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読書やコンピュータなどに関するメモ

「Q.E.D. iff」29巻、「ないない堂 〜タヌキ和尚の禍事件帖〜」5巻

 人気ミステリーコミック「Q.E.D. iff」と、怪談が事件にからむミステリー「ないない堂 〜タヌキ和尚の禍事件帖〜」が、今回も同時発売された。

 以下、ネタバレに気をつけているつもりだけど、未読の方は念のためご注意を。

 「Q.E.D. iff」は、「羽がなくても」「エッセイ」の2話を収録している。この巻では水原さんが中心となる話が並ぶ。そして、各エピソードの背景で進んできたストーリーの比重が大きくなっていて、1話目の最初のほうで意外とあっさり「いいよ」。そして1話目最後に(略)。

 「羽がなくても」は、富豪の養女でSNSをやっているセレブが、命を狙われているとして警察に助けを求めてきたのを、水原さんがプレカレッジプログラムの課題として対応する話。なんだけど、話のいろいろなところで辻褄があわなくなっていて、誰が嘘をつけるか、あるいはどの部分が本当の話かが鍵となる。後から読み返すと、嘘の部分より本当の部分がなるほどと思う。

 あと、水原さんのチームが、アジア人の水原さん、ヒジャブ姿の女性、黒人男性、白人女性の構成で、被害者はインドのカシミール州出身。そして結末の真相は(略)。

 「エッセイ」は、水原さんが大学入試のエッセイを書くために、過去の事件を振り返る話。水原さんが暴力事件に巻き込まれた(水原さんだから心配いらないけど)事件の黒幕を推理する。そして、エッセイに向けて過去の出来事を掘り下げることで水原さんの本質(一番の長所)が明らかになるという、青春物語だ。

 「ないない堂 〜タヌキ和尚の禍事件帖〜」は、「死霊」と「鵺」の2話を収録している。いずれも、真相の奥に事件を“起こした”人物の心の闇があって、それが妖怪のようなものとして現れている。

 「死霊」は、AがBを殺害したと目撃されたとほぼ同じ頃に、離れたところでBがAを殺害したと目撃されたという謎を解く。このシリーズではオカルトな存在は登場しても事件には直接関与しないので、誰かが間違っているか嘘をついているか偽っているかなわけだけど、ではそれはなぜかというのが鍵。そして死霊として現れるのは誰のどんな心か。

 「鵺」は、新興宗教の教祖の女性の墜落死と、それを継いだ夫の墜落死が、映し鏡のように類似している謎を解く。容疑者が何人かいて、さらに被害者も含め、それぞれに隠れた動機があって、それらがからみあって複雑な事件を形作る。そしてそれが鵺として現れる。

「イクサガミ」天・地・人

“イクサガミ
講談社 (2022-02-15T00:00:01Z)
今村 翔吾(著)
“イクサガミ
講談社 (2023-05-16T00:00:01Z)
今村 翔吾(著)
“イクサガミ
講談社 (2024-11-15T00:00:01Z)
今村 翔吾(著)

 歴史・時代小説で活躍する直木賞作家の今村翔吾がエンタメに全振りし、山田風太郎の忍法帖ものを意識して書いたというデスゲーム時代小説。全4巻予定のうち、現在3巻まで刊行されている。3巻目の「人」の巻の帯キャッチにいわく「全員、化物」。

 ヒットしてるらしく好評も聞こえてくるし、Netflixでドラマ化されるという話をきっかけに読んでみたら、なるほど面白い。ストーリーや文章に疾走感があってハラハラドキドキだし、登場人物のキャラが立ってそれぞれの背景がからみあう。時代小説ファン以外に、バトルもの漫画のファンあたりにもウケてるらしい。

 内容は読んでのお楽しみとして、山田風太郎の忍法帖もの、漫画でいうと「バジリスク 〜甲賀忍法帖」あたりは確かにモロに近い。時代小説といっても、舞台は明治11年だから、ちょうど「るろうに剣心」と同じ頃で、そのへんの要素もある。「ゴールデンカムイ」や「無限の住人」なんかも近いと思う。

 というわけで、2025年に刊行されるという4巻目の最終巻(予定)「神」も楽しみにしている。

「はじめてのLinuxサーバー構築入門2025」

 「日経Linux」の記事からピックアップして再構成し、新規記事を加えたLinuxサーバー入門のムックが発売された。私が書いた記事も再掲され、掲載誌をいただいたので、報告と宣伝を兼ねて。

 第1章が新作の「Ubuntu Server 24.04 LTSでサーバーを構築してみよう」。インストールをスクリーンショット入りで紹介したあと、SSHサーバーやDHCサーバー、Webサーバーなどの「8つの家庭内実用サーバー」を構築。そしてPythonでエコーサーバーと簡易Webサーバーを実装する。

 第2章が「省電力&実用サーバー構築術」で、省電力マシン選びに始まり、オンラインストレージNextcloud、AIフォトアルバムPhotoPrism、メディアサーバーJellyfin、WikiサーバーWiki.js、ファイル検索のFess、スマートホームのHome Assistant、センサー値収拾のEclipse Moosquittoなどを建てる。

 第3章は「面倒なことはクラウドに任せよう」で、Amazon Lightsailでのサーバー建て入門と、Azure IoT Centralによる冷蔵庫監視を解説している。

 第4章は「仮想化&コンテナーのはじめ方」で、VirtualBox vs. virt-manager、Docker & Docker Compose、lxc & LXDMosaic、Proxmox VEのそれぞれでの環境構築を解説している。

 第5章は「今どきのコマンド&シェルスクリプト入門」で、シェルとシェルスクリプトの入門と解説のほか、いくつかのシェルスクリプトの作例や、標準コマンドのモダンな代替コマンド(exaとかbatとか)を紹介している。

 という感じで、入門者向けではあるけど、けっこイマ風のネタも入っているのが面白い。「日経Linux」が休刊になって最近こういう出版物のが少ないとお嘆きの方から、普通にサーバー入門して試したい人まで。

「新仮面ライダーSPIRITS」39

“新
講談社 (2024-10-17T00:00:01Z)
村枝 賢一(著), 石ノ森 章太郎(原著)

 ゴードン! そしてウェイ・ペイ!

 ZXとJUDOが対峙する中、両者に一喝されたデルザー軍団が謎の行動を起こす。そして、ベタ足(着地してないけど)の打ちあいに、力系やスピード系のライダーたちが助太刀に入るが、なすすべもない。

君は……

人間のために戦ってもいいんだ

 巻末インタビューは、前巻に続いて、キャラクターショーのATCの源馬社長。あのときあのヒーローの中に入っていたのは、という裏話など。

「Q.E.D. iff」28巻、「ないない堂 〜タヌキ和尚の禍事件帖〜」4巻

 人気ミステリーコミック「Q.E.D. iff」と、怪談が事件にからむミステリー「ないない堂 〜タヌキ和尚の禍事件帖〜」が、今回も同時発売された。

 以下、ネタバレに気をつけているつもりだけど、未読の方は念のためご注意を。

 「Q.E.D. iff」』は、「幸運」と「論点整理」の2話を収録している。どちらも、トリックや真相は比較的単純なものの、その前に解くべき問題を正しく設定することが重要な話だと思った。

 「幸運」は、たやすく捕まった容疑者が、目撃された場所から一方通行だらけの迷路のような道を通って30分以内に殺人現場に行くトリックについて推理する話だ。

 事件の話と並行して、新しい道に進もうとする水原さんと父の水原警部の関係が描かれている。読んでた本が「サイダーハウス・ルール」だったのも関係あるかな。

 「論点整理」は、まさにタイトルどおり、さまざまな要素が入り乱れる中から「本当は何を解決しようとしているか」を抽出することがテーマ。横領事件のとりざたされる会社で、経理部員に窃盗の疑いがかけられて、さらに怪事件が相次ぎ追いつめられ、経理部長がコネ入社のために人減らしをしようとしているところも目撃される。

荒れた感情下では「真実を見た」と思い込ませるには十分でした

 ちなみに、この巻も引き続き、1話完結の形式の背景で、水原さんの米名門大学入学ネタが続いている。このへんはアメリカドラマっぽいのかな(ドラマ詳しくないので)。そして「まだ正式じゃないと答えておきました」。

 「ないない堂 〜タヌキ和尚の禍事件帖〜」は、「ナメラスジ」と「天狗在」の2話を収録している。前巻ではやや影が薄かった多貫和尚だけど、今回特に「ナメラスジ」では、司法試験を目指していた過去を生かして活躍していた。

 「ナメラスジ」は、旧家の相続をめぐる事件。「ナメラスジ」は魔物の通り道のことで、そのナメラスジに建った屋敷での連続殺人を追う。

なぜ住み続けているんだろ?

 どうでもいいけど、旧家の殺人事件で「O県」と書かれてると、岡山県を連想してしまう(単なる感想)。

 「天狗在」はちょっと趣向を変えて、発掘調査で見つかった、“埋葬方法全部入り”の謎の遺体から、壬申の乱で起こった出来事を探る話。むしろ、昔のシーンの割合が多い。怪談ネタは、当時の僧が見た“赤い怪鳥”や“一つ目入道”などの妖怪、そして天狗。そうそう、「虎に羽を生やすようなもの」なんて表現も出てきた。

 ちなみに作中で大海人皇子(天武天皇)が新しい時代のものとして取り入れる天文台が、陰陽寮のはじまりである。

「最強の恐竜」

“最強の恐竜
新潮社 (2024-01-17T00:00:01Z)
田中 康平(著)

 恐竜について、「デカさ」「速さ」「賢さ」といった各分野における「最強の恐竜」を紹介する本。ただし、その問題に図鑑的に答えるというよりは、それをダシに発掘調査などの研究活動のエピソードを読み物的に語っている本だ。

 本書で面白いのは、著者さんが恐竜の卵の化石を専門としている学者さんなこと。そのため、卵の化石や、足跡の化石、ウンコの化石(コプロライト)、脳の化石、化石についた噛み跡、など、ある意味で細かい要素を取り上げている。

 たとえば、デカさについては、上腕骨と大腿骨から推定するらしい。足の速さについては、足跡化石から腰の高さを求めてそこから推定するとのこと。噛む力については、顎の幅と高さから顎の強度を調べる。あと、恐竜の卵は、骨格上の制限により、体のサイズに比べると小さかったとか。

 ちなみに恐竜の卵の化石といえばオヴィラプトロサウルスがかつて卵泥棒と思われており、後に自分の卵だったとわかったとかいう話が知られている。で本書では、逆にオヴィラプトロサウルスがキューパニクスという恐竜に卵泥棒されていた可能性のある化石が見つかったエピソードも登場する。

「新仮面ライダーSPIRITS」38

“新
講談社 (2024-05-16T00:00:01Z)
村枝 賢一(著), 石ノ森 章太郎(原著)

 デルザー軍団が復活し、因縁のライダーたちと戦う中で、ヤマアラシロイド/ニードルが思い出した自身の過去が描かれる。ニードルはかつて優秀で献身的な針医者で、ウェイ・ペイはその患者から弟子になった。しかしニードルはやがて生体改造に手を染め、それがバダンやZXの誕生につながる。

どうだ

目覚めたばかりの良心は

 久しぶりの巻末インタビューは、キャラクターショーのATCの源馬社長。TACや大野剣友会との関係なども。

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