「中村屋のボース」
若くして暗殺未遂事件を指揮して追われる身となり、日本へ亡命。以後、インドの土を踏むことなく、インド独立と反英活動に生涯をささげる。日本では頭山満や安岡正篤をはじめとする大物政治家に庇護されたり、指名手配から逃げたりしながらも、政治活動や執筆の面からインド独立を夢見て活動していく。読み物としても面白い。
同時に本書は、ボースを包み込み搦め捕った、日本人の「心情的アジア主義」を描いた本でもある。弱腰の政府を批判しアジアの活動家を保護しようという、庶民から政治家にまで共通していた考えが、なぜ大東亜共栄圏やアジア侵攻につながっていったのかを、資料と論考の両面から追いかけている。それは、本書でも言及されている谷豊(ハリマオ)の運命にも共通する。
白水社 (2005/04)
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「キーボード配列QWERTYの謎」
というテーマを中心に、タイプライターの歴史を分析し、資料から俗説を排除して事実を追求している本。その姿勢は、「○○は××氏の娘が△△したことによると言われている。しかし××氏には娘はいない」といった細部にまで及んでいる。
といってもQWERTY配列を賛美しているわけではない。いわゆるJIS配列(ロジカル・ビット・ペアリング)がテレタイプ由来のもので、いわゆるASCII配列(タイプライター・ペアリング)がIBM由来のものであることともあわせ、QWERTYや記号配列などは米国の産業界における独占に振り回された結果であると結論づけている。
そのほか、マーク・トウェインと初期タイプライターとか、女性参政権とタイプライターの初期普及活動とか、元祖タッチタイピング勝負とか、興味深いエピソードを資料に忠実に再現していて、非常に面白く読んだ。
エヌティティ出版 (2008/03)
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「プログラミングGauche」
オライリージャパン (2008/03/14)
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Lispの一種であるScheme言語の処理系「Gauche」の解説書。巻頭から順に読んで、とてもわくわくしながら読み進み、電車の中や介護の合間を使って一気に通読した。
Lisp初学者のための入門書ではなく、網羅的なリファレンスでもなく、学術書でもなく、まさにPractical SchemeであるGaucheを使ってプログラミングする方法についての手引きになっている。最初からgoshとEmacsを組み合わせた開発環境の説明をみっちりやっているし。文法要素をサンプルを作りながら説明していくうちに、説明した各サンプルが継続渡しによるWebアプリケーションに集結するところはちょっとした感動ものだった。
とにかく、本書は頭から順に尻尾まで通読するのがおすすめで、拾い読みはおすすめしない。p.153でさらっと書いたfact手続きが、p.318で説明なしに言及されていたりするし。
ちなみに、本書では末尾else節での再帰も「末尾再帰」と呼んでいるようだ。
以下、自分のための私家版正誤表(初版第1刷)。校正のために読んだわけではないので、気になったところだけ。
場所 | 誤 | 正 | 注記 |
---|---|---|---|
p.64 | Churchの学生でだったので | Churchの学生だったので | |
p.121 | (set! p 3) | (set! (car p) 3) | |
p.243 | (define <inherited-list> (<list>) ()) | (define-class <inherited-list> (<list>) ()) | |
p.273 | 代表ざれる | 代表される | |
p.273 | 名前が衝突しないを作り出す | 名前が衝突しない変数を作り出す | |
p.287 | breader/cc | breaker/cc | |
p.309 | *load-path*追加する | *load-path*に追加する | |
p.311 | 以下に分割された | 図20-1のように分割された | か? |
p.355 | Gaucheには~をサポートしています | Gaucheは~をサポートしています | |
p.362 | sudoがそのログイン名のパスワードを要求します | sudoが現在のログイン名のパスワードを要求します | 未確認だけどsudoの動作からすると |
p.384 | (print "Content-Type: text/plain\n\nHello, Gauche!\n") | (print "Content-Type: text/plain\r\n\r\nHello, Gauche!\n") | RFC2616的には |
p.417 | それら得る | それらを得る | |
p.441 | (kahua-spvr -S $HOME/work/site -H 8088 >/dev/null 2>&1 &) | kahua-spvr 0S $HOME/work/site -H 8088 >/dev/null 2>&1 & | 括弧があっても間違いではないが |
p.441 | (kahua-spvr -S $HOME/work/site -H 8088 >& /dev/null &) | kahua-spvr -S $HOME/work/site -H 8088 >& /dev/null & | 同上 |
p.460 | (A.4の最初のリストで、最後以外のコメント部分も太字(入力扱い)になっている) | (太字を解除) | |
p.463 | make uninstall | sudo make uninstall | 未確認だけど、p.459ではsudo make installとあるので |
p.476 | /home/bizenn | /home/johndoe | p.475と矛盾 |
表記のゆれ。
呼び出し | 呼びだし(例:p.253) |
分かる(例:p.92) | 分る(例:p.332) |
書ける | かける(例:p.358) |
修正2008-03-24:「再起」→「再帰」
「Core Memory ―ヴィンテージコンピュータの美」&発売記念トークイベント
オライリー・ジャパン (2008/02/26)
売り上げランキング: 2223
これはいい写真集。好き者にはたまりませんな。
シリコンバレーの「Computer History Museum」所蔵の歴史的なコンピュータを撮った写真集。Z3にはじまり、ENIACやIBM System/360、PDP-8、Cray-1、Apple-I、Google初代サーバーに至るまで、丹念に撮影されている。
歴史的意義と同時に、なによりキレイで「カッコいい機械」の写真になっているのがすばらしい。
で、本書の写真の人と文の人が来日して、トークイベントが新宿ジュンク堂であったので、聞きにいってきた。
楽しかった。マークがギャグ飛ばしすぎ。以下、トークイベントのメモをそのまま。
(鴨澤眞夫:翻訳の人)
2人のバックグラウンドを
(マーク・リチャーズ:写真の人)
もともとはフォトジャーナリスト
アフガン戦争やカンボジアなどの報道写真
インターネットで変わった
フォトジャーナリストでは食えないのでほかの帽子をかぶろうと思った
こっちの写真はゆっくり撮る
細部の美を追求
(ジョン・アルダーマン:文の人)
ライター、ジャーナリスト、編集
'93 「Mondo 2000」インターネットについての本
'94「HotWired」広告を入れたウェブサイトのはしり
インターネットが音楽ビジネスを変えていくところなどを書いてきた
コンピュータがどれだけ世の中を変えていくかに興味
(鴨澤)
今回の本の背景を
(マーク)
Geekが集まっているComputer History Museum
配線ぐちゃぐちゃのボードを見た
14世紀の解剖図を思い出した
これアートじゃね?
歴史のかけらの写真を撮る
グーテンベルクの時代にいたら写真を撮りたかった
今も時代が変わっているところ
(Apollo Guidance Computerの写真を掲げる)
月にいくための航法システムであり、楽器のようでもある、それを作った人々、の3要素のすばらしさ
(IBM System/360の写真を掲げる)
まるで神経系のようだ
(会場)
どんな経緯からいっしょに?
(ジョン)
編集者の紹介
さまざまなコンピュータの物語に興味を持った
コンピュータを作ったひとたちに興味がある
どういう材料、どういう狙い、どういう苦労?
みんなのやってることが大きな流れになっていく感じ
歴史から未来が見える
ちょうどインターフェイスデザイナーの仕事を始めたところだった
情報がどのように視覚化されているか
インターフェイスの移り変わり
(会場)
Computer History MusiumというGeekな場所に行ったきっかけは?
(マーク)
私はGeek Artist(笑)
歴史上の偶然
撮影に行ったとき、近くにComputer History Musiumがあったので行ってみたら面白かった
昔、みんな車をいじっていたように、今はコンピュータをいじっている
美しい
ここまで深くComputer History Musiumの物を撮ったのは私が始めてじゃないか
キヤノンのデジカメとソニーのノートPC
撮って確認するサイクルが早い、これはいいコンパイラ
フイルムじゃ無理(自分には)
(会場)
撮影で大変だったこと
(マーク)
全部大変だった
動かないんだもん、すげー退屈(笑)
冗談言っても笑ってくんないし(笑)
とても露光時間が長い
アプローチの考え方を変えるのが大変だった
(ジョン)
ストーリーを集めた
それぞれの作者は普通に仕事してるので記録はあまり残っていない
当事者がまだ生きていて話を聞ける場合もあって、そういうときは楽だけど、当人同士で話がくいちがったりする
Computer History Museumの情報も正しいとは限らない
いい部品の写真に文章を書いたら、その写真が没になったり
(会場)
どっちが写真を選んだ?
(マーク)
アート優先(笑)
最初、出版社にコンピュータのアート写真の本と言ったら、怪訝な顔をされた
Musiumには、先に出版契約を決めてからと言われた
でもきっといい本になると思った
単なる歴史の本ではなく、アートの本にしたかった
(ジョン)
これはすごい経験
(マーク)
Musiumは「絶対に歴史的に正しく」と注文
でもジョンは無理だというし
(マーク)
ジョン、どのマシンの物語が面白い?
(ジョン)
SAGE
すごいお金の浪費
ロシアの爆撃を恐れていた
フットボール場半分の面積、4階建て、30施設
監視システムをリアルタイムに集計
ライトガン(→ライトペン→マウス)などのグラフィックインターフェイス
組み込みの灰皿(笑)
などのすごいイノベーション
ICBMが出てきて、すべて無意味になった
浪費だったけど、すごいイノベーション
飛行機の予約システムとか(笑)
爆撃機も予約できるよ(笑)
軍事が嫌なものを作って、そこでイノベーションがうまれる
(マーク)
(ENIACかなんかの写真を指さして)
これ、ロシア製の真空管
ギターアンプとかでもロシア製の真空管を使ってるよ
(会場)
日本版の感想は?
(マーク)
印刷品質がいいね。アート。クール。
(ジョン)
アメリカ版も内容をもっと正確にしたい
日本版は鴨澤さんがいろいろ直した(笑)
日本に住んでたことがあって、そのころの友達に見せて、驚いてもらえた
(会場)
いちばん好きな写真は?
(マーク)
CDC 6600のブートストラップ部分
IBMのカードリーダーの色もすばらしい
気にしているのは色だけ
(マーク)
ジョン、CDCを作ったクレイについてしゃべって
(ジョン)
この会場は詳しそうな人がいっぱいいるからちょっと(笑)
(マーク)
IBM System/360の開発の始まりについてしゃべってよ
(ジョン)
当時、新しいコンピュータを買いたがらない会社がいっぱいあった
IBMは、シリーズの中で同じソフトが動くコンピュータを作ろうと思った
シミュレーション(マイクロコード)
これは大事なステップだった
それまではプログラムは専用だった
今はそれがますます重要
いまコンピュータはネットワークでつながっている
System/360はコンピュータの社会を作った
(会場)
なんでそんなに撮影に時間がかかったの?
(マーク)
被写界深度をとるためにすごい絞りを絞って時間をかけてとった
広角レンズ
ゆがみはあとからPhotoshopで修正
長いレンズを使うスペースがなかった
照明は蛍光灯
(会場)
1枚あたり、後処理にどのぐらいの時間?
(マーク)
歪みをとるのにPhotoshopで2~3時間
カメラを傾けるかわりにPhotoshopで傾けたり
(NEAC2003の写真を指して)色を再現するのに1~2時間かけたり
何度もやりなおしたり
10分~10時間
(会場)
日本語版の苦労話を
(鴨澤さん)
マークから返事が来ないとか(笑)
原文の変なところがいくつか見つかったので、Musiumの人に聞いてみた
「ああ、そのとおり、じゃ見直してみるよ」
そうしたら写真と文が違ってるところがあった
ジョンに相談→ジョンがマークに相談→マークが写真を撮り直して巨大なファイルを鴨沢さんに送った
Apollo Domainの写真にアポロ計画の説明文が付いていた
書いてあるメモリの量が説明と合わない箇所も
GoogleのサーバーのCPUが8086とかなってきた
(会場)
「Core Memory」というタイトルがすばらしい。すぐ決まった?
(マーク)
いや、ハードウェアとか歴史とかの意味を反映した名前をつけるのに時間がかかった
「Core Memory」という言葉が出たら、これでいこうとなった
(マーク)
みなさんに質問。この本のどこがよかった?
(会場の中村正三郎さん)
美しさ、クローズアップ
(マーク)
わかってもらえてうれしい
(会場)
今でも使えるんじゃないというインターフェイスは?
(ジョン)
インターフェイスの発達にはパターン
遊び心のあるものが来る
軍事のものも遊びになる
Macも最初はおもちゃだといわれた
しかしそれが標準になった
(HP-35の写真を手にとって。ここで会場「おお」と)
キーに色がついているのが重要だ
よく使うキーが青になっている
簡単だけど親切
(マーク)
フランスのMinitel端末
電話帳のかわりに配られた
でもエロに使われた(笑)
ここでソフトのイノベーションが起こった
いまでいうインターネットみたいなもの
(会場)
空調機とかビルそのものとかに興味は?
(マーク)
きれいだったら撮るよ
でも歴史を持ってることが重要
そこらのエアコンより原発のエアコンのほうが面白い
(ジョン)
でも日本のエアコンは面白いよね
(鴨澤)
マークが日本に来て撮った街角の写真がおもしろい
さくらやの看板とか
(マーク)
東京ではコンピュータじゃなくて人を撮ってる
(会場)
アート優先の本の次に、歴史優先の本とかは?
(ジョン)
いいね。でもすでにいっぱいあるよね。
EeePCにeeeXubuntuをインストールしたメモ
EeePCの日本モデルを買って、最初からOSをeeeXubuntuに入れ替えた。以下、現状のメモ。新しいことをやってるわけじゃなくて、あくまでも文房具としてセットアップした。
インストール
- EeeUser Eee PC Wiki経由でeeeXubuntuのISOイメージをダウンロードしてCD-Rに
- EeePCにUSB CD/DVDドライブを接続し、電源を入れて、ESCキーでCD/DVD起動を選択
- Live CDで起動してインストーラーを実行
- 基本はデフォルト
- ただしパーティション構成では、swapパーティションをナシに(ディスク容量がもったいない)
日本語化
- /etc/apt/sources.listに追加
deb http://archive.ubuntulinux.jp/ubuntu-ja gutsy/ deb http://archive.ubuntulinux.jp/ubuntu-ja gutsy-ja/
- 日本語環境をインストール
sudo apt-get update sudo apt-get install ubuntu-desktop-ja
- /usr/share/fonts/truetype/openofficeがないというエラーになるので対応して再実行。ついでに更新
sudo touch /usr/share/fonts/truetype/openoffice sudo apt-get install ubuntu-desktop-ja sudo apt-get dist-upgrade
いろいろ設定
- 緊急時にファイルにスワップするようswapdをインストール
sudo apt-get install swapd
- 壁紙をナシに
- 背景を右クリック - 「デスクトップの設定」 - 「外観」 - 「画像を表示する」のチェックをはずす
- XFCEパネルを隠すようにして画面節約
- XFCEパネルを右クリック - 「パネルの設定」 - 「自動的に隠す」にチェックをつける
- 画面効果を外す
- 「設定」 - 「ウィンドウマネージャー」 - 「詳細」
- 「大きさ変更時にウィンドウの内容を表示する」のチェックを外す
- 「移動時にウィンドウの内容を表示する」のチェックを外す
- 「設定」 - 「ウィンドウマネージャー」 - 「詳細」
- ワークスペース(仮想画面)を2つに
- 「設定」 - 「ワークスペース」 - 「ワークスペース」 - 「ワークスペースの数」の値を「2」に
- XFCEパネルを右クリック - 「プロパティ」 - 「自動的に隠す」にチェックをつける
- SCIMオンオフからShift-Spaceなどをはずす(Firefoxのページ逆スクロールとぶつかる)
- 「設定」 - 「SCIM入力メソッドの設定」 - 「フロントエンド」 - 「全体設定」 - 「SCIM開始」の右のボタンをクリックして設定変更
- いつものとおり/etc/hostsで「120.0.1.1」→「120.0.0.1」
Firefoxを設定(おもに画面節約)
- ブックマークツールバーを消す
- 「表示」 - 「ツールバー」 - 「ブックマークツールバー」
- ツールバーのアイコンを小さく
- ツールバーを右クリック - 「カスタマイズ」 - 「小さいアイコンを使用」
- タブをバックグラウンドで開く(LDR用)
- 「編集」 - 「設定」 - 「タブ」 - 「リンクを新しいタブで開いたとき、すぐにそのタブに切り替える」のチェックをはずす
- .mozilla/firefox/(ランダムな文字列).default/user.jsを作成
user_pref("browser.tabs.loadDivertedInBackground", true); user_pref("dom.popup_maximum", 100);
- AdBlockでバナー広告を消しまくり
sudo apt-get install mozilla-firefox-adblock
無線LANを使う
- そのままFn+F2キーを押しても無線LANはオンにならない
- /etc/acpi/events/asus-wirelessはある
- /var/log/acpidを見て、hotkeyのコードを変更
- ダメ。/var/log/acpidを見ると、/etc/acpi/asus-wireless.shがエラー終了している模様
- ここ経由でここを見て、/etc/acpi以下の設定をコピペ
- 成功
アプリの追加と削除
いろいろ。OpenOffice.orgのCalc(表計算)とかImpress(プレゼン)とかを入れてもディスクは余裕。
修正2008-03-19:無線LANの話を追加
「反・進化論講座―空飛ぶスパゲッティ・モンスターの福音書」
それにもかかわらず本書が面白いのは、スパゲティ・モンスター教という設定を使っていろいろなバカな教義とかエピソードを再生産しているところ。そうやってるうちに話に矛盾が出てくるんだけど、「それらは読者の信仰を試すため」とごまかすところも含めて、まさに神話そのものだと思う。
そうそう、U.S.でも貧乏大学生はインスタントラーメンをありがたく食べてるのね。
築地書館 (2006/11)
売り上げランキング: 11294
「反転―闇社会の守護神と呼ばれて」
とてもおもしろかった。ただし、なんだかな感も残る。
全体は大きくわけて4つのパートからなる。1つ目のパートは生い立ちの部分で、苦労して成功しましたみたいな話なので、全体の中では比重が軽い。
2つ目のパートは検事時代。実際のエピソードを詳しく書いていて、ここがいちばん面白い。検察の拷問や上部の圧力、癒着などの実態も告発している。それを通して、自分がいかに潔白な人間かを訴えたいらしい。それはともかく、出前の品数から新聞記者が嗅ぎつけた話などもおもしろかった。
3つ目のパートは弁護士時代。ここで著者はブラック紳士たちと交流していく。面白いのは、ブラック紳士たちの個人的エピソードや、(著者から見た)各事件の話、芸能界や政界(元総理親子や亀井氏など)とのつながりの話。同時に、ブラック紳士たちっていい人なんだよ、自分も含めて貧しい生い立ちからなり上がった人たちなんだよ、でも国からはカタキ扱いされてるんだ、と訴えたいらしい。いい人というのが、自分に付け届けや利益供与をしてくれるということのような気はするけどそれはさておき。
4つ目のパートは、著者が逮捕される話。なんというか、急にアリバイ主張みたいな書き方になり、そのうえ上のような流れで読むと、真偽はともかく、なんだかな感はある。
それはさておき残念なのはブラック紳士たちの裏についてはあまり触れていないこと。特に許永中について、よくも悪くもあまり詳しい話がないままに親しい仲という設定になっていて、ちょっととまどった。
修正2008-03-19:「数千万円」→「数千億円」
「太陽の黙示録」17巻
小学館 (2008/02)
「喰いしん坊!」17巻
日本文芸社 (2008/02/18)
「「食い逃げされてもバイトは雇うな」なんて大間違い」
「食い逃げされてもバイトは雇うな」の続編。前書が「数字リテラシー」を啓蒙する本であるのに対して、今回は「「数字リテラシー」リテラシー」を啓蒙する本になっていると思う。
著者は、会計士の立場から、ビジネスは会計だけではないと説く。会計はあくまでも「答えはひとつ」の世界のもので、ビジネスは「新しい答えを見つけてナンボ」と。しかし、会計士さんが事業計画そのものの欠点をずばり書くというのはびっくりした。
といいつつ、会計ネタも参考になった。「女子大生会計士の事件簿」のエピソードも2編入ってるし。「世界一やさしい会計の本です」あたりのテイストかも。
- タチが悪いのは「事実だけど正しくはない数字」
- 利益が上がりすぎたので利益を減らす工作
- 成長性の演出
- 資産と費用の違い
- 節税保険
- 会計の縛り:将来のお金の使い道が決まってしまう
- 不労所得のリスク:価値変動が大きい
- 「費用対効果」を持ち出したがる人にご用心
- 前提は? 効果の対象は?
あと勝手に引き合いに出して恐縮ですが、kinnekoさんの「広告主よ、それでいいのか?」という言葉の答えも本書のエピソードと関係あるかなと。企業の広告費は、必要な額を割り出して支出する性格のものではなくて、獲得した予算を的確に消化するものだということで。もともと商品に上乗せして消費者からいただいた金ですし。
光文社 (2008/02/15)
売り上げランキング: 49
Bash on Railsを作る(12) Controllerの例
bashの内蔵コマンドだけでいかにRuby on Railsっぽいことをやるかというパロディ企画です。
ちょっと間があいてしまったので、今回はデモのときにscaffoldで自動生成したController定義(app/controllers/members_controller.sh)を載せてみます
基本的には、Ruby on Railsのscaffoldで生成したControllerを劣化コピーしたものです。けっこう力まかせです。
OOもどきのbashOOでbase_controllerクラスを継承したmembers_controllerクラスを作り、indexとかlistとかnewとかのクラスメソッドを定義しています。各メソッドの中では、O/RマッパーもどきのSHarを使ってデータを操作しています。このファイル自身は、テンプレートエンジンのeBashを使って生成しています。
function members_controller::class.index() { local class=$1 ${class}.render :action=list } function members_controller::class.list() { local class=$1 ${class%_controller}.find ${class%_controller}_list :all } function members_controller::class.show() { local class=$1 ${class%_controller}.find current_item :conditions="id = '$params_id'" ${class%_controller}.bless current_item } function members_controller::class.new() { local class=$1 ${class%_controller}.new current_item } function members_controller::class.create() { local class=$1 ${class%_controller}.new current_item 'params_current_item' current_item.save ${class}.redirect_to :action=list } function members_controller::class.edit() { local class=$1 ${class%_controller}.find current_item :conditions="id = '$params_id'" ${class%_controller}.bless current_item } function members_controller::class.update() { local class=$1 ${class%_controller}.find current_item :conditions="id = '$params_id'" ${class%_controller}.bless current_item current_item.update_attributes 'params_current_item' ${class}.redirect_to :action=show :id="$current_item_id" } function members_controller::class.destroy() { local class=$1 ${class%_controller}.delete "$params_id" ${class}.redirect_to :action=list } base_controller.extend members_controller
注意:Bash on Railsは、実用性を無視したパロディソフトです。誤解のないようお願いします。
修正2008-3-19:「敬称」→「継承」
「デッドアイ・ディック」
早川書房 (1998/01)
売り上げランキング: 78673
「クロサギ」18巻
「都市再生詐欺」「公共事業詐欺」という、連続した2エピソードを収録。今回はシロサギ側のしくみとが単純なので、クロサギ側の仕掛けのほうに重点がある。説明的なセリフが並ぶドラマ部分はどうでもいいとして。
手口メモはネタバレなので「続きを読む」で。
小学館 (2008/03/05)
「宗像教授異考録」7巻
「C.M.B」7巻
講談社 (2008/02/15)
Bash on Railsを作る(11) 発表してきました
bashの内蔵コマンドだけでいかにRuby on Railsっぽいことをやるかというパロディ企画です。今回は番外編です。
オープンソースカンファレンス2008 Tokyo/Springというイベントのライトニングトークで、Bash on Railsについて発表してきました。
そのときのスライド。さしさわりのありそうな部分は削ってます。
持ち時間5分の中で、前半の2分半をプレゼンに、後半の2分半をデモに使うというペース配分で登壇。前半はそれなりに勤めましたが、誤算だったのは後半。ビビって手が震えてキーがまともに打てない。なんとか設定を済ませてアクセスしたら「404 Not Found」ってところでちょうど時間終了となりました。
いつもの名司会さんとか、懇親会でお話した方々とか、ブログとかの話では、あの失敗がウケたようで。いや、あれ素なんですが。まぁウケたからいいや。
で、懇親会でもライトニングトークの時間があったので、急遽資料を作ってリベンジ。
ビールの勢いで、操作に間違いなくデモできて、よかったよかった。って、それヤバくね?
追記2008-03-04
デモの写真を撮ってくださった方がいました。ありがとうございます。映っているのは、scaffoldで生成した雛形アプリを実行したところです。
ちなみに、デモで実行したコマンドはこんな(↓)感じ。デモに使った環境は、Fedora 9 Alpha版です。
$ shails meibo create Makefile create app create config create config/environments create config/database.sh create config/environment.sh create config/routes.sh create public create public/dispatch.sh create public/.htaccess create vendor create vendor/SHac create vendor/SHailties create vendor/SHar create vendor/SHas create vendor/eBash create script create script/console create script/generate create db create log create tmp $ cd meibo $ script/generate model members name:string comment:text create app/models create app/models/members.sh create db/schema.sh $ make db-migrate vendor/SHar/migrate/migrator -- create_table(members) $ script/generate scaffold members create app/controllers create app/controllers/members_controller.sh create app/views/members create app/views/members/edit.ebash create app/views/members/list.ebash create app/views/members/new.ebash create app/views/members/show.ebash $ vi /etc/httpd/conf.d/meibo.conf (以下の内容を入力) Alias /meibo /home/emasaka/meibo/public <Directory /home/emasaka/meibo/public> AllowOverride All </Directory> $ /etc/rc.d/init.d/httpd start