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あつじ屋日記
まんが家・山本貴嗣(やまもとあつじ)の日記です。 作品から日々思うことまで色々書いてます。
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夢について(お客様の質問にお答えして)その1
 先日「なぜマンガを描くのか」というお尋ねをくださったお客様からの、もう一つの質問です。ご本人のお許しをいただき、一部引用させていただきます。

<夢のない人がたくさんいます。夢に向かえない人がたくさんいます。
 世界には夢が必要
 自分は夢がなければ生きていけない。
 でも夢ってなんだろう
 『夢』の存在がとても曖昧なんです。
 やりたい事が
 なりたい自分が夢
 ほしいものが夢
 夢ってなんなんだろう
 夢ってありますか

 世界には愛と夢が必要だと思うんです。
 愛と同じくらい夢は大事だと思うんです。

 夢ってなんですか
 山本先生の思うもの良かったらお聞かせ下さい。
 また世界にとっての夢もお考えがあれば聞きたいです>

 私の、「手渡すべきものは愛しかない」に対するお返事としていただいたメールの一部です。
 お若いのに、いやお若いからこそでしょうか、大変熱く真摯な想いが伝わってきて感銘を受けました。
 順を追ってお答えしたいと思います。

 まず最初の二つ「やりたいこと」「なりたい自分」の最たるものは、私の場合実現し、また日々実現を維持しています。そのことは先日の日記「なぜマンガを描くのか<追記>」に書きました。

 「ほしいもの」
 というのは、今はほとんどありません。生活に必要なもの(食器洗い機が壊れたとか冷蔵庫が壊れたとかで新しいのが必要とか)以外は、「読みたい本」くらいです。
 自分の見聞を広めるために必要なもの以外、ほとんど物欲と言うものがありません。
 ちょっとこのTシャツ欲しいなとか、たまにこのCDが聞きたいなとか、せいぜいそんなレベルです。
 若い頃はオーディオマニアだった時期もありましたし、新しいバイクが欲しいとか、物欲が強かった時期はあります。
 でも、そういうものは渇きを癒すために飲み続ける海水のようなもので、飲めば飲むほど喉が渇く。
 生存に必要な最低限のもの以外、物質的にも精神的にも何にも依存しない道を模索し、歩み始めてから、そういうものはどんどん希薄になりました。
 自分のあこがれとか、何か心の隙間を埋めるため、あるいはストレス解消のために、外的な何かを必要とする段階は過ぎてしまいました。

 私の夢は、自己の内的成長であり、それは若い頃から漠然とあった志向でしたが、歳を取るにつれはっきりと、それ一本に絞られていきました。

 質問をくださった方はご自身の夢について以下のようにメッセをくださいました。

<夢は世界をかえる事です。

もっと世界をよくしたい
もっと世界に夢を愛を溢れさせたい

この世界は自由で不思議で奇跡的、そんな事を伝えていきたいです

だからたくさんのモノや偉大な人を知ってほしい、伝えて生きたい
そんな中、自分はモノを生み出したい創りたい
そんな情熱を溢れる想いを無駄にせずに生きたいです。
カラダに湧き上がる感情
アタマに思い描く物語を
全て形にしたい、し続けたいそれが、自分の夢だと思います。
そして、創る事を楽しみたい
たくさんの人と協力して、
創る事、その酸いも甘いも最高に味わいたいです。

あと、
『人はみなアーティストだよ』っていう言葉から影響受けた夢ですが、
自分の人生が生きる事自体が、愛を表現したり、元気づけたり、笑わせたり、したいです。
人の生きる人生、その歩んできた道、『線』がアートなら、
そんなアートにしたい、失敗したり、臆病だったり、ふられたり、そんな全てを曲がりくねった道を、
アートだって呼べるなら、
そんなアートにしたいです

そして、今また思う事は、
いろんな人が人生を表現します、メッセンジャー、アーティスト、ゲーム、ダンス、チャレンジ、一時の夢。。
そんな全てでありたい
人生を楽しいダンス
愛のメッセンジャー
曲がりくねったアート
興奮するゲーム
夜空に光る星空。。
そんな全てでありたいんです。何より情熱そのもので

創り手になりたい
創り手でありたい
創り続けたいどうしようもなく愉しみたい。

それが夢です。
その先、その瞬間に、
愛や夢を与え続ける存在でありたい、どんな逆境も笑い飛ばして周りも笑わせる人でいたいです>


 一部ご本人のプライベートに関する部分を削らせていただきましたが、ほぼ原文のままです。
 何か一篇の詩のような。
 私が付け加えるべきことなど何もないような気さえしました。
 
愛や夢を与え続ける存在でありたい、どんな逆境も笑い飛ばして周りも笑わせる人でいたいです
 そのまま私の夢でもあります。
 すてきなメッセージをありがとうございます。
 しかし、これで完結して終わらせては、お約束しました「お返事」をさし上げたことになりませんし(笑)
 少しだけ私の補足を申し上げようと思います。

 「夢について(お客様の質問にお答えして)その2」
 に続けます。
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