「ねじとねじ回し」
ねじとねじ回し この千年で最高の発明をめぐる物語 (ハヤカワ文庫NF)
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ヴィトルト リプチンスキ Witold Rybczynski
早川書房
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21世紀を目前にして、ニューズウィークの編集者から「このミレニアム(千年紀)で最高の工具は」というお題をもらった著者が、いろいろ頭を悩ませたあげく、タイトルどおり“ねじ回しと、ねじ回しで回すタイプのねじ”にたどりつく。
それだけだと出オチになってしまうのだけど、とにかくそれにまつわる蘊蓄が、軽妙な文体でふんだんに語られているところが面白い。答にたどりつくまで、のこぎりや鉋、ハンマーなどの歴史や蘊蓄が披露され、いずれも古代ローマや古代エジプトなどに起源を持つことが明かされる。ちなみに、ボタンとボタン穴はヨーロッパでは13世紀に突如現れたのだとか。
答となったねじ回しの起源についてはもちろん、ことさら丁寧に資料を追いかけ、解説している。詳しくは本書を読むとして、少なくとも16世紀後半の文献には登場するらしい。そこから形の改良や産業化、採用例などの様子が追跡される。ちなみに、18世紀ごろまで旋盤は紳士のたしなみだったとか。
ねじ回しタイプではなく、ボルトのようなねじ構造は、それよりかなり古く、古代ギリシャに遡るという。詳しくは本書を読むとして、アルキメデスによる発明という説もあるとか。羅針盤・火薬・紙・印刷を発明した古代中国でも、ねじ構造は発明されなかったらしい。
巻末の小関智弘氏による解説も、日本の戦後のねじ産業について蘊蓄が語られていて面白い。これ、文庫本版だけだとしたらもったいない。
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