「Q.E.D. iff」27巻、「ないない堂 〜タヌキ和尚の禍事件帖〜」3巻
人気ミステリーコミック「Q.E.D. iff」と、オカルト(?)ミステリー「ないない堂 〜タヌキ和尚の禍事件帖〜」の3巻目が、今回も同時発売された。
以下、ネタバレに気をつけているつもりだけど、未読の方は念のためご注意を。
加藤 元浩(著)
「Q.E.D. iff」は、「ドールハウス」と「臨時特別寝台列車事件」の2話を収録している。両方とも、話の辻褄があわない奇妙な状況を、その奇妙さを手掛りに解決する話だったと思う。
「ドールハウス」は、過去の未解決事件の現場を再現したドールハウス(警察が殺人事件現場を再現して現場検証を学ぶ模型)の前で殺人が起こる話。過去の事件は、殺人+300万ドル(当時で約3億円)消失で、痕跡を見るかぎり、激情的であり計画的であるという支離滅裂さを抱えている。そして姿を消した容疑者の行方や、ドールハウスが置かれた意味は。
あと、いつの間にか水原さんが頭の回る優秀キャラ(ただしときどきトンチキ)になって、天下の名門ハーバード大学を目指してる。
「臨時特別寝台列車事件」は、寝台列車で起こった事件の謎を解く話。走っている列車の中の事件なので、ほぼ容疑者は乗客に限られる、というあのパターン。
でも、これは本の帯にも載っているから書いてしまうと、全員にアリバイがあるのに全員が嘘をついている。その状況の理由を、死因が判明したのをきっかけに塔馬君が解明する。
その背景では水原さんの進路シリーズが続いていて、最初のシーンが最後のシーンにつながるのもエモい。
加藤 元浩(著)
「ないない堂 〜タヌキ和尚の禍事件帖〜」は、妖怪・怪談の伝承がからんだ事件を、失せ物探しの銀花と、若手住職の多貫のコンビが解決するシリーズ。銀花が“見通し”の能力で見た漠然としたイメージの意味を探る、というのがフォーマットになってきたかな。
今回は「雷獣」と「雪女」の2話を収録している。
「雷獣」は、息子の借金を返そうと、老婦人がその祖父の宝物を探そうとする話。そこに、雷獣を見て探す中学生たちの行動がクロスする。墓が移った理由や、雷獣の正体、穴の謎、そして銀花が見たイメージから、宝物のありかをさがすというドラマチックなエピソード。
歴史は地形で作られるんや
「雪女」は、動画配信(YouTuber?)グループが遭遇した雪女の正体を、そのグループの依頼で探す話。謎のポイントは、動画配信グループが雪女を見た理由。
幽霊はなんで女が多いんやろな?
そこに、銀花と“見通し”の能力に関する過去が並行して描かれる。ここは謎解きじゃないけど、仕事のストレスと銀花が理解できないことで半狂乱の父親を見たときに現れた、銀花が親元を離れるきっかけになったイメージの意味がラストでわかる。
ほんまもんの友人や
大事にしとき
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