「時代劇入門」
KADOKAWA (2020-03-07T00:00:00.000Z)
¥891
題名のとおり、時代劇を見るための入門書。なんだけど、時代劇の体系とか蘊蓄とか歴史知識とかは後回しにして、時代劇をいかに楽しむかという「面白がり方」を解説する本だ。
冒頭の第1部から、時代劇の世界は「ファンタジーの異世界」だから分からなくてあたりまえと。で、時代劇の「時代」ではなく「劇」で楽しんでほしい、カッコいいところから見てほしいと。
いわく、「アベンジャーズ」を現代日本を舞台にしても浮くけど、時代劇なら「十三人の刺客」のような要塞攻防戦でも成立すると。そんな感じで、派手な名作アクション時代劇の見せ所などを紹介していく。
さらには著者が以前から言っているように、「時代劇=『水戸黄門』」と思われてしまうのが食わず嫌いになる原因だと。「水戸黄門」は時代劇としては本流でないし、ほかに面白いものを見てきた後で見るものだと。
とはいいつつ、第2部では時代劇の歴史を解説しているのだけど、そこでもその時代ごとのヒット作を紹介することにも重きを置いている。
第3部は、時代劇を5ジャンルに分けたり、スター役者をピックアップしたり、キーになる原作者を取り上げたりと分析的に解説。ただし、それらもすべて、面白く思うポイントをつかむための入口を意識した説明になっていて面白い。
そして第4部は「忠臣蔵」「忍者」「大河ドラマ」という大きなテーマを語り尽す。私は正直、忠臣蔵には興味が薄かったけど、ほうなるほどそういうポイントから見るのかと興味を引かれた。
忍者については、「忍びの者」は社会派でダークな時代劇な印象だったけど、黒装束の忍者集団ががレンジャー部隊由来のアクションをする最初の作品だったのかとか。ポニーテールにホットマンツに網タイツのくノ一は1963年の「真田風雲録」からかとか。
大河ドラマについては、初期作品からの特徴を「豪華キャスト」「ただし重要な役に新人を抜擢」「歴史の再検証」「現代と照らしあわせる」と説明。なるほど、最近の作品で「大河らしくない」とか言われがちなパターンって、実は最初期からの特徴なのか。
そして最後の第5部は「チャンバラの愉しみ」と題して、「殺陣はプロレスである」「ラブシーンとしての決闘」「殺陣の入口としての『ガンダム』」という具合に、チャンバラ時代劇の愉しみ方を、これでもかというまでに語り尽くす。さらにはその勢いをかって、巻末インタビューで富野由悠季監督と語りあう。
というわけで、時代劇をあまり見ていない人にも、時代劇の好きな人にも、「面白さ語り」の本として面白いと思う。
「トラックドライバーにも言わせて」
新潮社 (2020-03-13T00:00:01Z)
¥836
大型トラックというと一般運転者にはあまり近寄りたくない印象があるし、路駐や、“中身”入りペットボトルなど周囲に迷惑をかける行動もある。そういった印象や問題について、トラック運転手側からそうなる背景を語っている本。方向性としては「迷惑かけて申しわけないけど、ホント大変なんですよ」というところ。ちなみに著者は、留学を予定していた大学卒業の直前に父親が倒れて家業の工場を継ぎ、経営のかたわら自ら大型トラックのハンドルを握って働き、後に工場を畳んだという経歴の人だとか。
事情というのはたとえば、想像以上に大きい死角や、渋滞をノロノロ進む事情、エンジンをかけたままハンドルに足を上げて休憩する理由、眠気や尿意との戦いなど。
一方で世の中で物流のニーズと厳しさはどんどん増していく。一般消費者は神様、荷主は閻魔様と。
さらに、2019年9月に横浜市神奈川区で起きた京急踏切脱線事故について、複数回の現場検証や、同業のトラッカーの証言から、複合的な原因を探る。
「新仮面ライダーSPIRITS」25巻
講談社 (2020-04-16T00:00:01Z)
¥726
スカイライダーは、航空自衛隊精鋭の生き残りパイロットの助けを借りて、重力低減装置を受け取って成層圏へ。
だからちゃんと……普通に帰ってくるよ
阿修羅谷では、やられキャラかと思われたヒデが活躍。
Nautilusスクリプトのシェルスクリプトでファイル名を受け取る
GNOMEのファイルマネージャーであるNautilus(ファイル)には、Nautilusスクリプトという仕組みがあります。Nautilusスクリプトを使うと、コンテキストメニュー(右クリックメニュー)から、Nautilus上で選択している1つまたは複数のファイル名を参照して、コマンドを実行できます。
このNautilusスクリプトをシェルスクリプトで作る場合を考えます。題材としては、xzコマンドを1度だけ実行して、全ファイルを引数で渡す場合とします。なお、ファイル1つごとにxzコマンドを実行するものではありません(実用上はそれで問題ないのですが)。
ファイル名の受け取り方
ファイル名のリストは、環境変数NAUTILUS_SCRIPT_SELECTED_FILE_PATHSで、1行1ファイル名の形式で渡されます。そのため、素朴な実装としては、次のように書けます。
#/bin/sh
xz $NAUTILUS_SCRIPT_SELECTED_FILE_PATHS
ただし、ファイル名に空白などが入っていると、そこで別の引数に区切られてしまいます。いやー、IFSとかで引数展開の区切りを指定できて、"$@"形式で展開できるといいんですが。たとえばこんな感じにできれば。
#/bin/sh
IFS='
' set -- $NAUTILUS_SCRIPT_SELECTED_FILE_PATHS
xz "$@" # これはうまくいかない
Bashの機能を使うのであれば、配列を使って書けるんですが。
#/bin/bash
mapfile -t ary <<<"$NAUTILUS_SCRIPT_SELECTED_FILE_PATHS"
xz "${ary[@]}"
まあこれ以上はPythonとかを使ったほうがいいでしょうね。
@satoh_fumiyasuさんの解
てなことをTwitterでつぶやいたら、@satoh_fumiyasuさんがシェルで実現する解を考えてくれました。
もうちょいマシな感じに実装。英語わからん。https://t.co/Lc9kBS6Clz
— ふみやす@シェルまおう(自称でない) FGO:838,149,789 (@satoh_fumiyasu) April 23, 2020
ざっくりいうと、ラッパー関数を作り、それを呼び出すときにIFSを指定する方法ですね。
「日経Linux」2020年3月号
日経BP (2020-02-07T00:00:01Z)
¥1,830
これの次号がすでに出ているけど、通読メモとして。
特集1が、「6コース×3ステップで学ぶ Linux超入門」。コース1が「Ubuntu」で、インストールや初期設定、コマンド入門。コース2が「アプリ活用」で、最初からインストールされるアプリの紹介や、追加方法。コース3が「Python」で、AnacondaでPythonやJupyter Notebookを使えるようにし、基本構文や基本的なデータ操作を解説する。コース4が「電子耕作」で、EtcherからRaspberry PiにRaspbianをインストールし、ブレッドボードに組んだ温湿度センサーから情報を読み取る。コース5が「AI」で、IBMのMAX(Model Asset Exchange)からDockerコンテナのモデルを実行する。コース6が「サーバー」で、WireGuardのVPNサーバーを立てて使う。
特集2が「ラズパイ4のすべて」。Part 1では、11月に日本で販売開始されたRaspberry Pi 4 Model Bを紹介し、マルチディスプレイやベンチマークをテストして、熱問題も検証する。Part 2はそれを受けて、熱対策や、ファームウェア破壊の修理、EDID問題で画面が映らない場合の対策、ACアダプター問題について。Part 3ではさらに、さまざまな熱対策を実験。Part 4が、Ubuntu 19.10をインストールし、デスクトップ環境を導入して日本語化し、GPIOやi2cなどの権限を変更、Raspbianのuserlandをインストール、さらにSSDから起動できるようにする。
特集3が「Windows 7 >>> LInux OS換装テクニック」で、Part 1が、WindowsやmacOSに似た画面テーマのFerenOSを2013年モデルのLavie Z PC-LZ650NSSにインストールし、Transfer Toolでデータを移行する。Part 2が、Ubuntu Serverを2012年モデルのコンパクトPCのEndeavor ST160Eにインストールし、Docker+Portainerで、WordpressやNextcloudを立てる。
特集4が、なかば連載の「ラズパイで楽しむLinuxライフ」。Raspberry Pi 4BのRaspbianにVS Code(VSCodium)をインストールし、Python拡張ms-python.pythonを追加、Windows 10のVS Codeからリモート開発する。
まつもとゆきひろ氏の「プログラマのこだわり」連載が、アンガーマネジメントをテーマとして「気分を重視」というポリシーについて。氏がしばしば挙げる「バベル17」を“言語の精神への影響”としてRubyの原点とし、Rubyのポリシーを「人間にフォーカス」「気分を重視」と。そして、コミュニティー運営などにアンガーマネジメントについて、宗教家でもある氏が語る。
「ハード&ソフトをちょい足し! 新しいラズパイの遊び方」連載が、さまざまなI2S DACのHATの紹介と、国内発売されたRaspberry Pi 4B自体をAmazon Music Unlimited HD対応のUSB DAC化する方法。
「PCとラズパイ両対応 ゆっくり学ぶLinuxの使い方」連載が、標準的に使われるGUIアプリケーションの紹介と、パッケージのインストール、ランチャーへの登録。「Linux 100%活用ガイド」連載が、シェルスクリプト入門で、実行方法まわりを中心に。LinuC/LPIC連載が、vim入門その1。カーネル新機能連載が、NVMeの温度監視機能。
巻頭Linuxレポートが、Wine 5.0、Canonicalの仮想マシン管理ツールMultipass。世界のディストロ連載が、Windows風UIやスマホ連携機能のZorin OS。フリーソフト連載が、中央ストレージを介さないでインターネット経由でPCやスマートフォンのファイルを同期するSyncthing、ChromecastにLinux上のアプリの画面を表示するMKchromecast。
みんな大好き「#!シス管系女子Season6」が、bgとdisownによりログアウトしてもプログラムを動かし続ける方法。tmuxを使っているならreptyrとかも便利ですね。そしていきなり1ページ目から大野先輩のさりげないボケw
別冊付録が、過去の特集(フリーソフト96本)に前置き(定番23本)を加えた「Linuxフリーソフト119本 使い方大事典」。私が書いたものも入っていました。96本を列挙しておくと、WallpaperDownloader、Cairo-Dock、Conky、GNOME Tweaks、ranger、cfiles、Déjà Dup、TimeShift、GParted、dutree、Terminator、Byobu、CopyQ、QRencode、aria2c、Makagiga、Peek、ibus-skk、Ramme、Dropbox extension for Nautilus、Chromium、Vivaldi、Falkon、Midori Web Browser、KeePassXC、Bitwarden、Buttercup、Endpass、pass、Slack、Mattermost Desktop、Telegram Desktop、Simplenote、Joplin、Notable、Mailspring、Google Play Music Dektop Player、Spotify、Audacious、Climentine Music Player、cmus、EasyTag、Ardour、Shotwell、Geeqie、Pinta、Inkscape、ImageMagick、Exiv2、Pick、VLC media player、Kodi、KDenlive、Shotcut、HandBrake、OBS Studio、V4L2ユーティリティー、Motion、micro、Pluma、vim、Atom、uberWriter、AbiWord、Gnumeric、Scribus、Freeplane、MuseScore、nkf、Okular、aobook、MComix、poppler-utils、cpdf、PDF Mix Tool、wkhtmltopdf、forked-daapd、Rygel、Nextcloud、LogicalDOC、Mosh、Gufw、OSQuery、Zabbix、Cockpit、Wireshark、FileZilla、ncftp、sshfs、Eclipse、Visual Studio Code、PyCharm CE、Docker CE、VirtualBox、Fritzing、FreeCAD。