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読書やコンピュータなどに関するメモ

lessで.odtや.docxを表示できるようにする

 TwitterでLibreOffice日本語チームが、ODFを「soffice --cat」でテキスト表示するというワザを紹介していました。

 --convert-toとかは知っていましたが、--catは知りませんでした。

 さっそくlessコマンドに仕込んでみます。

 多くのLinuxディストロではデフォルト設定で、lessにlesspipeを組み合わせるようになっています。たとえばlessに.pdfが与えられたらテキストにしてlessで表示、.zipや.tar.xzが与えられたらファイル一覧をlessで表示、という具合です。

 このlesspipeを個人的に拡張するには、~/.lessfilterというシェルスクリプトのファイルを作り、フィルター処理を書きます。

case `echo "$1" | tr '[:upper:]' '[:lower:]'` in
        *.odt|*.docx|*.doc)
                if [ -x "$(command -v soffice)" ]; then soffice --cat "$1";
                else echo "No LibreOffice or OpenOffice available"; fi ;;
        *)
                exit 1;;
esac

exit 0

 目的のファイル名だったら処理してexit 0することでlesspipe処理を終了、それ以外のファイル名だったらexit 1することで通常のlesspipe処理にフォールバック、という内容です。lesspipeの内容を参考にして(枠組をコピペして)書きました。

 ~/.lessfilterには実行権をつけておきます。

$ chmod +x ~/.lessfilter

 これで、メールで送られてきた.docxファイルも、さっとlessで確認できるようになりました。

$ less foo.docx

 めでたしめでたし。

「Q.E.D. iff」12巻、「C.M.B.」40巻、「奇科学島の記憶」

 同じ作者による人気ミステリーコミックの最新刊が、今回も2冊同時発売された。さらに、ミステリー小説「捕まえたもん勝ち!」第3弾の「奇科学島の記憶」も同時発売となっている。

 以下、ネタバレに気をつけているつもりだけど、未読の方は念のためご注意を。

 「Q.E.D. iff」12巻は、「いい奴」と「再生の時」を収録している。

 「いい奴」は、シリアでテロ組織に誘拐されたお人好しジャーナリストを救出する話だ。3つの交渉窓口の意味と、それによって起こる騒動、そしてその駆け引き。それ以上に、「世の中にはなぜか戦争に惹きつけられる奴がいるんだ」のエピソードが静かにシリアスだ。あとゴツいイタリア人(シチリア人)に言うことを聞いてもらう切り札は、やっぱりアレ(笑)

 「再生の時」は、脅迫で金を取ろうとしていたブラックジャーナリスト(奇しくもタイムリーなネタだ)の殺害事件を、17年前の事件にからめて解く。殺害トリックはやや乱暴なのだけど、トリックの要はそれよりもあの手品みたいなネタで、さらにキーになるのが(以下略)。そして切ない結末。

 「C.M.B.」40巻は、「奇跡の神殿」「五月蠅い殺し屋」「イパネマの娘」「ボトルシップ」の4編を収録している。

 自分の好みでいうと「五月蠅い殺し屋」がよかった。ドジな自称殺し屋のドタバタコメディなんだけど、その騒ぎの裏で本当の殺人事件が起きる話。

 「奇跡の神殿」は、瀕死の病の少年が何故か救われたシヴァ神殿の秘密を、無謀な学者グループと森羅君たちが対立しながら追う。生存者バイアスって怖いね。

 「イパネマの娘」は、ブラジルで強盗に遭った御曹司が、現地の女性に助けられる話。ちょっと赤毛連盟っぽい。

 「ボトルシップ」は、マルタで隠棲のような生活をする富豪の殺害事件について、売り込みにきていた3人の野心的なプライベートバンカーたちの誰が犯人かを探す話だ。3人3様のキャラや動機から、1つの解を導き出す。

 「捕まえたもん勝ち!」第3弾の「奇科学島の記憶」は、伊豆諸島の小島での旧家にまつわる連続殺人を、キックとアンコウが解く小説だ。アンコウは前作と同じく、メールでの登場が多い。

 オビにいわく「見立て孤島不可能因習連続殺人……あと他色々ミステリ」。その横ではQ.E.D.の水原さんが「いやー詰め込んだね」と笑っている。

 そもそも密室殺人とか見立て殺人とかってミステリーによく出るけど、なんでそんな悪目立ちすることを犯人がするのか、というのは昔からしばしば言われる。ややチラ見せすると、本書ではそういう派手さこそが最大のトリックだ。

 あと、個別のトリックにおいては、トリッキーに見えるものが簡単で、簡単そうに見えるものがトリッキーというのも工夫されている。

 本書では、Q.E.D.などでもよく出てくる、一度立てた仮説を自ら棄却してみせる展開も見せる。そして初期Q.E.D.を思わせる切ない結末。

「元号って何だ?」

 平成までの247個の元号(南北朝でのダブりなどを含む)とその改元について、おもしろエピソードを紹介している本だ。「「日本の伝統」の正体」「「日本の伝統」という幻想」の藤井青銅氏による。

 たとえば改元の理由の類型として最初に「亀改元」(著者命名)を紹介している。珍しい亀が出現したことを理由に改元するというものだが、奈良時代に集中していていたり、その現象はちょっと無理があるのではないだろうかとツッコんでいる。

 そのほかの類型も「メルヘン改元」「おいしい水改元」「お宝改元」「イチャモン改元」という具合にネタにしている。

 真面目なところでは、ちょっと歴史をかじると出てくる「辛酉改元」や「甲子改元」があり、これを実行するかどうかにもその時の社会や政治体制などの状況によって違うという。それも含めて、公家と武家の権力のかけひきが改元に影響する。

 散発的に情報を集めた豆知識本という感じではなく、おもしろネタを紹介するというスタンスっぽくて、面白く読んだ。

「日経Linux」2019年1月号

日経Linux 2019年 1 月号
日経Linux 2019年 1 月号
posted with amazlet at 19.02.04

日経BP社 (2018-12-07)

 次号がもうすぐ出るけど、通読メモとして。

 特集1が、周辺機器と組み合わせる「USBメモリー、Webカメラ、マイク&スピーカー、グラボ Linuxマシンをトコトン遊び尽くす」。パート1が「OSやアプリも収録して持ち歩ける」。UbuntuをunetbootinでUSBメモリーに入れる方法や、ChromiumOSのCloudReadyをUSBメモリーに入れてセットアップする方法、アプリケーションをAppImageから実行する方法、USBメモリーをログイン認証に使う方法を解説する。

 パート2が「家の様子をWebやメールで確認」で、Webカメラ+Cheeseで家の様子を見たり、Motionで動体検知して不審者を検知したり。パート3が「顔認証のセンサーとして使う」で、Webカメラ+Enable Viacamで顔の動きをマウスがわりにしたり、howdyで顔認証によりログインやsudoの認証をしたりする。

 パート4が「音声指示で動画も長せるAIスピーカー」。構築編が、UbuntuにAVS Device SDKを入れてAlexaに接続する。応用編が、UbuntuからAlexa→IFTTT→BeebottleとつないでUbuntuスクリプトを実行する。

 パート5「4K動画をラクラク再生」は、2011年モデルのPCに9000円台のグラフイクカードを追加して4K動画対応、ただしYouTubeの4Kはコーデックの問題で対応できず。パート6「深層学習の認識速度が5倍に」は、GeForceにCUDAとcuDNNを入れてTensorFlowを動かすのだけど、やっぱりこのあたりはOSも含めた各ソフトウェアのバージョン合わせが大変だなあ。

 特集2が「Ubuntu 18.10丸わかりガイド」。Part 1が「写真で見る新デスクトップ」で、デフォルトの新テーマ「Yaru」がらみの違いを画像で紹介している。Part 2が「インストール方法と初期設定」で、付属ディスクから起動してインストールする様子を図解で解説している。

 Part 3が「安全・確実に移行するためのQ&A」で、安全に振るなら18.04 LTSでということになるようだ。

 Part 4が「18.10で新しくなった点を徹底解説」。指紋認証、Ubuntuソフトウェアでのsnapパッケージの扱いの違い、スマホ連携のGSConnect、Network ManagerのOpenVPNプラグイン、LibreOffice 6.1、カーネル4.18、GNOME 3.30など。

 Part 5が「全7種のデスクトップ&機能を解説」で、Lubuntu(18.10でLXQtに、日本語化方法も)、Ubuntu MATE、Ubuntu Budgie(日本語化方法も)、Xubuntu、Ubuntu Studio、Kubuntu、Ubuntu Kylinを紹介。

 特集3が、GoogleのRaspberry Pi工作キットを使った「Google自作カメラ&スピーカーを使い倒す」。Part 1が、Google AIY Vision Kitを使い、ディープラーニングによる画像認識でじゃんけんをする。Part 2が、Google AIY Voice Kit V2を使い、ボイスコマンドによってPWMとサーボモーターを制御して歌って踊らせる。

 特集4が「ラズパイで楽しむLinuxライフ Nextclodのファイル共有を使いこなそう」で、Raspberry Pi 3 Model B+にNextcloudをインストールして初期設定し、Web UIやWebDAVでアクセスする。

 新連載「ハード&ソフトをちょい足し! 新しいラズパイの遊び方」第1回も、Raspbery Pi+Nextcloudの話。こちらは、専用Linuxディストリビューション「NextCloudPi」をインストールし、LVM2で使われていたディスクをマウントして使う。

 もう1つの新連載がLinuC/LPIC向けの「基礎からわかるLinuxコマンド」。第1回が、pwd、uname、exit、echo、man、help、unset、set。

 「ラズパイで学ぶ画像認識超入門」連載が、OpenCVのテンプレートマッチング、特徴点による画像認識、機械学習による画像認識を説明。さらに、IBMのWatson Visual RecognitionとMicrosoftのAzure Computer Vison APIという2つのWeb APIも紹介している。jl

 まつもとゆきひろ氏の「プログラマのこだわり」連載が、国際カンファレンスについて。初期の経験を語ったあと、各種の国際Rubyカンファレンスを紹介、さらに海外カンファレンス参加ガイドまで。

 「Linux 100%活用ガイド」連載が、GNOME Shell Extension(拡張機能)のインストール方法と、おすすめ拡張機能のAuto Move Windows、Workspaces to Dock、Caffeine、Removable Drive Menu、Clipboard Indicator、Transparent Window Moving、Text Translator、Bluetooth quick connectの紹介。

 「Linuxで旧型PCを復活! 改二」連載が、Nexus 5にUbuntu Touchをインストールし、コンバージェンス機能まで使う。カーネル新機能連載が、可変長配列の問題と、その削除が4.16から始まって4.20で完了した話。

 巻頭レポートが、「みんなのラズバイコンテスト」結果レポートと、Fedora 29リリースをモジュラリティーの解説中心に。巻頭ニュースにはRed HatのRHEL責任者のStefanie Chiras氏のインタビューもあり。世界のLinuxディストロ連載が、アプリケーションコンテナー「Easy Container」を備えた軽量ディストロ「EasyOS」。フリーソフト連載が、Markdownでプレゼンを作成するMarpと、音声ファイル変換GUIツールのSoundCOnverter。

 みんな大好き「#!シス管系女子Season6」が、grep結果の色付けの続編で、“--color=always”でlessに渡す話。漫才だ……

 別冊付録も、ラズパイマガジンから抜粋した「はじめてのラズパイ&電子工作入門ブック」。第1章は、Raspberry Pi 3 Model B+を中心とした各モデルの紹介や、買い方、周辺機器に始まり、GPIO Header、microSDへのOSインストール、操作の基本。第2章が初心者のためのサーバー構築で、サービスの操作、IPアドレスの設定、sshd設定、ntpの設定、unattended-upgradesによる自動アップデート、Sambaによるファイルサーバー構築、Apache httpdによるWebサーバー構築、PostgreSQLによるDBサーバー構築、dnsmasq+hostapdによる無線LANルーター構築、systemdによるサービスとログの管理。第3章がラズパイZero徹底活用で、Sambaによるファイルサーバーや、ffmpeg+nginxによる動画配信サーバー、Bluetoothの接続設定、Bluetoothスピーカー化、Node-REDとIBM Cloudによる翻訳APIの利用。第4章がラズパイ工作入門で、LEDやモーターの基礎から、GPIOでの制御、I2Cでの制御。

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