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「生命保険のカラクリ」

生命保険のカラクリ (文春新書)
岩瀬 大輔
文藝春秋
売り上げランキング: 97
タイトルだけで判断して本を手に取らなかったり、読み飛ばした人ほど誤解しているようなので、その誤解を解くために改めて強調すれば、すべてが無料になるとか、無料になるべきだと主張したかったわけではない。製品がデジタル化されれば、“無料”が市場における価格設定のひとつになると言いたかった。

という言葉は、ベストセラー「FREE」の著者クリス・アンダーソンのインタビューから。

 本書は、フリーミアム論のとおり、PDFで全文無償公開されたことで話題になった。私はPDF版をダウンロードした勢いで書籍も購入して読み、AAに描いたような釣られっぷり。

 …じゃなくて本書の場合、無償公開の原資は、著者にとっては本業の生命保険契約であると思う(版元にとっては別として)。生命保険のビジネスはボリュームモデルではなくバリューモデルだし。本書の中でも著者は、人海戦術モデルによる生命保険営業は、メリットもあるがコスト高であると主張している。特に、従来の生命保険会社と異るモデルをウリにしているため、そのモデルを広く伝えて1つでも多く契約が成立するのが著者の狙いなのだろうと想像した。

 著者が主張するのは「生命保険は複雑」ということ。それに対して著者とライフネット生命が提案するのが「シンプルでコストを抑えた生命保険」。本書からそのあたりの主張を拾ってみる。

  • 従来の生保は高コスト。35~62%が経費や利益に当てられている。店頭販売やインターネットならコストを下げられる
  • 生保には保障と貯蓄の2つの機能が組み合わせられている。貯蓄はほかの手段という選択肢があってもよい
    • 終身保険は貯蓄
    • ちなみにフランスでは生保の8割以上が貯蓄系商品
  • 病気のリスクが過大に言われている
  • 特約が多すぎる。不払いの原因にもなる

 そのほか、契約を考えてない私も、転換セールスとか、シサ・リサ・ヒサとか、かんぽや共済との関係とか、興味深く読んだ。

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