人間ドックに「地獄」を見た - 2011.09.01 Thu
先日、日帰り人間ドックに行った。
尿検査、医師の問診に始まり、血液検査、エコー検査、骨密度検査、胃部レントゲン検査、身体測定、視力・聴力検査、眼底検査・・・、まだあったかな?・・・こんなもんだろう。
この中で、私が最も苦手とするのは、胃部レントゲン検査と「エコー検査」。
胃部レントゲン検査は、嫌いな人が多い。まず発泡剤を飲む。とたんに胃の中は気体が充満する。ゲップが出そうになる。でも、ゲップをしたら叱られる。必死の我慢。その後、バリウムっていう真っ白なドロドロした物をコップ一杯飲む。そうしてそのバリウムを胃の中に万遍なく行き渡らせ、様々な角度から胃の写真を撮るために、回転する台の上で、
「はい、右に体をぐるっと1周させて。」
「両手で手すりを持って。少しお尻を右に浮かせて。はいストップ。そのまま息を大きく吸って。止めて。」
などと、隣りの部屋のレントゲン技師の言いつけどおりに動くのである。時にベッドは逆さまになったりしながら、かなりトホホなポーズを色々させられるのである。(胃部健診未経験の方のため、ちょいと詳しく書きました。)
それと並んで私を憂鬱な気分にさせるのが、エコー検診。超音波による内臓の検診である。
「たけサマ、4番の受付にお願いします。」と看護士さんに言われる。
ああ、エコーだ・・・。
廊下のソファでしばらく待っていると、
中から、私のカルテを持った可愛い(←ここ重要。)看護士さん?が私を部屋に招き入れる。
薄暗い部屋。
中には、小さなベッドが一つ。
可愛い看護士さんと二人きり。
「それでは、おなかを出してベッドに仰向けになってください。」
それから、可愛い看護士さんは、私のズボン(検診前に着替えた、パジャマみたいな検診着)をかなりヤバいところまでずり下ろし、バスタオルを下腹部にかけ、上着を首の辺りまでたくし上げ、
「両手は上に上げて、手すりをつかんでくださいね」
と言うやいなや、私の右わき腹に、温かいゼリー状のものを塗りつける。
・・・・・・あ、いやいや、思わず話がムフフな方向に行ってしまった。どうもいかん。だが、嘘はついていない。ホントにそういう感じ。ただし、可愛い看護士さんは極めて事務的な声であった。「この検査は初めてですか?」とも聞かれた。確かに。
でも、ここからが地獄の始まりなのである。
ゼリーを塗ったおなかにいきなりちっちゃいローラーのようなものを押し当てられる。それをグリグリと上下に動かして押し付けられる。おなかの真ん中辺りならいいのだが、問題は脇腹。こ、これが、耐えられないほどくすぐったいのだ。思わず「あひょっ」と声を上げそうになる。本当は、「ギャヒヒヒヒ。やめで。やめでえええ。」と叫びたいほどくすぐったいのだ。私は、手すりを持つ手に力を入れ、全身の筋肉を硬直させて、身悶えしながら、その「くすぐり地獄」に耐えなければならない。
脇の下の肋骨辺り、グリグリ。また下に下がって、右脇腹の一番弱いところをグリグリ。
突然、何の前触れもなく、左の脇腹をグリッ。
「オヒョ。」これは、思わず声が出てしまった。
「あ、ごめんなさいね。」
可愛い(けど事務的な)声で謝られると何も言えない・・・。
・・・・・・地獄のような時間が過ぎた。
一体何分間いじめられたのか、本当に今でも実感できない。
長い長い時間のように感じた。
ことが終わった後、看護士さんは、ティッシュで丁寧に私の体のゼリーを拭き、
「はい。それでは、2番の受付に行ってください。」
・・・ほ・・・、やっと解放された。
明るい廊下に出たとき、
私は、自由の有難さを実感するのである。
「何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない。又、犯罪に因る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない。」(日本国憲法 第18条)
「公務員による拷問及び残虐な刑罰は、絶対にこれを禁ずる。」(同36条)