒と接触したときに、戦いになるということと、その戦いのときには、駒にある窓に現れた数字の大きい方が勝つ、というルールになっていました。
ルールは単純、けれど一つ予測不可能な要因があって、スリルのあるゲームとなります。
というのは、窓に出る数字が、盤上のどのマス目に置くかで変わってしまうしくみもあったのです。
よほど相手の駒の数字が小さくない限り、出たとこ勝負になるこのゲーム、逆にいえば技術や思考能力よりも運の要素がより大きくなり、大人も子供も楽しめた……、ということがヒットの要因だったのでしょうね。
けれど、これは、ゲームだから愉快なのです。
職場でこれが起きたら、経営の妨げになって、健全なお商売ができなくなります。
たとえば、重量量り売りで肉やソーセージを売るお肉屋さんで、計量の秤が、測るたびに目分量にさえ一致しないほど値が変動するとしたら?(これは、そもそもお客さんの信用を失いますね)
あるいは、寸法を管理して研磨する同じ2台の機械で、同じ設定にしているはずなのに、機械ごとの差で削ってしまう幅が違っている工場があるとしたら?

これらは、機械の絡むことだから、機械の調整をすれば片付くはず(なかなかそうはいかないという現実もあるのは、私も現場で見ているけれど)。よって、それらの要因を「管理」し、売る物の質や量を狙い通りに保っていく。まさにこれが、品質管理ですね。

しかし。
場所や時間で、異なった癖がどうやらあるらしい、とだけわかっていて、けれど、その癖を知るには、一年間試作を続けないといけないという仕事場があるとしたら、どうでしょう。
これでは、商売を続けるのが困難だ、と、だれもが思われることでしょう。
今、日本のモノづくりの現場には、そんな場所があるのです。
私もうかつにも、2年以上気付かなかったのですが、福島の農地がまさに、そのような状態にあったのです。

放射性物質……いや、物質として目で見たり、化学の手法で試薬で色を付けたり沈殿させたりして「検出」できないほどの微量なので、私は物質というのにどうもためらいを持ってしまうので、以降、あえて放射線源と呼ばせてほしいのですが、……放射線を出すモノが、一昨年3月に、広範にばらまかれる事件がありました。
しかも、ばらまき方が、風任せであったために、吹き溜まった場所もあります。その後の雨風で広がったり逆に寄せ集められた場所もあります。
その結果、大地に、見えないまだら模様ができました。放射線源の濃淡のまだら模様が。

そのまだら模様は、農地にも当然あります。
あるはずだけど、見えないまだら模様。それも、そのまだらの濃淡に合わせて、濃いところでは、収穫したものが食べられなくなる可能性がある……。
文字通りの意味で、「リスク」を抱え込んだ、営みとなってしまう。

もちろん、このまだら模様は、生産活動だけでなく、日常の行動にも影響しかねません。
子供さんが、見えない吹き溜まりに突っ込んでしまったら、そこで泥んこ遊びをしてしまったら、……福島の中通り地方で子育てされているご家族の、平均的な心配事の根源は、この種のものでないでしょうか。

自治体もそこへの問題意識はあって、たとえば福島市は、市内の土地を500mx500mに区切って、それぞれのマスの中で3か所で空間線量(地表から高さ1mの位置での放射線量)を、定期的に測り、広報しています
一口に500m四方のマスといっても、市全域を覆うにはマス目の数は700を超える数になります。
出来上がっている地図も壮観ですが、ためしにどの地区のものでもいいですが、一覧表を開いてみてください。延々何十枚と続く数表が現れ、圧倒されることでしょう。

しかしです。
この500m四方の中に、田んぼが何枚入るでしょうか?
(ざっと見積もって、少なくとも300枚は入ります)

まして田んぼには、水の入り口と出口もあります。また、田んぼの表面じたいはほぼ平らでも、畦の高さは四周で差があります。
この微妙な地形の差で、先ほど述べた「まだら模様」が細かに発生していそうな気配は、感じられます。
が、その実体は、どうなのでしょう?
工場の例でいえば、機械の状態を細かに観察することなしに、試し打ちを延々と続けるような、無駄をしていくわけにもいきません。
それならば、実際に田んぼごとのクセ・パターンをはっきりさせよう、と、生産者の団体・消費者団体、地元大学の共同で、動き始めたのでした。

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と、ここまでが、長い前置き。
どのような考えを具体的に持っておられて、私が何を見てきたかは、次項で書こうと思います。、

テーマ:環境汚染 - ジャンル:政治・経済

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【2016/11/01 16:18】 | # [ 編集]


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