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有期雇用労働者特別措置法(無期転換申込権の例外措置)

 昨年秋の第187回国会(臨時会)で、有期雇用労働者特別措置法(正式には「専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法案」)が可決、成立しています。重要な法律でありながら、意外と周知されていない印象を受けています。

 この法律は、国家戦略特別区域法の規定等を踏まえ、有期の業務に就く高度専門的知識を有する有期雇用労働者等について、労働契約法に基づく無期転換申込権発生までの期間に関する特例を設けるものです。法律の施行期日は、平成27年4月1日とされています。労働契約法18条の無期転換申込権に関する規定とは、平成25年4月から施行された同法の改正法で、「有期労働契約が反復更新され、期間が通算5年を超えた場合、労働者の申込により無期労働契約に転換する」というものです。


1.特例の対象となる特定有期雇用労働者

(1)5年を超える一定の期間内に完了する業務に従事する高収入かつ高度な専門的知識、技術または経験を有する有期契約労働者。(対象者の範囲や年収などの具体的な要件については、労働政策審議会において改めて検討されることとなりますが、弁護士、公認会計士、デザイナー、博士号取得者等、また、年収制限は約1000万円といったところに落ち着くのでしょうか?)
(2)定年(60歳以上)後に同一の事業主またはこの事業主と一体となって高齢者の雇用の機会を確保する事業主(高年齢者等の雇用の安定等に関する法律における「特殊関係事業主」)に引き続いて雇用される高齢者。


2.特例の適用を受けるには

 今後、厚生労働大臣が、特定有期雇用労働者の特性に応じた適切な雇用管理の実施に関する基本的な指針を定めることとされており、この基本指針にそった対応を取ることができると厚労相が認定した事業主は、この特例措置を活用することができることになります。換言すると、この特例を活用したい事業主は、特定有期雇用労働者の特性に応じた適切な雇用管理に関する措置についての「計画」を作成し、厚労相に提出して認定を受けることが必要になります。

 また、ここでいう「計画」に関しては、(1)の労働者(高度専門特例有期雇用労働者)に関しては、次の事項を盛り込むことになっています。
・特定有期業務の内容並びに開始及び完了の日
・能力の維持向上を自主的に図るための機会の付与に関する措置

 (2)の労働者(高齢者特例有期雇用労働者)に関しては、その配置、職務及び職場環境に関する配慮等の雇用管理の措置の内容を盛り込むことになっています。

 
3.特例の効果

 特例有期雇用労働者については、労働契約法に基づく無期転換申込権発生までの期間(5年)を超えても無期転換申込権が発生しないことになります。

(1)高度専門特例有期雇用労働者
 一定期間以内に完了することが予定されている業務に就く期間(上限10年)

(2)高齢者特例有期雇用労働者
 定年後に引き続き雇用されている期間201411_伝法院お茶会_IMG_0314

 

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