先日、ゲーム『メタルマックス3』の打ち合わせで、ゲームデザイナーの宮岡氏が、『メタルマックス2』を作った時の思い出として、冒頭主人公の育ての親代わりの女ソルジャー・マリアが死ぬシーンで
敵役のテッド・ブロイラー(顔面傷跡だらけのモヒカンのマッチョ)が頭のモヒカンを飛ばして
「もひかーん・すらっがあー」
などと叫んでいるシーンについて、ユーザーの方から
「ここは泣くシーンなんですか、笑うシーンなんですか」
と質問をいただいたことがあった、と言っていました(笑)。
実は私も、メタルマックスとは関係のない私のマンガで、似たような質問を読者の方からいただいたことがあります。
その方は私の作品を昔から何本もお読みの方のようで、色々な作品を上げて、
<主人公はハードボイルドなのに、周囲は何故かギャグだったり、どうも軸がぶれているというか、中途半端というか…>
とおっしゃり
<確かポンピーフーは、男主人公がたまさぶろうとかいう名前でしたよね?ハードならハードにやったほうがいいのでは?と思います。(中略)「アヌンガ」にしても、アンヌはよく描けていますが、男主人公が何か間の抜けた感じがするし(中略)モンスターデザインも笑ってしまうものがちらほらいます>
<今、挿絵をされているイラスト(馳星周先生の小説『淡雪記』のこと/山本・注)は硬派な感じを受け、とてもかっこいいですね。先生は、今の絵柄でしたらギャグタッチをまったく入れないものの方がよいと思います>
といった内容でした。ギャグならギャグに統一した方がいいのではと。
ちゃんと礼儀を踏まえたメールでしたので、丁重にお返事をお返ししたのですが、要するに
「私(山本)はそれを意図して、自覚した上で描いています。それが私のスタイルなのです」
と。
私の若いころ大好きだったアメリカのマンガ家にリチャード・コーベンという人がいます。
エアブラシの魔術師、ハイパーリアリズムの画法で、CGの存在しない時代に、写真と見まごうリアリティの絵で、SFやファンタシイのフルカラーマンガを描きまくっていた人ですが、リアルに描こうとすれば徹頭徹尾写真のように描ける腕を持ちながら、あえてデフォルメしたキャラで、時にはアホみたな顔のモンスターが主人公たちに襲い掛かってきたりして、それでちゃんと人が死に、悲劇も起こると言う作風でした。
私はその人のスタイルが大好きで、多大な影響を受けました。
以前も書いたことがありますが、私のマンガの照り返しの表現(強い日差しの下で、巨乳の乙女のバストの下側が、地面などからの反射光で陰の中に少し明るいところがあるような)は、彼のマンガから学んだものです。
人によっては、なんでこのシビアなシーンで、こんなふざけた顔の怪物が出てくるんだ?とおっしゃる方もおいでです。そのお気持ちはわかります。人それぞれ感じ方は自由ですし、そのお気持ちになにも間違ったところはありません。
ただ、私はかねがね思うのですが
人生はどんなときにも、さまざまな顔を持つものです。
悲劇の裏に喜劇があり、喜劇の裏に悲劇があります。
「禍福はあざなえる縄の如し(不幸と幸福は、一本のよりあわせた縄のようである)」
という古い言葉がありますが、広い意味でも狭い意味でも、それは真実だと思います。
甘いおしるこの中には、ひとつまみの塩が入っています。
光と影は常に背中合わせです。
身近なことを取り上げるなら、近年私は老眼で、手元のものが見えません。メガネをとったら、自分の手で持てる範囲の、新聞も本もいっさい読めません。遠くのものは見えますが(遠くのものに関しては視力は1.2で、裸眼でバイクも運転できます)焦点が合うほど離れると、今度は字が小さすぎて読めません。
こんな私が、アクション映画の主人公のような立場に置かれ、今まさに爆発しようとしている時限爆弾のタイマー解除のパスワードの書かれたメモをゲットしたとします。やった!助かった!さあ打ち込もう!とメモを見ると、メガネが割れて読めないとしたら?
手元にパスワードはある。打ち込めば助かる。でも打ち込めない。キーボードもメモも読めません。
さあ、これは悲劇でしょうか喜劇でしょうか。
無論、一つの命が失われるという意味では悲劇ですが、ある意味笑っちゃう(たぶん私は笑っちゃう)喜劇の側面があると思います。
人生は、あらゆる局面でこういうことがあります。
ある種の「被害者」的立場に置かれた人は、怒りや悲しみで、その喜劇的側面にまでは思いが及びませんが、他人事として見る事の出来る第三者は、その喜劇的側面にも目がいきます(それをうかつに指摘すると、不謹慎だとか言われて責められたり、TPOを間違えると、「荒らし」や「嫌がらせ」になりもします)。
何年か前、私は手の指の不調(痛み)に襲われ、医者に行ったことがあります。
母がリューマチだったこともあり、症状から見てリューマチに似ていたため、これはいよいよ自分もマンガ家として終わりかな、といささかショックを受けました。しかしその一方で、うれしくもありました。それは
「もう二度と、あの地獄の〆切に終われなくてもよくなる」
ということでした。心のすみでほっとしました。
マンガ家の暮らしはハードなもので、あの水木しげる先生が(戦争で片腕をなくされ、多くの戦友を亡くされた水木先生が)インタビューでマンガ家生活を振り返り
「戦争よりもひどかったですな」
と、おしゃっておられたのが、その一つの証拠でしょう(笑)。
私は人生をずっとマンガ家として生きてきた人間で、本当にマンガを描くことが好きですが、それでもマンガが描けなくなることに、ある種のやすらぎ、救済を感じる部分がありました。
幸いその時の手の痛みはその後なくなり、病院の検査もシロでしたが、その時の思いは覚えています。
また、別のとき、大変体調を崩し、このままだとマジ死ぬかもしれないので救急車を呼ぼうかどうしようかと悩んだこともありますが、そのときも、別に死への恐怖は感じませんでした。
近年は、どこで死のうと、いつ死のうと悔いのないよう、日々を生きるようにしています。
陰気に後ろ向きに生きるのでも、病的に明るく生きるのでもない(根拠のない希望も、軽はずみな絶望も持たない)ただ淡々と顔を上げて歩く、と言えばいいのでしょうか。
だから、死ぬかもしれんなと思ったときも、このままここで死んだら、原稿が上がらなくて迷惑をかける編集さんやお客様に申し訳ないなとは思いましたが、自分が死ぬこと自体に、悲しみも怒りも感じませんでした。
私は一生マンガを描いていたいほどマンガが好きですが、もうこのしんどい日々を終わらせられるなら、それはそれでハッピーじゃないかと思ったものです。
完成目前で死んだマンガ家などというと、一般には悲劇として語られるでしょうが、私にとってはある種祝福でもあったのです(別に死んだらどこかの天国へ行くとかいうことを信じてるわけではありません、念のため)。
ちょっと話が長くなりましたが、人生の悲劇と喜劇は、ことほどさように、簡単にどっちかに色分けできるものではありません。
多くの人が色分けしたがり、色分けできると思っておいでなようでもありますが、私は物事の真実は、誰にも軽々しく決め付けられるものではないと思うものです。
悲劇の顔をしてやってくる喜劇もあれば、幸せそうな顔をして訪れる不幸もある。
人生はそういうものではないでしょうか。
最初に引用した、私にメールをくださった方は、私のお返しした上記のような内容のメールに、丁重なお返事をくださいました。
山本は、無自覚にあのような作風を続けているのではなく、ちゃんと理解し意図した上で行なっているということをご理解くださったようでした(感謝です)。
宮岡氏と私は、その目指すところは色々異なりますが、ものごとをそうした多面体として捉え、表現したいと言う点では、何か共通したものがあるのかもしれません。
ゲーム『メタルマックス』シリーズは、随所に、おふざけとシビアな内容がまぜこぜになっていますが、昔からのファンの方は、そこも納得した上でお付き合いくださっているのではないかと思います(御口に合わない方にはお詫び申し上げます)。
ではでは
きょうも良き日を♪
敵役のテッド・ブロイラー(顔面傷跡だらけのモヒカンのマッチョ)が頭のモヒカンを飛ばして
「もひかーん・すらっがあー」
などと叫んでいるシーンについて、ユーザーの方から
「ここは泣くシーンなんですか、笑うシーンなんですか」
と質問をいただいたことがあった、と言っていました(笑)。
実は私も、メタルマックスとは関係のない私のマンガで、似たような質問を読者の方からいただいたことがあります。
その方は私の作品を昔から何本もお読みの方のようで、色々な作品を上げて、
<主人公はハードボイルドなのに、周囲は何故かギャグだったり、どうも軸がぶれているというか、中途半端というか…>
とおっしゃり
<確かポンピーフーは、男主人公がたまさぶろうとかいう名前でしたよね?ハードならハードにやったほうがいいのでは?と思います。(中略)「アヌンガ」にしても、アンヌはよく描けていますが、男主人公が何か間の抜けた感じがするし(中略)モンスターデザインも笑ってしまうものがちらほらいます>
<今、挿絵をされているイラスト(馳星周先生の小説『淡雪記』のこと/山本・注)は硬派な感じを受け、とてもかっこいいですね。先生は、今の絵柄でしたらギャグタッチをまったく入れないものの方がよいと思います>
といった内容でした。ギャグならギャグに統一した方がいいのではと。
ちゃんと礼儀を踏まえたメールでしたので、丁重にお返事をお返ししたのですが、要するに
「私(山本)はそれを意図して、自覚した上で描いています。それが私のスタイルなのです」
と。
私の若いころ大好きだったアメリカのマンガ家にリチャード・コーベンという人がいます。
エアブラシの魔術師、ハイパーリアリズムの画法で、CGの存在しない時代に、写真と見まごうリアリティの絵で、SFやファンタシイのフルカラーマンガを描きまくっていた人ですが、リアルに描こうとすれば徹頭徹尾写真のように描ける腕を持ちながら、あえてデフォルメしたキャラで、時にはアホみたな顔のモンスターが主人公たちに襲い掛かってきたりして、それでちゃんと人が死に、悲劇も起こると言う作風でした。
私はその人のスタイルが大好きで、多大な影響を受けました。
以前も書いたことがありますが、私のマンガの照り返しの表現(強い日差しの下で、巨乳の乙女のバストの下側が、地面などからの反射光で陰の中に少し明るいところがあるような)は、彼のマンガから学んだものです。
人によっては、なんでこのシビアなシーンで、こんなふざけた顔の怪物が出てくるんだ?とおっしゃる方もおいでです。そのお気持ちはわかります。人それぞれ感じ方は自由ですし、そのお気持ちになにも間違ったところはありません。
ただ、私はかねがね思うのですが
人生はどんなときにも、さまざまな顔を持つものです。
悲劇の裏に喜劇があり、喜劇の裏に悲劇があります。
「禍福はあざなえる縄の如し(不幸と幸福は、一本のよりあわせた縄のようである)」
という古い言葉がありますが、広い意味でも狭い意味でも、それは真実だと思います。
甘いおしるこの中には、ひとつまみの塩が入っています。
光と影は常に背中合わせです。
身近なことを取り上げるなら、近年私は老眼で、手元のものが見えません。メガネをとったら、自分の手で持てる範囲の、新聞も本もいっさい読めません。遠くのものは見えますが(遠くのものに関しては視力は1.2で、裸眼でバイクも運転できます)焦点が合うほど離れると、今度は字が小さすぎて読めません。
こんな私が、アクション映画の主人公のような立場に置かれ、今まさに爆発しようとしている時限爆弾のタイマー解除のパスワードの書かれたメモをゲットしたとします。やった!助かった!さあ打ち込もう!とメモを見ると、メガネが割れて読めないとしたら?
手元にパスワードはある。打ち込めば助かる。でも打ち込めない。キーボードもメモも読めません。
さあ、これは悲劇でしょうか喜劇でしょうか。
無論、一つの命が失われるという意味では悲劇ですが、ある意味笑っちゃう(たぶん私は笑っちゃう)喜劇の側面があると思います。
人生は、あらゆる局面でこういうことがあります。
ある種の「被害者」的立場に置かれた人は、怒りや悲しみで、その喜劇的側面にまでは思いが及びませんが、他人事として見る事の出来る第三者は、その喜劇的側面にも目がいきます(それをうかつに指摘すると、不謹慎だとか言われて責められたり、TPOを間違えると、「荒らし」や「嫌がらせ」になりもします)。
何年か前、私は手の指の不調(痛み)に襲われ、医者に行ったことがあります。
母がリューマチだったこともあり、症状から見てリューマチに似ていたため、これはいよいよ自分もマンガ家として終わりかな、といささかショックを受けました。しかしその一方で、うれしくもありました。それは
「もう二度と、あの地獄の〆切に終われなくてもよくなる」
ということでした。心のすみでほっとしました。
マンガ家の暮らしはハードなもので、あの水木しげる先生が(戦争で片腕をなくされ、多くの戦友を亡くされた水木先生が)インタビューでマンガ家生活を振り返り
「戦争よりもひどかったですな」
と、おしゃっておられたのが、その一つの証拠でしょう(笑)。
私は人生をずっとマンガ家として生きてきた人間で、本当にマンガを描くことが好きですが、それでもマンガが描けなくなることに、ある種のやすらぎ、救済を感じる部分がありました。
幸いその時の手の痛みはその後なくなり、病院の検査もシロでしたが、その時の思いは覚えています。
また、別のとき、大変体調を崩し、このままだとマジ死ぬかもしれないので救急車を呼ぼうかどうしようかと悩んだこともありますが、そのときも、別に死への恐怖は感じませんでした。
近年は、どこで死のうと、いつ死のうと悔いのないよう、日々を生きるようにしています。
陰気に後ろ向きに生きるのでも、病的に明るく生きるのでもない(根拠のない希望も、軽はずみな絶望も持たない)ただ淡々と顔を上げて歩く、と言えばいいのでしょうか。
だから、死ぬかもしれんなと思ったときも、このままここで死んだら、原稿が上がらなくて迷惑をかける編集さんやお客様に申し訳ないなとは思いましたが、自分が死ぬこと自体に、悲しみも怒りも感じませんでした。
私は一生マンガを描いていたいほどマンガが好きですが、もうこのしんどい日々を終わらせられるなら、それはそれでハッピーじゃないかと思ったものです。
完成目前で死んだマンガ家などというと、一般には悲劇として語られるでしょうが、私にとってはある種祝福でもあったのです(別に死んだらどこかの天国へ行くとかいうことを信じてるわけではありません、念のため)。
ちょっと話が長くなりましたが、人生の悲劇と喜劇は、ことほどさように、簡単にどっちかに色分けできるものではありません。
多くの人が色分けしたがり、色分けできると思っておいでなようでもありますが、私は物事の真実は、誰にも軽々しく決め付けられるものではないと思うものです。
悲劇の顔をしてやってくる喜劇もあれば、幸せそうな顔をして訪れる不幸もある。
人生はそういうものではないでしょうか。
最初に引用した、私にメールをくださった方は、私のお返しした上記のような内容のメールに、丁重なお返事をくださいました。
山本は、無自覚にあのような作風を続けているのではなく、ちゃんと理解し意図した上で行なっているということをご理解くださったようでした(感謝です)。
宮岡氏と私は、その目指すところは色々異なりますが、ものごとをそうした多面体として捉え、表現したいと言う点では、何か共通したものがあるのかもしれません。
ゲーム『メタルマックス』シリーズは、随所に、おふざけとシビアな内容がまぜこぜになっていますが、昔からのファンの方は、そこも納得した上でお付き合いくださっているのではないかと思います(御口に合わない方にはお詫び申し上げます)。
ではでは
きょうも良き日を♪
ご無沙汰してます、お元気ですか。
一昨日は、「メタルマックス3」の打ち合わせで久々に上京。制作のエンターブレイン本社まで出向いてました。
ゲームデザイナーの宮岡氏とも、今回の「3」の依頼を受けたとき以来で、懐かしかった?です(笑)
帰宅したのは深夜で、きょうもまだなんだか疲れが残って爆午睡してたりします(トシです);
仕事場では、作画用のタブレットを新しく(Intuosu4)購入、来月からスタートする某所の新連載に備えております。
そういえば最近やけに文字を打ち間違えるなあ、ボケたかなとか思ったら、この春から6月までの修羅場で、キーボードカバーが戦場あとのようにボロボロになってました。字見えんがな(爆
さっそく新しいのを注文しました。
ちなみに、メタマでお世話になってる編集さんの一人がキュートな美女なんですが、徹夜明けで打ち合わせに見えたのに、まったくそれを感じさせない笑顔と元気さで、打ち合わせ後はまた編集部に戻るとかで
ううむプロフェッショナルとか思って感動しました。
50歳も過ぎると、一回徹夜すると回復に何日もかかるので、よほどのことがない限りしません(爆
今月の前半の修羅場では、睡眠時間を削りまくって、どうしても耐えられない時は頭の横のスチール机にマグネット付きのキッチンタイマーを貼り付けて、10分とか20分とか寝てました。
寿命を縮めるんで、あんまりしたくないです(笑
今年の6月は梅雨寒はどこへやら、ムシムシするいやんな日々が多いですが、皆様もどうかご自愛ください。
ではではまたー♪
一昨日は、「メタルマックス3」の打ち合わせで久々に上京。制作のエンターブレイン本社まで出向いてました。
ゲームデザイナーの宮岡氏とも、今回の「3」の依頼を受けたとき以来で、懐かしかった?です(笑)
帰宅したのは深夜で、きょうもまだなんだか疲れが残って爆午睡してたりします(トシです);
仕事場では、作画用のタブレットを新しく(Intuosu4)購入、来月からスタートする某所の新連載に備えております。
そういえば最近やけに文字を打ち間違えるなあ、ボケたかなとか思ったら、この春から6月までの修羅場で、キーボードカバーが戦場あとのようにボロボロになってました。字見えんがな(爆
さっそく新しいのを注文しました。
ちなみに、メタマでお世話になってる編集さんの一人がキュートな美女なんですが、徹夜明けで打ち合わせに見えたのに、まったくそれを感じさせない笑顔と元気さで、打ち合わせ後はまた編集部に戻るとかで
ううむプロフェッショナルとか思って感動しました。
50歳も過ぎると、一回徹夜すると回復に何日もかかるので、よほどのことがない限りしません(爆
今月の前半の修羅場では、睡眠時間を削りまくって、どうしても耐えられない時は頭の横のスチール机にマグネット付きのキッチンタイマーを貼り付けて、10分とか20分とか寝てました。
寿命を縮めるんで、あんまりしたくないです(笑
今年の6月は梅雨寒はどこへやら、ムシムシするいやんな日々が多いですが、皆様もどうかご自愛ください。
ではではまたー♪
マンガの登場人物には、出版社とある種の専属契約が結ばれる場合があります。
無論架空の存在の登場人物が結ぶわけではなく、描いている作家が結ぶのですが。
先日Mr.ボーイのイラストを久々に描いていて思い出したのですが、
そういうわけで、マンガ家は、ある出版社で描いた作品の主人公を勝手に他誌の作品に登場させることができません。
単行本化の際の契約書に、契約期間中はこれと同じ作品あるいは類似の作品を他誌に描くことを禁じるという意味の項目があることがあります。
双葉社の『Mr.ボーイ』もそうでした。
私としては、同じ刑事モノの『弾(アモウ)』とか『紅壁虎(ホンピーフー)』なんかにもボーイを登場させて、それこそ『エイリアンvsプレデター』みたいに活躍させてみたかったのですが、それはかなわぬ夢でした。アメリカには、あの二者にバットマンとスーパーマンがからむというコミックさえあります♪
ちなみに日本のマンガの契約書は特に拒否を申し出ない限り、3年ごととかで自動更新されるため、次の区切りで申し出ようと思っていると、気がついたらまた3年延長で縛られてる場合がままあります。
それはそれで利点もあるんですが、その一方で弊害もあります。
それでいつも思うのは
手塚先生はどうなさっておられたのでしょうか。
先生は、スター制と言うか役者制というか、ランプだのヒゲオヤジだのおなじみの「名優」を、名前を変えてさまざまな作品に登場させておいででした。
だからと言って、どこかの雑誌社から訴えられたという話は聞いたことがありません。
先生だけの治外法権だったのでしょうか。
ご存知の方がおられましたら、ご教示いただけますと幸いです。
無論架空の存在の登場人物が結ぶわけではなく、描いている作家が結ぶのですが。
先日Mr.ボーイのイラストを久々に描いていて思い出したのですが、
そういうわけで、マンガ家は、ある出版社で描いた作品の主人公を勝手に他誌の作品に登場させることができません。
単行本化の際の契約書に、契約期間中はこれと同じ作品あるいは類似の作品を他誌に描くことを禁じるという意味の項目があることがあります。
双葉社の『Mr.ボーイ』もそうでした。
私としては、同じ刑事モノの『弾(アモウ)』とか『紅壁虎(ホンピーフー)』なんかにもボーイを登場させて、それこそ『エイリアンvsプレデター』みたいに活躍させてみたかったのですが、それはかなわぬ夢でした。アメリカには、あの二者にバットマンとスーパーマンがからむというコミックさえあります♪
ちなみに日本のマンガの契約書は特に拒否を申し出ない限り、3年ごととかで自動更新されるため、次の区切りで申し出ようと思っていると、気がついたらまた3年延長で縛られてる場合がままあります。
それはそれで利点もあるんですが、その一方で弊害もあります。
それでいつも思うのは
手塚先生はどうなさっておられたのでしょうか。
先生は、スター制と言うか役者制というか、ランプだのヒゲオヤジだのおなじみの「名優」を、名前を変えてさまざまな作品に登場させておいででした。
だからと言って、どこかの雑誌社から訴えられたという話は聞いたことがありません。
先生だけの治外法権だったのでしょうか。
ご存知の方がおられましたら、ご教示いただけますと幸いです。
今年2010年の春、私のサイト「あつじ屋」がおかげさまで100万アクセスを突破いたしました。
キリ番を踏まれたお客様、間地出外吉さまに「何か記念イラストのリクエストを」とお尋ねしましたところ
「ムーンベース(ご存知テレビドラマ『謎の円盤UFO』の月面基地)で女性隊員のコスに身を包んだMr.ボーイ」という、最高にコアなお題をいただき大感激♪
しかし春からぶっ通しの修羅場続きでまったく描く暇がなく、今しばらくお待ちくださいとお願いして今日にいたりました。
お約束どおり修羅場を抜けましたので、ここに謹んでイラストをアップさせていただきます。
間地出さまにも、そのほかのお客様にも、心より感謝いたします。
これからもどうか山本マンガをよろしくお願いいたします。
追記
最初構想段階で描いたラフの一つに、赤い宇宙服の宇宙人とからむボーイが、宇宙人のヘルメットを半分脱がせかけていて、あふれだした保護液が体を伝って床に滴っている絵もあったのですが、そのまま清書するとエロくて、昨今のナントカ規制にひっかかると嫌なので、没にしました(宇宙人の手の位置とか変えてみたりしたんですが、そういう問題じゃないと)(爆)。
なお、山本マンガの愛読者の方はご存知でいらっしゃると思いますが、ボーイは童顔の刑事でとっくに成人しております。念のため。
ではではまたー♪
追記2
山本マンガをご存知でない方のために、注釈追加いたします。
ボーイこと坊正太郎は女性にも少年にも化ける成人男子の潜入捜査官です。いわゆるトランスセクシュアルというやつです。御口に合わない場合はご容赦ください。
もっぱら熟女志向の山本マンガの系譜ではかなり特異なキャラクターです。
そもそも女性を主人公ということでお受けした連載依頼を、土壇場で男性主人公にしてくれと言われ、どうしても美しくない「野郎」を描きたくなかった私がひねり出した主人公で、そういう変更が無ければ生まれなかった存在かしれません。まあ、ひょうたんから駒というやつです。今となっては多くの女性主人公と並んで、愛着のあるキャラです。
先日描き下ろしを終えて久々の休日・・・と言いたいところですが
休んで遊んで仕事してます(笑)。
なんのこっちゃですが
ニンテンドーDSゲーム『メタルマックス3』の開発途中ROMをプレイ中。
本来はバグの有無を調べるバグ取りスタッフの一人として参加・・・というところなんですが、私は仕事に必要なゲームの世界観を確認把握するためで、バグチェックは本命ではありません。
バグチェッカーとして参加したのは確か2作目。
主人公たち一行が収容所に囚われるイベントで、看守と戦って敗れないといけないところ、私はレベル上げてのぞんだせいか、逆に倒してしまい、これだとその後のシナリオが成立しないということになってプログラム修正された覚えがあります(笑)。
夕べからスタートして今合計7~8時間プレイして、レベル18です。
最初からさくさく進む楽しい出来で、ちょっと行き先に迷って困ったところもダレる前に先の手がかりが見えて安心しました。。
途中、すわ大バグかと思ったとこは、ただの勘違いで私の大ボケでしたし
今のところ何のバグもありません(まあ、開発のこの段階であったら大変ですが)。
あと一つ私の勘違いに気づいたのですが
先日描いた読みきり『メタルマックス3/夢見るカルメン』は、ゲームスタート前の時間内のできごとと思っていましたが、そうではなくて、ゲームの序盤、プレイヤーが参加してのイベントの同時間帯の裏エピソードに当たります。
ですので、プレイされる方は、「この出来事に『参加』してる同じころ、別の場所(無論ゲームの地図内にある、「行ける場所」)で、こんなドラマがあったのか」と思いながら、お読みいただければと思います♪(もっとも、プレイヤーがそこに行けるのは、そのイベントが起こってしまった後で、早めに駆けつけてマンガの出来事を「変更」することはできません)。
話は戻って、実際の開発スタッフの手元のROMは、私が今プレイしているものより何バージョンも調整が進んでいるようなので、早くそちらも、と言うか、早く完成バージョンもプレイしたいものです。
数時間プレイした限りでは、旧作のツボもきちんと押さえた楽しい出来になっています。このままクライマックスまで行って欲しいものです♪
ではではまた。
休んで遊んで仕事してます(笑)。
なんのこっちゃですが
ニンテンドーDSゲーム『メタルマックス3』の開発途中ROMをプレイ中。
本来はバグの有無を調べるバグ取りスタッフの一人として参加・・・というところなんですが、私は仕事に必要なゲームの世界観を確認把握するためで、バグチェックは本命ではありません。
バグチェッカーとして参加したのは確か2作目。
主人公たち一行が収容所に囚われるイベントで、看守と戦って敗れないといけないところ、私はレベル上げてのぞんだせいか、逆に倒してしまい、これだとその後のシナリオが成立しないということになってプログラム修正された覚えがあります(笑)。
夕べからスタートして今合計7~8時間プレイして、レベル18です。
最初からさくさく進む楽しい出来で、ちょっと行き先に迷って困ったところもダレる前に先の手がかりが見えて安心しました。。
途中、すわ大バグかと思ったとこは、ただの勘違いで私の大ボケでしたし
今のところ何のバグもありません(まあ、開発のこの段階であったら大変ですが)。
あと一つ私の勘違いに気づいたのですが
先日描いた読みきり『メタルマックス3/夢見るカルメン』は、ゲームスタート前の時間内のできごとと思っていましたが、そうではなくて、ゲームの序盤、プレイヤーが参加してのイベントの同時間帯の裏エピソードに当たります。
ですので、プレイされる方は、「この出来事に『参加』してる同じころ、別の場所(無論ゲームの地図内にある、「行ける場所」)で、こんなドラマがあったのか」と思いながら、お読みいただければと思います♪(もっとも、プレイヤーがそこに行けるのは、そのイベントが起こってしまった後で、早めに駆けつけてマンガの出来事を「変更」することはできません)。
話は戻って、実際の開発スタッフの手元のROMは、私が今プレイしているものより何バージョンも調整が進んでいるようなので、早くそちらも、と言うか、早く完成バージョンもプレイしたいものです。
数時間プレイした限りでは、旧作のツボもきちんと押さえた楽しい出来になっています。このままクライマックスまで行って欲しいものです♪
ではではまた。
私のサイト「あつじ屋」のギャラリーを更新しました。
『漫遊少女隊』より/「マタギの十三(じゅうざ)と「○連れ狼」
ご説明申し上げるよりご覧いただくのが早いかと。
メタルマックス3に向けて追い込み中のこの時期に、そういえばこんなマンガも描いたっけとふと思い出してアップしました。お暇な方はどうぞですー♪
皆様、お久しぶりです山本貴嗣です。
『メタルマックス3 夢見るカルメン』49ページ(手書きあとがきも含めると50ページ)が、昨日無事完成、エンターブレイン社に納品いたしました。
十年近く昔、角川で馳星周先生原作の『不夜城』のコミカライズをした時以来の大ハードな作業で、途中マジ過労で倒れるかと思った瞬間もありましたが、おかげさまでコンプリート。近年の自作のベストになったと自負しております。
本当に修羅場続きで、ブログの更新はおろか、いただきましたコメントにお返事さえできない日々でしたことを、お詫び申し上げます。
春以来久々の休日で呆けておりますが、夕方寝て深夜に起床
久々の更新にマンガ家が絵ぐらい入れろよと一人ツッコミして、こんな画像を作りました。
あくまでイメージであって、こんなシーンは描き下ろしマンガにもゲームの中にも出てきません。私の個人的ラクガキ(作成時間一時間ちょい)です(「MM3」のロゴもそう)ので、あしからずご了承ください(依頼を受けて描いた原稿は勝手に発表するわけにいきませんから、こうしてプライベートイメージで「援護射撃」をさせていただきます)♪
しばらくは休養しつつ後片付けして、次の仕事に備えます(遅くとも来月にはかからないといけませんので)。
ぼちぼち更新も元のペースに戻して行ければと思っております。どうぞよろしくお願いします♪ではでは
メタルマックス3描き下ろし『夢見るカルメン』ラストスパートに入っております。
今週末の締め切りに向けて「大気圏突入」開始と申しますか、無事帰還までしばし音信もとい更新途絶いたしますが、どうぞよろしくお願いします。
皆様もどうかくれぐれもご自愛ください。ではでは♪
今週末の締め切りに向けて「大気圏突入」開始と申しますか、無事帰還までしばし音信もとい更新途絶いたしますが、どうぞよろしくお願いします。
皆様もどうかくれぐれもご自愛ください。ではでは♪
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