「HALMAN 2」
少年画報社 (2012-08-27)
東本昌平の短編集。
「ワイルド7」のトリビュート短編がカッコええなあ。ほぼバイクアクション+銃撃戦だけで構成。ユキの“対戦車ライフル付きドゥカティ”とか、八百のノートンコマンド“ヤモリ”とかのイカれたバイクが、東本調でリアルに描かれて、暴れまくる。原作ではユキと世界は入れかわりなんだけど、細かいことはいいっこなし。
「キリン」の「POINT OF NO RETURN」編のファンには、「キリン THE CHOUSUKE RETURN」も。「POINT OF NO RETURN」編の後のチョースケを主人公にした短編。
雑感:待機系への切り換えで障害が起きる事例の動向
「ここ数ヶ月、待機系への切り換えで障害が起きる事例が続いてるんじゃないかな」と、なんとなく思った。
ちょっと探してみた限りでは、3件のみ。
- ニュース - [続報]東証トラブル、原因はL3スイッチの障害:ITpro
- 富士通の旗艦、館林データセンターが電源障害でダウンし、金融機関やニフティクラウドに影響。日経コンピュータ誌 - Publickey
- 「Wikipedia」がデータセンター間のケーブル切断でダウン|IT業界動向|トピックス|Computerworld
ちょっと違うタイプが2つ。
- 待機系も同時に障害:Twitterブログ: 深夜のアクセス障害について
- スケールアウトしたはずが半分使われてなかった:ニュース - NTTドコモが国際ローミングの障害の原因を公表、設定ミスなどが起因:ITpro
という例をちょろちょろ集めてたら、すでに「日経コンピュータ」がまとめていた。「実は東証に限らず、自動切り替えの失敗がシステム障害につながるケースは意外に多い」とのこと。
で、Chaos Monkeyみたいなのはこういう奴の対策のためなんだろうなと思った。さすがに1+1では怖すぎるけど、n+1ならアリか。
以上、雑感。
日本OpenStackユーザ会第7回勉強会に行ってきた
日本OpenStackユーザ会第7回勉強会に参加してきました。
今回は、HP、Canonical、Midokura、Red Hat、Dellの取り組みが並んでて、けっこう派手なネタだったんじゃないかと思います。
以下、メモほぼそのまま(敬称略)。
OpenStackへの企業の取り組み(日本OpenStackユーザ会)
- 初めての人のために
- 3分でわかるOpenStack
- AWSみたいなインフラ必要だよね、といって作ったのがOpenStack
- Rackspace + NASAが作った
- 完全オープンソース
- 誕生から2周年
- 10月にFolsomが出る予定
- 事例
- クラウドサービス
- サービス基盤
- 研究開発基盤
- 構成
- 基本
- Nova
- Swift
- Glance
- Keystone
- Horizon
- 最近
- Quantum(動的ネットワーク管理)
- Cinder(ブロックストレージ)
- 基本
HP&OpenStack(真壁徹 日本HP)
- HP Cloud
- しばしばベータと書かれるけど、正式リリース済み
- HP Converged Cloud Vision
- Converged = 統合された
- パブリッククラウド、プライベートクラウド、マネージドクラウドを統合管理
- 複数のアプリケーションやインフラを抽象化
- インフラのレイヤーの抽象化:OpenStackを主要技術に
- 現在はパブリッククラウドのみだが、将来はすべてに
- HP Cloud Services
- OpenStackを使ったパブリッククラウド
- IaaS
- 将来はPaaS、SaaSも
- 「ユーザーをロックインしないパブリッククラウド」
- 正式サービス:Object StorageとCDN
- Computeはpublic beta
- アップデートのときに再起動などがある
- 涼しくなることには正式サービス? SLAも
- Block Storage、MySQL:private beta
- 2011年9月にベータ開始
- 大規模環境での実績を作ってから正式サービス
- 規模
- 3つのDC
- サーバー数は非公開だが、トップが雑誌でぽろっと言っちゃった
- 万の単位
- IaaSで今後
- データ変換
- データ暗号化
- Import/Export
- Network Services
- PaaS
- だいたいこれから
- HPだけでなく、パートナーと
- ActiveStateなど
- http://www.hpcloud.com/partners
- CloudFoundary系多い
- 値段
- AWSと同じクラスでは同じ
- 安値より、業界最高SLAを目指す
- Object Storage:SLA 99.99%
- 事例
- DreamWorks
- アニメのレンダリング環境
- follow the sun:北米とインドで24時間制作体制
- 課題:可用性、拡張性、レイテンシー
- 拡張性と可用性をSwiftで
- panzuraのNASヘッド
- HP BookPrep
- ミシガン大学図書館の本をすべてスキャン
- Swiftで数百テラ
- DreamWorks
- Project Moonshot
- ARMやAtomによる低消費電力高集積サーバー
- 手のひらに4台乗るサーバー
- 72ノード/1トレイ
- 2880ノード/1ラック
- HPのOpenStackへの貢献
- きちんと動いているところを示すこと
- デモ
- http://www.hpcloud.com/
- アベイラビリティゾーン
- フレーバー 6種類
- セキュリティグループ
- OSイメージ
- 素のOS
- OS+サービススタック
- sshキーペア生成
- ボリュームをサーバーにアタッチ
- Floating IP選択
- クラスAのIPアドレス(会場w
- これで有効活用(会場w
- CDNにアタッチ
- 月$20分の無料試用券を配布中
Juju - Makes your life easier in hyper-scale world(Takenori Matsumoto Canonical)
- Canonicalの紹介
- Ubuntuの後ろにいるcommercial company
- professional support
- 設立8年
- 550人、世界中
- Ubuntu
- 2000万ユーザー
- UbuntuとOpenStack
- 12.04にはEssex
- 12.10にFolsom
- 12.04にFolsomをバックポート
- MAAS、Juju、LXC、KVM、Xen,Ubuntu Cloud infrastructure、AWSOME
- Ubuntu Service Orchestration
- Juju
- なぜ必要か
- 多数のマシン
- サーバーは不確実なもの
- 直接管理する必要があるか?
- マシンではなくサービス
- サービスとサービスの関連づけ
- Charm
- ベストプラクティス、デプロイ方法などをフォーマット化
- MAAS
- Jujuと組み合わせると強力
- 物理サーバーをプロビジョニング
- PXEブート,Cobbler
- デモ
- SwiftをJujuでデプロイ
- Charmを変更したのでローカルから
- $ juju deploy --repository /home/hoge/charms local:swift-proxy
- $ juju deploy --repository /home/hoge/charms --config /home/hoge/charms/swift-storage.cfg local:swift:storage
- $ juju add-unit swift-storage
- Gourceで可視化
- statusをHTMLで可視化
- juju sshでIPアドレスを指定しなくてもログイン
- 関連づけ
- $ juju add-relation swift-storage:swift-proxy swift-proxy:swift-proxy
- swift-proxy-relation-*のようなスクリプトでデプロイを定義
- $ juju destroy-environment
- Gourceのグラフが消えていく
- SwiftをJujuでデプロイ
OpenStackへの取り組み(杉原智衛 Midokura)
- MidoNet
- IaaSをターゲットとした仮想化基盤
- なぜOpenStack
- OpenStackの標準機能では、Midokuraがら理想するネットワーク仮想化は実現できない
- OpenStackは実装の観点からよい取り組み
- Quantumによるモジュール構造
- ベンダーロックインにならない
- MidoNetプラグイン関連の取り組み
- 発見した不具合の報告や修正
- Essex
- Nova(L3)・Quantum(L2)プラグイン実装完了
- Folsom
- ほとんどのネットワーク機能がQuantumに移る
- 状況が刻々と変わる
- 設計・開発の議論への参加
- Linuxのネットワーク実装
- MidoNetプラグイン(Essex)
- GitHubで公開
- Floating IP
- Security Groups
- VIFドライバ
- Quantum標準API
- デモ
- 構成
- 2つのISP接続
- 2台のエッジサーバーがBGP
- 2台のコンピュートノード
- 仮想トポロジー
- 仮想マシン立ち上げにあわせてトポロジーを作る
- プロバイダー仮想ルーター
- 物理的にはどこにも存在しない
- トラフィックやNATを制御
- プロジェクト(テナント)ごとにプロジェクト仮想ルーター
- Novaのネットワーク1つに仮想ブリッジ
- プロジェクト作成、ネットワーク作成、VMの起動は済んでいる状態
- $ sudo nova-manage network create
- MidoNetのコントロールパネル
- 仮想ルーター
- 仮想ブリッジ
- VM 4からVM 1にping
- arpで確認
- 別のホストにいても仮想的に同じブリッジに
- 物理ホストに関係なく仮想ネットワーク
- Floating IPとSecurity Groups
- VM 4にFloating IPをOpenStackで割り当て
- MidoNetでNAT
- Security Groups
- add rule
- IPを表示するWebアプリ
- ロードバランス
- 1つのVirtual IPへのアクセスを3台のサーバーにふりわける
- OpenStackにはない機能
- MidoNetを直接たたく
- IPを表示するWebアプリをリロードすると、ランダムに変わる
- おまけ
- プラグイン開発は
- デバッグが苦労
- 炸裂するランタイムエラー
- 柔軟なAPIとデータモデル
- meta programming、decorator、リスト内包表記
- デバッグプリントが友達
- devstack
- プラグイン開発に欠かせないが、すぐ壊れる
OpenStack APECイベント報告(モーフ・ラボ 金野諭)
- 北京1600名、上海700名
- CSDN(Chinese Software Development Network)主催
- 検証・実証フェーズという印象
- KTはSwiftを使ったサービス提供済み
- docs.openstack.orgへのアクセス
- 人口比で見ると台湾が飛び抜けて高い
- セッション抜粋
- KT
- Swift
- リファレンスデザインでは足りなかった
- チューニング、ビリング、レポーティング、キャッシング
- clodena
- 台湾のSIerの子会社
- OpenStackとSPICEを使ったVDI
- eBay
- X.commerce
- 新しいEコマースのプラットフォーム
- OpenStackベースで
- Cloud Foundryも
- ネットワーク
- キーワード:Quantum、SDN、OpenFlow
- 足りないLBやSecurityの議論
- キャッチアップのスピードが速い
- ITRI(台湾)
- Directory ServerでARP管理
- 台湾はコモディティハードウェア中心 -> ソリューションへの動きが国レベルで?
- 上海交通大学
- 新しくはないが実践的な内容
- NEC
- OpenFlow + OpenStack
- Trema
- KT
質疑応答
- Q: ミドクラに。テナント単位の仮想ルーター。専用に割り当てる?
- A: 特定のノードにひもづくものではない。実体はない。中央の構成情報の中に情報としてあり、MidoNetのコントローラが処理。SPOFはない
- Q: MidoNetの管理ネットワーク
- A: 分散されている。仮想ネットワークとは別
- Q: MidoNet。MTU 1500(?)
- A: encapsulation。オーバーレイネットワーク共通の問題
- Q: HP CloudのOpenStackのバージョン
- A: Diabloでスタート
- Q: HP Cloud。日本のリージョン
- A: 本社におねだりしているところ。Asia Pacificには来年来るだろう
OpenStackへの取り組みと関連オープンソース技術のご紹介(中井悦司 レッドハット)
- ネタ部分はレッドハットのものではなく個人のものなので
- OpenStackへの取り組み
- 今年の春 OpenStack Foundation設立
- そのタイミングでRed Hatも参加
- Foundationができた時点で、すでにRHは開発参加企業3位(ただし人数ベースw)
- つい最近発表
- Red HatがOpenStackディストリビューション
- 公式見解としては、「来年前半ぐらいにFolsomベースで出せるとうれしい」ぐらい
- EPELのパッケージはある
- 確実にインストールして使えるようにパッケージングする
- Folsomのブループリント(新機能提案)
- by Gary Kotton(RH)
- Quantum:仮想ネットワークをプラグインで取り替えられる
- が、同時に1つのプラグインしか使えない
- いろいろな仮想ネットワークを同時に使えるようにする提案
- 実装はいまNTTの研究所の人がやっている
- 異なるプラグインの仮想ネットワークをL2でつなぐ構想も?
- OpenStackに関連するOSS
- Red Hat Storage Server / GlusterFS
- 両者の関係
- RHがGlusterを買収
- GlusterFSの開発はもっとコミュニティベースに
- バージョンを固定してバグをつぶしたバージョンを元にRH Storage Server製品
- Swift互換とはいうが、足りない部分も
- Keystoneから使えない、など
- 妄想
- KVMからブロックストレージとしてRHSを使用
- ハイパーバイザーに手を入れて特別のプロトコルでハイパーバイザーからブロックストレージとして使うのも、将来的にはある?
- CloudForms
- できること
- 環境構築作業の自動化
- Jujuのような
- アプリのインストールも含めて自動化
- システムテンプレートとアプリケーションブループリントの2つの設定ファイル
- EC2、vSphere、RHEVに対応(製品として)
- 同じ設定で異なるプラットフォームにデプロイ
- Deltacloud Library
- 複数のクラウドを共通のREST APIで操作するライブラリ
- プラットフォームごとのDeltacloudドライバー
- それがあれば、CloudFormsに手を入れなくても対応
- 厳密にはプラットフォーム依存の部分も
- apache.orgで公開
- CloudForms
- Aeolusがupstream
- 中井さんのブログに環境構築手順の解説
- Aeolusがupstream
- RHのクラウドへのスタンス
- これから、技術的にとがってはいない企業がクラウドを使う
- それらの企業が使うために必要なものをRHが提供
Crowbarの紹介(増月孝信 デル)
- JujuやCloudFormsなどと同様、プロビジョニングのツール
- もう少し汎用的なフレームワーク
- パブリッククラウドをベースにしたシステムを運用管理する
- デルとOpenStack
- プロジェクトの初期メンバー
- 検証、ホワイトペーパー
- Crowbar
- 運用を中心にシステムを設計する立場
- OpenStackのエキスパートエンジニア
- 業界初のOpenStack Cloud Solution
- Crowbar
- DevOps
- 開発と運用管理の壁を取り除く
- 開発者は新機能が重要
- 運用管理者は安定稼働が重要
- リリースサイクルの間隔を短くする
- Crowbarとは
- 「A Zero Touch Cloud Installer」
- Chefベース
- Barclamp
- いままで
- 1つのゴールデンマスターを展開
- Crowbar
- コンポーネントごとに
- レイヤーごとのモジュラー構成
- 物理リソース
- コアコンポーネント&OS
- クラウド基盤&拡張性
- APIs、ユーザーアクセス、ECOパートナー
- ライフサイクル
- ノードのディスカバリー
- Barklampをノードにひも付け
- proposal
- アクティベート
- プロビジョニングが始まる
- Crowbar 1.x
- BarklampはChefのレシピ等の構成情報
- PXEブート
- Barklampによる自動構成
- ChefとCrowbar:Chef単体で対応が難しい部分をサポート
- ベアメタルサーバーの検出
- HW構成
- Chef Clientの導入
- ChefのインストーラーとしてCrowbarを使うという手も
- ビルドは大変なので、ISOイメージからインストールが簡単
- メモリは2GB、NICは1つ
- Crowbar 2.0
- 7月から話が出ている
- 実装のリファクタリング
- 外部インターフェイスを変えずに内部を書き換え
- Chefへのハードコードを減らす
- 通常のChefレシピの書き換えを減らす
- PXEブートのUEFI対応
- ネットワークレイヤーを抽象化
- ネットワーク設定を変更できるように
- OSCA(Open Standard Cloud Association)
OpenStack + KVM = お名前.com (郷古)
- こんなのがあったらと自分たちで考えた機能
- ISOアップロード
- Virtio ON/OFF
- など
- OpenStack
- compute
- RabbitMQ
- コンパネは.NET
- VLANを追加
- お客さんには1つのIPアドレス
- Diabloのgriddynamics.netパッケージから始める
- 動かない
- クラウドとVPSの違い
- 停止すると削除されちゃう
- dashboardをそのままお客さんに出すのをあきらめる
- shutoffコマンドを作った
- ACPIを使ったシャットダウン
- dashboardではnoVNCを使っている
- 単体で
- 独自拡張
- vmインスタンスのlimit
- ロギング
- VIFの名前
- コンパネ
- libvirtではKVMのrebootがない
- 再起動はshutoff + start
- noVNC
- 「クリックして開始」にしてリクエスト数を減らす
- IE8以下は非対応(Chrome Frame使って)
- WebSocket
- nginxのwebsocket proxy
- リソースグラフ
- collectd
- rrd
- html5シリアルコンソール
- Webとsshで
- anyterm
- nova-consoleのajax-termをanytermにすりかえ
- バックエンドにconserver
- virsh consoleを叩く
- ISOアップロード
- sftp
- 最初はGlusterFSで構築していたが、3.3betaだったのでバグって没
- Nagios + cobbler
- virt resizeを追加
- Google Chromeをバージョンアップすると、noVNCが動かなくなる
- upstreamをマメにチェック
- rootのパスワード、プライベートキー
- OpenStackのインジェクション機能
- virtIOのオンオフ
- API追加で
- いま
- computeノード 200ノードぐらい
- Diabloのまま
- ESSEXの検証はじめた
- APIをモジュールとして追加できないか
- インスタンスの追加アルゴリズムもモジュール化できれば
- Webだったら並べる、とか選択
質疑応答
- Q: RH。EPEL版パッケージとの関係
- A: リポジトリは完全に独立。パッケージの中身も微妙に違う。RHの社内上位レポジトリからEPELを作り、そこからのフィードバックを上位リポジトリに反映して、そこから製品に。
- Q: お名前.com VPS。課金情報は
- A: VPSなので月額課金のみ
- Q: お名前.com VPS。GlusterFSを検討した理由
- A: ISOイメージアップロードがsftpなので、NFSなどでマウンントする必要で、Swiftではダメで、GlusterFSを試した
- Q: RH。ネットワークを取り替えられるように。構成の選び方の情報
- A: みなさん考えてください、というところ。鉄板構成の設計書を作るのがSIerの腕の見せ所
ビットアイルの紹介(高倉)
- 2000年設立
- 2001年DC開始
- 都心型DC
- 6000ラック超
- 2009年からクラウド
- ビットアイル総合研究所
「西遊妖猿伝 西域篇」4巻
「サソリ女の章」スタート。怪奇路線かと思ったら、シリーズ随一の派手なカンフーアクションが炸裂して、魅せる。
で、ひさしぶりに読んだので、前の巻を読み返して、結局大唐篇から読み返してしまったw
シェルスクリプトでテンポラリファイルの後始末
プログラム中でテンポラリファイルを作ったときには、最後に削除します。シェルスクリプトだとこんな感じです。
tmpfile=$(mktemp /tmp/tmp.XXXXXXXXXX) # ここに処理いろいろ rm "$tmpfile"
が、この方法には、「正常終了以外ではテンポラリファイルが削除されない」「シェルスクリプトの終了ステータスが、処理本体のものでなく、rm -fのものになる」という2つの弱点があります。
で、シグナル処理とかいろいろなパターンがあるんですが、いまどきだとtrapコマンドで疑似シグナルのEXIT(シグナル0)に後始末処理を入れるのが、正常系でも異常系でも処理できて簡単かと思います。
trap 'rm -f "$tmpfile"' EXIT tmpfile=$(mktemp /tmp/tmp.XXXXXXXXXX) # ここに処理いろいろ
正常終了での終了ステータスは、rmのものではなく、“ここに処理いろいろ”の最後のコマンドのものになります。
bash、dash、ash(BusyBoxを含む)、zshで動作確認したので、Linux・FreeBSD・Macあたりであればこの方法が使えるかと思います。
「Software Design」2012年9月号
技術評論社 (2012-08-18)
第1特集がCのポインタで、最初甘く見てたけど面白かった。Part5がLinuxカーネルでのポインタの例で、ネットワークスタックのsk_buff構造体のメモリ管理と、ファイルシステム操作での関数ポインタ。Part6がOpenBSDのネットワークスタックでのmbus構造体まわりのメモリ管理。もちろん、その前のポインタ入門記事も、アドレスと型というポインタの2つの側面をやさしく解説している。
それに近いあたりで、Windows 64bit Emacs連載が、ポインタ型の違いの問題や、malloc()再定義とVC++の最適化による問題、フォントなど。
第2特集がSELinux。SELinuxを中心とするMACの解説にはじまり、SELinuxの仕組み、セキュリティコンテキストやbooleanの設定、audit2allowによるポリシー生成などが解説されている。
「Linuxカーネル観光ガイド」がLinux 3.5の新機能の続き。スナップショット機能とそのTCP接続の復元の例、目的別にカーネル設定をまとめて有効にする方式の議論など。あと、カーネルパニック時にダンプをQRコードで表示する案は笑った。
インタビュー連載「Software Designers」が、エンジェル系ハッカソンAngelHackのGreg Gopman。投資と直結したハッカソンの世界があるんだな。
そのほか、「Mahaut入門」後編が、実際にMahautを使ってレコメンデーションを実装する例。Ubuntu Monthly ReportがLibreOffice 3.6の新機能。Hack for Japan連載が、復旧・復興支援制度データベースAPIハッカソンの続き。はんだづけカフェ連載が、米国のいろいろなタイプのハッカースペースの紹介の続き。USP連載が、プロセスのバックグラウンド実行。iOS連載が、大学生がiOS開発を始めた体験記とノウハウ。Android連載が、Kinectを使ったNUI(Natural UI)。dankogai氏連載がLisp。
「日経Linux」2012年9月号
日経BP社 (2012-08-08)
発売から10日以上たってしまったけど、通読したのでメモ(←最近こればっか)。
別冊付録で、何気に説明のためのシチュエーションが実際的なマンガ「シス管系女子」の第1〜12話がまとまっていた。で、本誌のほうの第13話は、grep、*cat、lessなどをパイプで結ぶ話。unzip笑ったw。
特集1は、「簡単&格安で作る最強のLinuxマシン」。人気のRaspberry PiにDebianを入れてWebカメラのドライバを追加して動体検出ソフトで警備システムにする話、IvyBrideマシンで仮想マシンホストを作る話、USBメモリーサイズのLinuxマシンMK802を使ってインターネット動画をTVに映す話、AndroidネットブックにLinuxのchroot環境を作るLinux-on-androidを入れてEmacsマシンにする話、無線SDカードFlucard Proにwgetを仕込んでフォトフレームに画像を表示する話、Amazon EC2上で仮想デスクトップを動かす話。あと、冒頭のレポートで、kobo Touch改造の基礎も解説していた。
特集2は「セキュリティ超入門」。anonymousの紹介や、DDoS攻撃・標的型攻撃・スマートフォン向けマルウェアの解説と対策などを解説していた。
特集3は「Androidを自分好みに改造する」。Android端末の既存のシステムを吸い出してバックアップする方法や、公開されているAndroid 4.1のソースをビルドする方法、公開されているソースには含まれないドライバを追加する方法、Android 4.1系の画面にメニューボタンを追加するカスタマイズの方法などを解説している。
特別企画がWindows Azureで、日本マイクロソフトの人が日経Linuxに執筆するということに。Linuxが動くIaaSサービス「仮想マシン」も面白そうだけど、Node.jsアプリなどをgitでデプロイできるライトなPaaSっぽい「Webサイト」も面白そう。
新連載でUSP研究所の人の「日常に役立つシェルスクリプトを作ろう」。今回はcurlやexpectを使ってTwitterのAPI(認証不要なもの)にアクセスする例。同じく新連載の「PaaSはここまで使える」は、今回は、主なPaaSの比較。巻頭の美女Linux連載も、リニューアルして第1回。
巻頭のインタビュー「OSS開発者に聞く! コミュニティ活動の実際」も新連載なのか、のりつな氏の連載の続きなのか。今回は、Linuxカーネルのcgroupメンテナーである富士通の亀澤氏。
一方、CPU連載が最終回で、GPUの並列処理アーキテクチャについて。LPIC連載も最終回で、ファイルシステムの作成とマウント。
ほか、クラウド時代のサーバー構築連載が、PXEブートとKickstartで新しいサーバーにOSをインストールする方法。Linux活用超入門連載が、grepやsed、iconv、nkf、convert、LibreOfficeによるファイルのバッチ変換処理。ハイブリッドAndroidアプリ連載が、TItanium StudioのWebViewによるHTMLベースのUI画面作り。旧型PC+Linuxディストリビューション紹介の連載が、PPCのiBookにUbuntuをインストール。カーネル機能連載が、CPUのマイクロコードの更新について、FedoraとUbuntuの違いなど。
「日本人がコンピュータを作った!」
アスキー・メディアワークス
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これも新書版が出てから2年ぐらいたってるけど。
ENIAC直後の真空管時代から、パラメトロン、トランジスタ、LSI、マイコンとそれぞれの区切りの中で、日本でコンピュータを作ったパイオニアたちの証言を集めたインタビュー集。いずれも非常に興味深い内容なのだけど、特に、日本初のコンピュータを一人で創り上げたFUJICの岡崎氏、あのパラメトロンの後藤氏、4004の嶋氏あたりはやっぱりすごいな。
あとインタビューのまとめかたとして、人物そのものや印象的な言葉、メッセージにフォーカスするのではなく、あくまで“そのとき何が起こったか”の証言をたんねんに追って、そこから人物も逆照射するという手法に、襟を正した。
「よいこのための吾妻ひでお」
河出書房新社
著名アーティストによる吾妻ひでお選集の第3弾は、とり・みき。「不条理日記」以前の少年誌時代の作品からSFっぽいものを選んでいて、とり・みきが吾妻ひでおに影響を受けて漫画家になっていく過程そのものなんだろうなと思った。
「うぶんちゅ」
これも6月発売だけど。
「Ubuntu Magazine Japan」とその前身の週間アスキー別冊で連載されてきているUbuntuラブコメ(?)の単行本化。連載分はクリエイティブコモンズライセンスで公開されているけど、単行本では書き下ろし2本(水着回を含む)と、各話末の4コマが加筆されている。
「WEB+DB PRESSS」Vol.69
技術評論社
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これもあと10日ぐらいで次号が出ちゃうけど(隔月刊なのに)、通読したのでメモ。
特集1がGitHub。GitHubの基本的な使い方や、ソーシャルコーディング関連の機能の使い方を、初学者向けに解説している。
特集2がJUnit。Cucumberと組み合わせた受け入れテストとか、JUnitもいろいろ進化してるんだな。「import cucumber.annotation.ja.ならば」とか、ちょっと驚いた。
特集3が大規模コードリーディング。アリエル・ネットワークの井上誠一郎氏が、動的解析、静的解析、メタ知識の3パートに分けて、コードリーディングの手法を実践的に解説。読むだけでなく、ある程度以上人数の集まったプロジェクトでいかにコードを書くかなども語られている。
新連載がいくつか。「一歩先ゆくRuby」第1回は、SinatraをベースにしたPardinoの“ビュッフェスタイル”について。「Javaの底力」Javaの火消しノウハウとのことで、第1回はメモリ等の状況を調べる定番ツールの紹介。「巨人の肩からPHP」第1回は、BehatによるBDD(振舞駆動開発)。インタビュー連載「シューカツ女子ともよの会社訪問記」第1回は、最年少Rubyコミッタのsora_h氏。
そのほか、フロントエンドWeb戦略室が、UIでのスクロール(自動継ぎ足しを含む)や、ページング、リンクをキーで選ぶアドオン、バブルカーソル、マウスジェスチャなど。JavaScript連載が、JavaScriptのライブラリをモジュール化して管理するRequireJS。SQL連載が、NULLの正体と危険性について。Perl連載が、Perlで波形を合成してシンセサイザーにする技。「Comparators」連載が、HTMLをツリーとして扱う方法とマークアップされたテキストとして扱う方法の比較。
「Software Design」2012年8月号
技術評論社 (2012-07-18)
これも1か月遅れで、もうすぐ次号が発売になってしまうけど、通読したのでメモとして。
第1特集はブックガイド「エンジニアのパワーアップ読書」。エンジニアリング力、UNIX系、ソフトウェア開発、エザイン、ネットワーク、データベースなど、分野別の選者が勧める本が並ぶ。特に第2部が顕著だけど、その本と自分のエンジニア経験をからめて紹介しているあたりなど、平板なセレクションにならないように工夫されていると思う。
第2特集は「いま改めてお勧めするOSはこれだ」として、FreeBSD、Debian、Ubuntu、CentOS、Gentooの5つのフリーのUnix系OSを紹介。それぞれの著者が、独自機能とか特徴とかの細かいことだけでなく、それよりむしろ、そのOSや開発コミュニティ自体を熱く語っている(ように見える)のが面白く読んだ。
ほかにOS系では、「Linuxカーネル観光ガイド」がYama、x32 ABI、Btrfsまわりのアップデート、uprobe、ext4のmetadata checksumなど。「Ubuntu Monthly Report」が、Ubuntuでのソフトの不具合をDebianにレポートしてUbuntuにSync Requestした工程のレポート。「システムで必要なことはすべてUNIXから学んだ」は、USBメモリなどにread onlyの小型FreeBSD環境を作る「NanoBSD」の解説。
短期集中講座「機械学習ライブラリ『Mahaut』入門」が始まり、第1回はMahautや機械学習の概要と歴史。新連載「Emacs 64bit化計画」は、EmacsのWindowsへの独自移植版を作ってきた著者によるWindows 64bit移植版の話。ほか、OpenBlocksAファミリーの新連載も。
LL Decadeは終わっちゃったけど、「Lightweight Languageの歴史と進化」は、この10年のLLイベントの歴史をふり返る記事。
インタビュー連載「Software Designer」はDave Thomas編の後編。つるはし本、Rubyの“驚き”、CodeKataなど。
そのほか、はんだづけカフェ連載が、Arduino周辺で著名なSparkFun社の訪問記。USP連載は、並列処理としてのパイプ。iOS連載は、“放置型RPG”ゲーム「ゆけ!勇者」の開発と運営の記録。Android連載は、ADKとWebSocketを使ったリモコンの操作。Hack for Japan連載は、復旧・復興支援制度データベースとそのAPIハッカソンの紹介。ダイエット連載が最終回で、タニタの体組成計と活動量計について。
「日経Linux」2012年8月号
日経BP社 (2012-07-06)
これ書いてるのが1か月遅れ状態で、あと数日で次号が出るけど、ようやく通読したのでメモしておく。
「アジアLinux/オープンソース最新事情」連載は、Linuxカーネルコミッターの小崎氏インタビュー。これから何回か、日本人Linuxカーネルコミッターのインタビューになるとか。
特集1はLinuxディストリビューションの作り方。ubuntu-defaults-builderを使わずrootfsを展開してLive CDをカスタマイズする方法、Live CDディストリビューションPorteusの日本語化、静的リンクしたbashだけのOS環境をQEMUの中で起動する方法、カーネル、kmod、glibc、BusyBoxだけのOS環境を起動しさらにXやFirefoxを動かす話。
特集2はカラダに効くフリーソフト30。DebianやMEPIS、shredなども含まれているあたりはご愛嬌。
特集3は、Fedora上のGIMPによるRAW現像まわり。カラーマネージメントなども。
特別企画で、Linuxサーバー+Arduino+室温センサー+赤外線リモコンで室温をコントロールする話。本題も面白いけど、「ECサイトの特売をNagiosで監視」に笑った。
最終回が2本。Android 4.0 UIプログラミング連載は、フラグメントの話。ARMボードLinuxマシン連載は、PandaBoard+Linaro版Android 4.0と、BeagleBoard+TI版Android 4.0、あとAnazon EC2でARM版Ubuntuの話。
新連載がいくつか。中井悦司氏の「クラウド時代のサーバー構築・運用の基礎」は、KVMと仮想ネットワークを使ってネットワーク&サーバー環境全体を作る話のようだ。うすだひさし氏の「Linux活用超入門」第1回は、コマンドライン入門。石川高専の人の「バトルゲームで楽しく学ぶハイブリッドAndroidアプリ開発」第1回は、Titanium Mobileで占いアプリ。
ほか、美女Linux連載がsshでの公開暗号鍵認証の設定。CPU再入門連載がGPU。LPIC連載が共有ライブラリとパッケージ管理。旧型PCとディストリビューション紹介の連載が、Core Duo世代でopenSUSE。この文章を書いてるPCもCore Duo世代のマシンだけどw。トラブルシューティング連載が、alacarteのライブラリ問題と、JDKの選択、ドライバ。カーネル機能連載がbindマウント。
マンガ「シス管系女子」はtop編の続きで、メモリ不足によるスワップアウトでI/O負荷が高くなるケース。けっこう本格的。