競争
うちの森で目にする光景では
植物は日光を奪い合って争っているように見えるし
油断すれば幹に巻き付かれて倒されてしまう。
植物のどこにも意思がないようでいて
結果的に、結構、凶悪な行動をしているものがいる。
セリとミツバも戦っている・・・ように見える。
コロナウイルスは半月ごとに進化して凶暴なものに
変わりつつあるとTVで言っていた。
ウィルソンの本を読んでいると進化というのは
交配して子孫が出来る過程でしか起こらないように思える。
だから自分のように一生独身で遺伝子を次世代に伝えられないものは
生物の多様性に貢献できない負け組のような気分を味合わせられる。
けれどどうだ、生物と物質の中間的存在のウイルスが
半月ごとに進化しているとは?
天文学者フレッドホイルが言うには
遺伝子に宇宙線か放射能か何かの影響でアクシデントが起こり
塩基配列が変わったとしてそれが有用な何かになるためには、
たとえば無生物が生物になるほどの組み合わせが偶然できるには
宇宙の始まりから今までの時間があっても全然足りないのだと。
そんなことから、ずいぶん長く積ん読にしていた
フレデリッヒ・オーギュスト・ハイエクと今西錦司の対談集を
読み返し始めて、いまようやく面白さがわかりかけている。
今西進化論、棲み分け理論、
種と種の間では競争はなく棲み分けしているという・・・
自分は物事のうわべしか見てないのかもしれないけど
森の中の至るところで植物同士の戦いはあるように見える。
今後、そんなシーンが見れたら撮っておきたいと思う。
意思がないように見えて凶悪なつる植物と
生物とは言い切れないウイルスに「凶悪」という形容詞を
つけたくなる気持ち。
逆に言えば「凶悪」とは、感情のある生き物が思うことで
自然界では淡々と物事は進み「競争」しているなんて意識は
どこにも存在しないのかもしれない・・・