「新仮面ライダーSPIRITS」13巻
講談社 (2016-05-17)
売り上げランキング: 413
帯に大きく「復活、V3。」。やはり今回の燃えどころは、力と技のダブルタイフーンだよね。
V3世代の少年ライダー隊やヒロインも登場。巻末のインタビューも、珠純子役の小野ひずるさんが登場している。
もう一つの巻末対談が、熊本県芦北町がカンボジアに学校を寄贈している運動と、それを村枝アニキと佐々木剛さん(2号ライダー)が訪れたレポート。このあとに熊本も大変なことになったんだよなあ、がんばれ。
「ガリレオ裁判――400年後の真実」
岩波書店
売り上げランキング: 113,617
ガリレオ裁判というと、中世の宇宙観 vs. 近世の宇宙観の戦いのイメージであり、ガリレオ・ガリレイが破れて「それでも地球は動いている」とつぶやいたというイメージだ。しかし、それは後の18世紀ごろに作られたエピソードで、特に旧支配階級を打倒せんとするナポレオン・ボナパルトが広めたイメージだという。
本書によると、宗教裁判というのは現代の裁判のイメージとは異なり、有罪無罪を決める場ではなく、被告に異端思想を自覚させる場だという。手続きも書面で進行して審問官も判決まで被告と顔を合わせることがない。ガリレオ裁判で拷問があったとする説まである(本書ではそれを紹介した上で反論しているが)。
その裁判記録は長らくヴァチカンに秘蔵されたままだったが、1979年にローマ法王がガリレオの業績を認めたことにともない、ガリレオ裁判の記録が明るみに出た。本書はその資料からわかった裁判の経緯を解説している。
それによると、教皇庁は聖書絶対という原則はブレないものの、その中での方針の違いや温度差があったという。たとえば、コペルニクスの地動説を計算上用いるのは構わないが宇宙の真理であるとするのは認められない、など。そもそも、ガリレオも聖書に反することを望まず、なにより著書を発禁とされるのを避けようとしていたとか。それが、教皇庁内の人事事情などによって方針が揺れ動く様子が本書で解説されている。
「400年後の真実」というサブタイトルだが、「○○と言われているのは全くの間違い、真実は××だった」といったセンセーショナルな書き方でなく、裁判の歩みをじっくり追っていく書き方で、安心して読める。
「真田魂」1巻
白泉社 (2016-04-28)
売り上げランキング: 2,327
真田家の幸隆、昌幸、信之(信幸)&信繁の3代を、かわいい感じのキャラで描く4コマギャグマンガ。とはいえ、4コマ完結でキャラをネタにするタイプでもなくて(そういうのも好きだけど)、話がつながっていてストーリーも読ませるマンガだった。
この巻では特に武田勝頼配下での昌幸の活躍を中心に描いている。特に長篠の戦いは、勝頼にとっても昌幸にとっても大きなターニングポイントであり、ドラマチックに描かれている。ちなみに、武田騎馬隊軍団については、大群で駆ける騎馬軍団はなかったが乗り込みはあった、という立場をとっている。
ちょうどこの巻の最後のほうが武田家滅亡に向かうところで、大河ドラマ「真田丸」第1回のあたりとなる。浅間山噴火もあるよ。
私はニワカ「真田丸」ファンなので、ちょうど楽しく読んだ。というわけで、「真田丸」ファンにウケそうな部分をいくつか。
- 真田昌幸がちょっとハーフっぽい顔で、妻の山手殿とラブラブ。ちなみに、人間離れした観察眼という能力を持つ
- その子供が3人。おてんばな村松殿、マジメで将来苦労しそうな信幸、人懐こくてカンの鋭い弁丸(信繁)
- 勝頼は、特に長篠の戦い以後は、名将とて描かれる
- 昌幸の父の幸隆の執念や、兄の信綱・昌輝の勇猛ぶり。ちなみに真田魂とは「あきらめないこと」(弁丸)
- ラストでは信幸と信繁が一族を率いて岩櫃へ
「風雲児たち 幕末編」27巻
リイド社 (2016-04-27)
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桜田門外の変の後で地味な印象がある(というネタに本作中でなっている)坂下門外の変を中心に、大橋訥庵、将軍家内の尊皇思想、一橋慶喜のポジション、巻き込まれた長州藩(特に桂小五郎)のピンチなど。そして後半は、ついに薩摩に戻った西郷と大久保の久光公をめぐる議論。そして清河八郎が動く。「おそ松さん」ネタもあるよ(名前だけだけど)。