パートタイム労働法改正の要点
新年度が始まって1箇月が過ぎました。今月からいわゆるクールビズというやつで、ネクタイが必須でなくなった事業所も多いのではないかと思います。かくいう浅草社労士も拘束されるのはことごとく嫌いなので、ネクタイなしは助かります。ネクタイの起源は防寒具の一種だったとの説もあるくらいで、だとすれば、日本の夏にネクタイを締めなければならないというのは、拷問のようなものです。
さて、新年度から改正法が施行された労働法関係の法律の一つがパートタイム労働法です。平成27年4月1日施行のパートタイム労働法の主な改正点は、以下の通りです。
1.パート労働者の公正な待遇の確保
(1)「待遇原則」に関する規定の新設(法第8条)
事業主が、パートタイム労働者の待遇を同一の「事業所」に雇用される通常の労働者(いわゆる正社員)の待遇と相違するものとする場合は、その待遇がそのパートタイム労働者の職務の内容、人材活用の仕組み・運用等の事情を考慮して、不合理と認められるものであってはならない。
(2)均等待遇に関する要件の緩和(法第9条)
パートタイム労働者が通常の労働者と同視されるための要件として、これまで「職務内容が、通常の労働者と同一であること」、「雇用関係終了までの全期間につき、人材活用の仕組みと運用が、通常の労働者の場合と同一であること」に加えて、「(実質的に)期間の定めのない労働契約を締結していること」の3要件を挙げ、これら全てを満たす必要がありました。しかし、今回の改正で「(実質的に)期間の定めのない労働契約を締結していること」は、要件から撤廃され残りの2要件を満たせば、パートタイム労働者が通常の労働者と同視されることになりました。
(参 照) 労働契約法 第20条
有期労働契約を締結している労働者の労働契約の内容である労働条件が、期間の定めがあることにより同一の使用者と期間の定めのない労働契約を締結している労働者の労働契約の内容である労働条件と相違する場合においては、当該労働条件の相違は、労働者の業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度、当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情を考慮して、不合理と認められるものであってはならない。
2.パート労働者の納得性を高めるための措置
(1)雇入れ時の説明義務 (法第14条1項)
事業主は、パートタイム労働者を雇用したとき(更新時を含む)は、雇用管理の改善措置の内容について、当該パートタイム労働者に対して説明しなければならなくなりました。説明すべき事項は、「通常の労働者と同視すべきパートタイム労働者の均等待遇(法第9条)」、「賃金、教育訓練、福利厚生に関する均衡待遇(法第10条~第12条)」、「通常の労働者への転換(法第13条)」であり、説明方法は口頭による説明会等でもよいとされ、必ずしも文書を提示することまでは要求されていません。
(2)相談体制の整備 (法第16条)
事業主は、パートタイム労働者の雇用管理の改善等に関する事項について、パートタイム労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備を行わなければなりません。この相談窓口の設置に関しては、雇入れる者に対して文書の交付等による明示が必要とされています。
(参 照) 文書による明示事項
労働基準法 ⇒ 契約期間、仕事の場所・内容など
パートタイム労働法 ⇒ 昇給、賞与、退職手当の有無 + 相談窓口
パートタイマー用の労働条件通知書
3.法の実効性を担保するための措置
(1)違法事業主名の公表制度の新設 (法第18条2項)
厚生労働大臣は、雇用管理の改善措置に関する規定に違反する事業主につき、勧告を行います。この勧告に従わない事業主については、構成労働大臣が、その事業主名を公表することができるようになりました。
雇用管理の改善措置に関する規定とは、「文書の交付等による特定事項の明示(法第6条1項)」、「通常の労働者と同視すべきパートタイム労働者の均等待遇(法第9条)」、「職務遂行に必要な教育訓練、福利厚生に関する均衡待遇(法第11条・第12条)」、「通常の労働者への転換(法第13条)」、「雇入れ時等の説明(法第14条)」、「相談体制の整備 (法第16条)」などです。
(2)報告義務違反に対する過料の新設(法第30条)
事業主が、厚生労働大臣に対する報告をせず、又は虚偽の報告をしたときは、20万円以下の過料に処することになりました。また、特定事項の文書による明示義務違反に対する10万円以下の過料の規定(法第31条)については、従来通りです。
さて、新年度から改正法が施行された労働法関係の法律の一つがパートタイム労働法です。平成27年4月1日施行のパートタイム労働法の主な改正点は、以下の通りです。
1.パート労働者の公正な待遇の確保
(1)「待遇原則」に関する規定の新設(法第8条)
事業主が、パートタイム労働者の待遇を同一の「事業所」に雇用される通常の労働者(いわゆる正社員)の待遇と相違するものとする場合は、その待遇がそのパートタイム労働者の職務の内容、人材活用の仕組み・運用等の事情を考慮して、不合理と認められるものであってはならない。
(2)均等待遇に関する要件の緩和(法第9条)
パートタイム労働者が通常の労働者と同視されるための要件として、これまで「職務内容が、通常の労働者と同一であること」、「雇用関係終了までの全期間につき、人材活用の仕組みと運用が、通常の労働者の場合と同一であること」に加えて、「(実質的に)期間の定めのない労働契約を締結していること」の3要件を挙げ、これら全てを満たす必要がありました。しかし、今回の改正で「(実質的に)期間の定めのない労働契約を締結していること」は、要件から撤廃され残りの2要件を満たせば、パートタイム労働者が通常の労働者と同視されることになりました。
(参 照) 労働契約法 第20条
有期労働契約を締結している労働者の労働契約の内容である労働条件が、期間の定めがあることにより同一の使用者と期間の定めのない労働契約を締結している労働者の労働契約の内容である労働条件と相違する場合においては、当該労働条件の相違は、労働者の業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度、当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情を考慮して、不合理と認められるものであってはならない。
2.パート労働者の納得性を高めるための措置
(1)雇入れ時の説明義務 (法第14条1項)
事業主は、パートタイム労働者を雇用したとき(更新時を含む)は、雇用管理の改善措置の内容について、当該パートタイム労働者に対して説明しなければならなくなりました。説明すべき事項は、「通常の労働者と同視すべきパートタイム労働者の均等待遇(法第9条)」、「賃金、教育訓練、福利厚生に関する均衡待遇(法第10条~第12条)」、「通常の労働者への転換(法第13条)」であり、説明方法は口頭による説明会等でもよいとされ、必ずしも文書を提示することまでは要求されていません。
(2)相談体制の整備 (法第16条)
事業主は、パートタイム労働者の雇用管理の改善等に関する事項について、パートタイム労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備を行わなければなりません。この相談窓口の設置に関しては、雇入れる者に対して文書の交付等による明示が必要とされています。
(参 照) 文書による明示事項
労働基準法 ⇒ 契約期間、仕事の場所・内容など
パートタイム労働法 ⇒ 昇給、賞与、退職手当の有無 + 相談窓口
パートタイマー用の労働条件通知書
3.法の実効性を担保するための措置
(1)違法事業主名の公表制度の新設 (法第18条2項)
厚生労働大臣は、雇用管理の改善措置に関する規定に違反する事業主につき、勧告を行います。この勧告に従わない事業主については、構成労働大臣が、その事業主名を公表することができるようになりました。
雇用管理の改善措置に関する規定とは、「文書の交付等による特定事項の明示(法第6条1項)」、「通常の労働者と同視すべきパートタイム労働者の均等待遇(法第9条)」、「職務遂行に必要な教育訓練、福利厚生に関する均衡待遇(法第11条・第12条)」、「通常の労働者への転換(法第13条)」、「雇入れ時等の説明(法第14条)」、「相談体制の整備 (法第16条)」などです。
(2)報告義務違反に対する過料の新設(法第30条)
事業主が、厚生労働大臣に対する報告をせず、又は虚偽の報告をしたときは、20万円以下の過料に処することになりました。また、特定事項の文書による明示義務違反に対する10万円以下の過料の規定(法第31条)については、従来通りです。
2015年05月04日 22:00 | 人事労務