「できるPRO MySQL Version 5.6対応」
インプレス
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編集をお手伝いした本が10/24に発売になります。
MySQLの入門書です。著者は元日本HPの赤井誠さんです。
1〜2日ぐらいのハンズオンセミナーをイメージして、Windowsへのインストールから、SQLでの基本のCRUD、さまざまなクエリや集計、結合やサブクエリ、PHPでのごく簡単なWebアプリ、バックアップなどを扱っています。
上級向けのネタはバッサリとカットし、そのかわりに入門者が必要なことを、1つ1つ順を追って入出力例を見ながら自習できる教材として作りました。自習以外にも、本当のハンズオンセミナーにも通用するといいなと思っています。なお、インストール関係だけ読み替えれば、SQLとかの内容はLinuxなどほかのプラットフォームでも使えると思います。
ちなみにサブタイトルにもあるように、MySQL 5.6ベースで内容を作っています。いやー、最近のMySQLって、デフォルトがInnoDBなんですね。
「Q.E.D.」49巻、「C.M.B.」27巻
人気ミステリーコミックシリーズが今回も2冊同時発売。
以下、ネタバレに気をつけているつもりだけど、未読の方は念のためご注意を。
講談社 (2014-10-17)
「Q.E.D.」は「無関係な事件」「ラブストーリー」の2編を収録している。いずれも書き下ろし。
「無関係な事件」は、就活に疲れた学生が、香港の暴力団の抗争に巻き込まれる話。事件の謎もあるけど、それ以上にトラブルをどう解決するかが謎になっている。さらに話の中心は、悩める若者の青春。
「ラブストーリー」は、殺人事件のないほうの話。亡くなったアマチュア映画監督が遺した素材から、どんな映画を作りたかったのかを探る。事件とかじゃなくて、散りばめられた素材の解釈で最後にうならせるところは、「巡礼」のようでもあり、「夏草」のようでもあり、よかった。ラストが、地味なようで印象的。
講談社 (2014-10-17)
「C.M.B.」は、「アステカのナイフ」「爆破予告」「幸運」の3編と、番外編M.A.U.の「大入道の屏風」を収録している。
「大入道の屏風」は、マウを主人公にしたストーリーで、今回はマウの商人(“しょうにん”というより“あきんど”)っぷりが、調査対象である過去の美術商のやり口とあわせてテーマになっている。特に、黒字倒産を回避するためのハッタリを含めたかけひきを、テーマである大入道の屏風をからめて小気味よく描く。博物ネタは、20世紀初頭の米国のジャポニズムブーム。
「爆破予告」は、恐竜展での爆破予告の話。犯人は消去法で想像がつくのだけど、目的が最後まで謎になっていて、ああそこが伏線だったかと。博物ネタはブラキオサウルス。
それとは逆に、ゲーム会社の経理部長が殺される事件の「幸運」は、伏線っぽいシーンがやっぱり伏線なんだけど、もう1つ伏線があってやられた。また、人物描写があのアレ。
そいういう意味で、アンティーク好きの富豪が殺される事件の「アステカのナイフ」は、わかりやすい着目点を使って……おっとネタバレはそこまで。
compojure.handlerが非推奨になってた
Clojure言語のメモ。
以下の文章中で、CompojureとRingは、それぞれRubyでいうところのSinatraとRackに相当するClojureのWebライブラリ/フレームワークです。
Compojureの1.2.0が、10月1日にリリースされてました。Compojure 1.2では、middleware詰めあわせを定義したcompojure.handlerがDEPRECATED(非推奨)になっていました。コードは残っていますが、メタデータで「deprecated」が指定されています。
compojure.handlerのレイヤーは、ring-defaultsに移行のようです。たとえば、こういうcompojure.handlerを使ったコードがあるとします。
(require [compojure.handler :as handler]) … (def app (handler/site route))
これは今後は、project.cljで:dependenciesにこんな感じで追加したうえで。
[ring/ring-defaults "0.1.2"]
こうなるようです(ほぼREADMEのまま)。
(require [ring.middleware.defaults :refer :all]) … (def app (wrap-defaults route site-defaults))
ただ、Compojure 1.2.0だと、handler/siteでもsite-defautlsでも、なんか静的コンテンツのContents-Type:が自動でoctet-streamになるような。呼び方が悪いのかどうかわかりませんが。とりあえず手元ではring.middleware.file-infoのwrap-file-infoを呼んで対応しました。
「日経Linux」2014年11月号
この号に執筆したので、ご報告と宣伝を。特集2「1週間でUbuntuの使い手になる」の執筆に参加しました。小学生の息子を持つLinux未経験のパパが、急遽1週間で1日1テーマずつLinuxを覚える、という日記形式のLinux入門記事です。
月曜〜水曜をUbuntu Japanese Teamの吉田史さんとあわしろいくやさんが担当し、木〜日曜を私が担当しました。木曜がコマンドライン入門、金曜がファイルシステム、土曜がXfceとzsh、日曜が異常事態への対応です。日ごとのお題と割り振りを編集部で決めて、その範囲で書きました。
いちばん悩んだのは、1日分3ページのペースで、必要なネタを盛り込みつつ、大きく飛躍しない(たとえばいつの間にかカーネルのログを読めるようになっていたりしない)ことです。そのため、コマンドライン入門では溢れた内容を削ったり、zshネタでは入門者が使ってみる理由(結局「カッコよさそうだから」にしました)や入門者でもわかる便利さに悩んだりしました。
以下、自分関係以外の通読メモ。
特集1「楽しい電子工作」は、Raspberry Piを使った電子工作ネタ。で、Part 1がマンガ「ハルロック」とのコラボ企画になっていて、作品中で出てきたneko-tterを、マンガのアドバイザーさんと作者の西餅さんの夫さんが再現して解説、さらに西餅さんがイラストを描いている。センサーのとり回しに便利なようで、毎号「TWE-Lite」ネタが出てくるなあ。
Part 2が、ソフトの特集でもやっている1/2ページずつ1ネタでRaspberry PiやArduinoの電子工作を一歩ずつ体験していけるもの。Part 3が、キャタピラー型の車両をRaspberry PiのScratchで制御する「imaocach」。Part 4が、階段の各段に付けた距離センサーで踏んだ段を検出し、LEDを光らせつつ、対応する音階の.wavを再生する「階段ピアノ」。
特集3が「Linuxベストソフト30」で、デスクトップアプリを30本紹介している。
特別企画で「Linuxだけでプロ並みの“お絵描き”に挑戦してみよう」。AzPainterで下描きし、Inkscapeでペン入れし、MyPaintで塗り、Blenderで3Dっぽく背景ボケさせて、GIMPで着色やフィルターをするのを解説している。ちなみに、リアルシス管女子さんの写真をモデルにして、「シス管系女子」シリーズのみんとちゃんの二次創作という題材でした。
短期連載「Firefox OSスマホ『Flame』100%活用法」が後編。アプリストアの状況のあと、Firefox OS 2.xの新機能の話になり、新しいHaida UIや、端末をリモートから見つける機能を紹介。最後にFirefox OSアプリ開発入門を解説している。
新連載で、水野源氏にによる「Ubuntuでやってみよう! もっと使えるLinux超入門」が登場。今回はコマンドライン活用法で、ターミナルの紹介や、シェルから使う基本コマンド、端末(GNOMEターミナル)の便利機能を解説。また、ほかのターミナルソフトであるTerminatorとGuakeの紹介も。
同じく新連載で「Raspberry Piで始めるモノ作り超入門 シーズン2」も。「シーズン2ではプログラミングを」と言いつつ、ハードとソフトの切り分け重要、そのために計測器をということで、Raspberry Piを計測器にする「LabTool」を解説するという、やはり本格路線。
まつもとゆきひろ氏の「作りながら学ぶプログラミング言語」が、先月から続いて、メソッド呼び出しをトレースしてインターフェイス的な型を推定するソフトタイピングのいろいろ。
中井悦司氏のDocker連載が、Dockerファイルによるイメージ作成と、DBのコンテナーとRailsアプリのコンテナーをlinkで接続する実例。
青田直大氏のカーネルハッカー連載が、ext4。エクステントやジャーナルのフラッシュにまつわる高速化、ブロックグループの拡張や初期化について。
LPIC連載が、ポート変更とsemanage、ping、traceroute、tracepath、dig、ネットワーク設定ファイルについて。復活PC+OSSの連載が、ノートPCにUbuntuStudioとWebcamStudioをインストールしてUstream配信する話。
巻頭のLinuxレポートが、Linuxクライアントもあるオンラインストレージ「MEGA」、RaspbianのデフォルトWebブラウザー変更、Raspberry Piの3G通信カード「3GPI」。おがさわらなるひこ氏によるLibre Office Conference 2014のレポートも。おすすめフリーソフトが、gLabelsによる名刺や宛名書き。美女Linux連載が、環境変数。
そうそう、みんな大好き「#!シス管系女子 Season 2」の12話分が別冊付録に。そのかわり、本編の連載はお休み。
「サンリオSF文庫総解説」
サンリオSF文庫の全197冊をそれぞれ解説した本。好きな人はそれを聞いただけで読むし、興味ない人はまったく興味ない、と分かれる本なので、まあくどい説明は不要でしょう。
評者が本格的。大森望・牧眞司を中心に、岡本俊弥、風野春樹、水鏡子、高橋良平、中村融、柳下毅一郎、山形浩生、山岸真などが解説。さらに作家の田中啓文や、声優の池澤春菜も登場。表紙の女の子はSFアイドルの西田藍さんだそうで、手に持っているとおり「ヴァリス」などを担当している。
関係者の証言も。顧問だった山野浩一インタビューや、翻訳家の大瀧啓裕による小文、サンリオSF文庫編集者へのインタビュー記事発掘も。牧眞司によるコラムも「未刊行作品」「サンリオ未刊行で他社から出た作品」「表紙絵5傑」「裏表紙の紹介文がスゴい!」なんて、シブいネタどり。
ちなみに、自分にとって実際にサンリオ文庫で読んで思いいれがあるのは、サミュエル・R・ディレーニ、イアン・ワトスン、クリストファー・プリースト、ドナルド・バーセルミ、ジョン・スラデック、R・A・ラファティ、マイクル・コニイ、ロバート・シルヴァーバーグ、スタニスワフ・レム、アルフレッド・ベスターあたり。メジャー指向ですな。
あと、何人もの人がウイリアム・コッツウィンクルについて言及していて「これはすごい」「これはひどい」の両極端な評価なのがかえって興味を引く。
Re: 第13回危険でない方のシェル芸勉強会
「【問題のみ】第13回危険でない方のシェル芸勉強会 | 上田ブログ」をやってみました。
Q1
$ for x in *; do if lgrep きく $x > /dev/null; then echo $x; fi; done b
Q2
$ for x in a b c d; do ls -U $x | wc -l; done 3 2 0 4
Q3
$ find a -type f | wc -l 5 $ find c -type f | wc -l 4
Q4
$ for x in 2014*; do w=$(date --date=$x +%a); mkdir $w; mv $x $w 2>/dev/null; done
Q5
$ for x in */*; do y=$(echo $x | sed 's!./\(.\)!\1/\1!'); mv $x $y 2>/dev/null; done
Q6
$ for x in *; do y=$(ls $x | tail -n 1); echo cp $x/$y .; done
Q7
$ for x in *; do y=$(ls -t $x | head -n 1); echo cp -p $x/$y .; done
Q8
$ paste <(yes mv | head -n 6) <(ls -r; echo filexxx) <(echo filexxx; ls -r) | sh
追記2014.10.4:Q4で「2>/dev/null」の位置が間違っていたので修正。