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「Q.E.D. iff」16巻、「C.M.B.」44巻

 同じ作者による人気ミステリーコミックの最新刊が、今回も2冊同時発売された。以下、ネタバレに気をつけているつもりだけど、未読の方は念のためご注意を。

Q.E.D.iff -証明終了-(16) (講談社コミックス月刊マガジン)
加藤 元浩(著)
講談社 (2020-06-17T00:00:01Z)
5つ星のうち4.6
¥495

 「Q.E.D. iff」は、「時計塔」と「マドモアゼル・クルーゾー」の2編を収録している。

 「時計塔」は、60年の間に殺人や失踪の事件が相次ぐ時計台の謎を解く。冒頭の見開きから不穏な写真が登場し、そこから事件に向かうと思われる出来事が描かれていく。そもそも何が起こるのか、何が起こっているのかが謎という展開が自分好みだった。あとキックも登場する。

 事件の犯人やトリックはちゃんとあるんだけど、そこは主眼ではなくて、そうした一連の事件の背景こそが一番の謎と恐怖という話。ラスト1pが怖いような、ある意味感動的なような。

 「マドモアゼル・クルーゾー」は、パリの女性警部クルーゾーを中心にした……というネーミングで想像されるとおりのドタバタコメディ。

 絵画の盗難事件を追うのだけど、怪しい美術館長やら、怪しいコレクターやら、呑気な警部やら、うるさい部長やら、濃いキャラたちの行動がカラみあって混乱するところがミソ。それぞれの役割を見失いそうになるのが罠で……おっとそこまで。

C.M.B.森羅博物館の事件目録(44) (講談社コミックス月刊マガジン)
加藤 元浩(著)
講談社 (2020-06-17T00:00:01Z)
5つ星のうち5.0
¥495

 「C.M.B.」は、1巻まるごと「C.M.B.殺人事件」1話を収録。前巻ラストのヒキに続いて、森羅君から指輪を取り上げようという動きと、そこから始まる連続殺人を描く。古代エジプトや古代インカなどの道具がからんできて、その本当の意味が結末でわかる。

 シリーズの軸となって指輪をめぐるトラブルに決着をつける話ということもあって、まるで最終回っぽい話になっている。3人の父親に、マウ、同級生たち、ヒヒ丸、鯨崎警部、七瀬さんの両親、博物館、そして母の思い出と、セミレギュラーメンバーも出てくるし。

 ……と思ったら、次回!?

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