「生命保険のカラクリ」
タイトルだけで判断して本を手に取らなかったり、読み飛ばした人ほど誤解しているようなので、その誤解を解くために改めて強調すれば、すべてが無料になるとか、無料になるべきだと主張したかったわけではない。製品がデジタル化されれば、“無料”が市場における価格設定のひとつになると言いたかった。
という言葉は、ベストセラー「FREE」の著者クリス・アンダーソンのインタビューから。
本書は、フリーミアム論のとおり、PDFで全文無償公開されたことで話題になった。私はPDF版をダウンロードした勢いで書籍も購入して読み、AAに描いたような釣られっぷり。
…じゃなくて本書の場合、無償公開の原資は、著者にとっては本業の生命保険契約であると思う(版元にとっては別として)。生命保険のビジネスはボリュームモデルではなくバリューモデルだし。本書の中でも著者は、人海戦術モデルによる生命保険営業は、メリットもあるがコスト高であると主張している。特に、従来の生命保険会社と異るモデルをウリにしているため、そのモデルを広く伝えて1つでも多く契約が成立するのが著者の狙いなのだろうと想像した。
著者が主張するのは「生命保険は複雑」ということ。それに対して著者とライフネット生命が提案するのが「シンプルでコストを抑えた生命保険」。本書からそのあたりの主張を拾ってみる。
- 従来の生保は高コスト。35~62%が経費や利益に当てられている。店頭販売やインターネットならコストを下げられる
- 生保には保障と貯蓄の2つの機能が組み合わせられている。貯蓄はほかの手段という選択肢があってもよい
- 終身保険は貯蓄
- ちなみにフランスでは生保の8割以上が貯蓄系商品
- 病気のリスクが過大に言われている
- 特約が多すぎる。不払いの原因にもなる
そのほか、契約を考えてない私も、転換セールスとか、シサ・リサ・ヒサとか、かんぽや共済との関係とか、興味深く読んだ。
コメント
コメントの投稿
トラックバック
https://emasaka.blog.fc2.com/tb.php/736-77ac165a