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あつじ屋日記
まんが家・山本貴嗣(やまもとあつじ)の日記です。 作品から日々思うことまで色々書いてます。
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啓蒙と憂さ晴らしは別のこと
 科学知識に疎い人の発言に「こんなこともわからないのか」と見下したり、怒りいら立ちを示す時点で、それも一つの差別にほかならないと思います。
 他人の無知は、ジャンルが異なる自分の無知かもしれないと慮るだけの知性はあるはず。科学にシミュレーションはつき物ですから。
 ソクラテスの「無知の知」は中学高校あたりで習いました。
 物理や化学に造詣の深い方が、他のジャンルたとえば心理学などにまったく疎いことはままあり、討論番組などで感情的に追い詰められて顔色を変える例があります。
 だからと言ってその方が人間的に哂(わら)われていいことにはなりません。
 自然科学に疎い方も同じだと思います。実は優れた農家かも経済学者かもしれません。学問はなくとも、大変人間的には優れた方かもしれません。
 「こいつ話のわからんやつだな」とこちらが思うとき、相手も同じことを思っていることが少なくありません。 そこで怒りやいら立ちを表すことが相互理解になにかプラスになるとは私には思えません。私情は脇において事実のみを語るのが吉だと思います。自分の感情だけでなく自集団の共通感情もです。
「バカじゃねーの」
 の類の言動は科学でもなんでもない、ただのネガティブ感情のベントです。
 ちなみに私は別に善人ではありません。
 あまりに悪どい人の話などを聞いて敵意を抱くこともありますし嫌悪感を抱くこともあります。あまりに愚かな人と出会うと怒りもいら立ちも虚しさも感じます。しかしそれは私の一人決めであり勘違いかもしれません。
 それをそのまま吐き捨てても、その人が変わるわけでなく、ただ私の不機嫌を世界に撒き散らすだけですので、心の圧力容器の中にとどめて無害化してから放出しているだけです。

 などという考えも、誰かに押し付けるつもりはなく、ただ私の考えであるだけです。
 ここしばらく、ツイッターその他で世の中の喧々諤々(けんけんがくがく)を見ていて、そんなことを思いました。
コメント
この記事へのコメント
私はツイッターやネットの掲示板と言うものは、なぜかその人の「生の感情」が噴出しやすいものだと感じています。
当然、それらのカキコミに対する反応も、同じ様な「生の感情」であり、下手をすると果てしなく「感情のぶつけ合い」に終始してしまう事も少なくありません。

冷静に落ち着いて理性的な対話にならないのであれば、それらのツールはとても危険なモノなのではないかと危惧しています。
2011/04/20(水) 17:29:01 | URL | ぬうぼマン #x9c5GV3o[ 編集]
先生…
特に私は今回の原発事故は政府高官の無知が産み出した初動の遅さゆえの人災と認識しております
2011/04/20(水) 17:34:03 | URL | レッドウルフ #-[ 編集]
心の格納容器
ふと思いました。

格納容器は炉心を外からの攻撃から守るためにあるのか?それとも炉心から外の世界を守るためにあるのか?

心は外から色々の影響を受け、色々な行動が外に向かって発信されます。心の容器は自己の安定のために後天的に作り上げた一つの作法に過ぎないのではないかと思います。大きく外と内を頑丈な格納容器で分けるということは心の状態がより何かに特化していることかと思います。

格納容器は、お隣との垣根程度の入れ物なのが良いのじゃないかとかおもったりします。
2011/04/20(水) 23:31:36 | URL | やすやす #-[ 編集]
テキスト弁慶
テキスト弁慶という単語を先日知ったんですが
 ネットとかで文章打ってるときは強い子の人、外では弱い子の人。(かな?)

>ぬうぼマンさま
 正直であることとナマな感情を投げ合うことは別物ですよね。学校や家庭職場のうっぷんを晴らす対象を探してネットの世界をうろついてる人多いです。

>レッドウルフさま
 なにも考えてこなかった(少なくともそう言われても仕方がないくらい考えてこなかった)結果でしょうね。
 自分もあまり考えていなかったことを反省しています。

>やすやすさま
 おっしゃるとおり、分厚い格納容器が必要な精神は危険です。常日頃から安定した状態で垣根の低い在り方が一番です。
 そう心がけております♪
2011/04/22(金) 07:26:20 | URL | 山本貴嗣 #pmWGJPUI[ 編集]
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