「宇宙最強物質決定戦」
一般層、特に男の子にわかりやすく説明するときに、ランキングをつけたり、キャラづけしたりするのは一つの手法だ。男の子・ランキング・キャラづけとくれば、少年漫画のバトル漫画である。
というわけで、ホーキング博士の教え子さんが宇宙について、物質や星、銀河、ダークマター、ダークエネルギーなどをバトル漫画風にキャラづけし、ランキングづけして解説しているライトな科学啓蒙書だ。ヤングアダルト層(中高生ぐらい)向けレーベル「ちくまプリマー新書」の1冊。
といっても物語として盛り上げるという方向ではなく、意外と(?)オーソドックスな解説に、キャラづけやランキングを加えた感じで、安心して読める。
第1章が「星部門」で、星の7つのタイプをもとにいろいろな恒星について学び、大きさや磁気、電気でランキングを決める。そこから第2章が「銀河部門」に広がり、銀河やブラックホールの重さや種類を競ったあと、さらに宇宙の大規模構造や超銀河団まで拡大する。
幕間の「速度対決部門」で光子とニュートリノの間の間にランキングされる謎の粒子を紹介。そして第3章で、現代の宇宙論に欠かせないダークマターとダークエネルギーを解説する。ダークマター、おまえいい奴だったんだな。
という感じで、宇宙についてぜんぜん詳しくないけどNHK BSやディスカバリーチャンネルで宇宙解説番組を見るのはけっこう好きな大人の自分が軽く読むのに面白かった。