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あつじ屋日記
まんが家・山本貴嗣(やまもとあつじ)の日記です。 作品から日々思うことまで色々書いてます。
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鳥山明先生の思い出
偉大な世界の漫画家・鳥山明先生が亡くなられました
心より敬意と感謝を込めて、ご冥福をお祈り申し上げます

 1982年暮れ集英社のパーティでクジ一等賞が
「ペアでグアム島旅行」
 で最後に残った数人に私もいてジャンケンで決めることになり、
 鳥山明先生もいらしたんで
「先生お金持ちなんだから自費で行ってください」
 って言って負かして私が勝利し翌年妻との新婚旅行にしたのが思い出です。

なお結婚後
「どんなお相手か見てみたいw」
 とおっしゃる鳥山先生に妻とともにご挨拶にうかがいました(ご自宅にではなく、どこか喫茶店でお会いしてお話させていただきました)とても幸せな想い出です。
 鳥山先生ありがとうございました♪

葬祭と人づきあい
 子どもが病気で高熱なのだが身内の葬儀に出ろとパートナー言われて辛い、という話をネットで見ました。
 人づきあいは大切なものですが、誰かの気持ちを大切にしようとして、別の誰かの気持ちをないがしろに(この場合は気持ちと言うより子どもの健康ですが)するのは賛成できません。

 二年前、故郷の母が他界しましたが、焼香には私一人が帰省しました。
 妻は元々とても体の弱い人で、数年前白血病から生還してからは、また一段と体力がなくなりました。
 たとえばベランダに2人分の洗濯物を干すと、はあはあ息が荒くなって横になるくらいです。(医師には検査を受けていますので、念のため)
 だから、とても湘南から山口県に旅などできません。
 私は妻が幸せにしているのが幸せなので、湘南に残して帰省しました。
 亡くなった母はとてもさばけた性格で、私とも仲良しで妻のこともよくわかってくれていたので、喜んで受け入れてくれたと思います。
 一人残された父も、そういう状況はわかっていて、私一人の帰省を快く迎えてくれました。

 だれかに耐え難い無理や犠牲を強いる付き合いや、それなしでは維持できない関係があるなら、それは手放してもいいと思っています。
 将来もし、妻より私が先に逝くことがあれば、そういう妻ですので、一般的な葬祭はこなせないし、その必要もありません。
 そんな妻に何かよけいなことを言う人がいれば、故人(私)が総力を挙げて阻止したいと思います。
 もっとも、そんな苦労はかけたくないので、できれば私が妻を見送れたらいいなと思っています。

 生きている親のことも、死んだ親のことも、一日も忘れたことはありません。日々感謝して生きています。
 すべての命に幸多かれ。
追悼:狩撫麻礼先生
 狩魔無礼

小池一夫劇画村塾一期生の同期で、マンガ原作者の
 狩撫麻礼先生が亡くなられたようです。
 狩撫先生には、35年前新婚旅行から帰宅した私がおみやげのワイルドターキーを持参した際、私のバイク、ホンダのRS-Zに二人乗りし、後部シートに座った狩撫先生が「二人羽織」状態でハンドルを持って運転されたのが最後にお会いした思い出でした。
 拙著『最終教師』より、先生をモデルにした蜘蛛人間「狩魔無礼」のカットをここに掲載し
 心より哀悼の意をささげたいと思います。合掌。

追記
  古い友人が昨夜、昔の新聞のコピー画像をメールしてくれました。
 まだ村塾一期生だったころでしょうか。40年近く昔です。
 狩撫さん、狩魔無礼にそっくりでしょう?(泣笑
 ずいぶん時は流れたものです。

狩撫さんたちと新聞記事
縁は異なもの
11月23日、東京ビッグサイトで開かれた海外マンガフェスタに顔出し。
 お世話になってる編集さん(日本人です)のブースに行ってたんですが、ついでに同じホールで開かれてたコミティアにも顔出ししました。
 で、ずっと以前から作品は存じ上げてた女性マンガ家さんにご挨拶したんですが
 そばにいた男の人から
「お久しぶりです」
 って言われて、脳内記憶検索したけど、とっさに該当が見当たらず
「どなたでしたっけ??;;」
 って思ったら、なんと二十年近く昔の担当さんで、そのマンガ家さんと結婚されてました。
 世界狭すぎるやろおおおおお!!w
人の嫌悪がわからない人
『あなたはなぜ「嫌悪感」をいだくのか』 レイチェル・ハーツ/綾部早穂・監修/安納令奈・訳/原書房 から:

 2002年ノースカロライナの州刑務所と北イリノイの刑務所で男性囚人が、精神科医によってサイコパス、非サイコパスに分けられ30人ずつの男女の喜び、悲しみ、怒り、恐れ、驚き、嫌悪の表情を見せるテストが行われた。

 「喜びと驚きの顔はサイコパスと非サイコパスのどちらのグループでも最も高い比率で認識された。
 いずれもが98%、驚きについては90%が認識した。その一方で、恐れはあまり読みとられず、正しく認識されたのはどちらのグループでもたった45%に過ぎなかった」

 「さらにサイコパスについては
 嫌悪感を示す顔は、恐れの顔と同じくらい見分けられず、正しく読みとれたのは全体の48%に過ぎない」
 「これ以上ないほど冷酷で社会性が欠落しているサイコパスの特徴が嫌悪感を理解できないことであるのなら、嫌悪感を理解し読みとる能力は、社会で助け合って生きられる人間である証ということになる

 同書には、もう一つ興味深い事実が書かれている。
 「ハンチントン舞踏病、またの名をハンチントン病(HD)と呼ばれる」「大脳基底核と呼ばれる脳の部位にある神経細胞が萎縮し変性する遺伝性疾患」の患者は「他人の嫌悪感を読みとることができない
 その他の感情は読みとれるのに、である。

 この本を読むと、実際に対面する生活からネットの生活まで、しばしば見かける他者の嫌悪に無関心な人々を一くくりには考えられない。
 積極的に人を困らせたいサディストも、無頓着なサイコパスも、また罪なき病気の人もいる。
 ただ医者でもない一般人が、それらに対応するのは無理だと思う。

 ただ「サイコパス」という単語は長い間に一人歩きしてしまい人々の間に勝手なイメージが定着している(そういう私も厳密には理解していない)先日NHKでも一般人の中にあるサイコパス的要素について興味深い番組があった 。
 企業経営者には強いサイコパス気質がある オックスフォード大科学者の調査結果
 私の中にもそういう要素はある。
 要は、それを自覚し、いかに制御し善用するかだと思う。
                   (2015年8月11日のTwitterの私のツイートより、まとめ)

 ちなみに同書は、厳密な学術論文的なものではなく、一般向けに書かれた読み物のようなもので、全体としては「ゆるい」本です(ネットのレビューなどにも指摘があります)。ただ、上記の実験結果は、筆者の手になるものではありませんし、興味深い一つのデータとして、頭の隅に置いておいても悪くないかもと思いました。


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