「本当にあった紛らわしい文字」をEmacsで検知する
1年前に、「本当にあった紛らわしい文字」というエントリーで、テキストに康煕部首やCJK部首補助などがまぎれこむ問題について書きました。
私はEmacsでテキストをいじることが多いので、この問題に、mojiwarn-modeというマイナーモードを自作して対応しています。シンタックスハイライトの機能を使ってリアルタイムに該当文字の色を変える、単純なプログラム(というかほぼ設定)です。
対象となるのは、「本当にあった紛らわしい文字」で紹介した、康煕部首、CJK部首補助、縦書き用句読点、NFDの濁点と半濁点です。また、ゼロ幅スペースなどの“見えない文字”は、16進表示の四角が表示されるようにしています。
そのほかついでに、全角英数字と、「THe」のような二重キャピタライズも対象にしています。後者は、Wordのオートコレクト設定で「2文字目を小文字にする」とある奴で、勝手に直されると困るけど(「IPv6」「VMwre」「SDGs」とか)、文字色で警告するぐらいなら有用かなと。
自分以外の人の役に立つとは思いませんが、いちおうブログに書いておきます。
「日経Linux」2024年1月号(最終号)
コンピュータ雑誌「日経Linux」の休刊が残念ながら決まり、その最終号が12月8日に発売されたので、執筆者として宣伝しておきます。
最終号記念の内容としては、別冊付録に創刊号からの全号の表紙と目次が載っています。あと、巻末の執筆者後記には、この号に書いた方もそうでない方も、さまざまなレギュラー執筆者からのメッセージが集められています。
あと、まつもとゆきひろ氏の連載エッセイと、マンガ「#!シス管系女子」は、「日経ソフトウェア」で連載が続くそうです。
特集1は、これが最後ということで「Linuxのすべて254」。「使いこなしワザ100」「 厳選フリーソフト100」「お薦めディストリ54」の3パートに分かれて、1ページにいくつかのネタを入れる形式で、いろいろ紹介しています。ちなみに私も少しだけ書きました。
そのほか、AIの記事や連載記事など載っています。気になる方は、ぜひ売り切れる前にお買い求めを。
「宇宙人と出会う前に読む本 全宇宙で共通の教養を身につけよう」
高水 裕一(著)
天の川銀河系の中のどこかの宇宙にある「惑星際宇宙ステーション」で、ほかの星系から来た人に「あなたはどこから来たのですか?」と聞かれて何と答えるか。「地球から」と言っても、海外で「○○県から」と答えるようなもの、さてどうする。そんなシーンから始まる、フィクション形式で語られる科学啓蒙書だ。
本書全体としては、日常の常識が通用しない宇宙や物理学の姿を、物語の形をとることで“別の常識”としてイメージできるよう解説するのがテーマとなっている。そうしたポイントでいうと、私がいちばん面白かったのが、連星の惑星のカレンダーかな。
科学としての題材としては、宇宙での位置、元素、連星、物理の4つの力、ダークエネルギー、ダークマター、宇宙の始まり、左右対象、自然数が取り上げられている。
著者はホーキング博士にも師事した現役物理学者で、そのせいかジョージ・ガモフの「不思議の国のトムキンス」っぽい印象を持った。昔ブルーバックスでこういうのがいくつかあったように思うし、著者さんも子供時代にこういう科学読み物を読んで物理学者になったんだろうなと思った。
まあ、著者さんも自分で書いているように、ほかの星の人が腕時計をしているといった、ご都合主義的な設定はいろいろある。けど、そこはご愛嬌というか、日常と違う部分を解説するためには、ほかの部分はそのぐらいでいいと思う。
なお本書は最近TVのバラエティ番組で紹介されたらしい。その番組は見てないけど、その影響のせいか、私も最近どこかで本書の評判を見て、手に取ってみた。私のように、ブルーバックスなどの軽妙系の科学啓蒙書が好きな人は、楽しめると思う。
Linux上のVMware Workstation ProでゲストOSが異常に重くなる問題の解決
今年知ったTipsを今年のうちに棚卸しとしてメモしておきます。
私はOS環境の実験環境を動かすときに、VMware Workstation Proを使っています。ホストOSはLinux(Ubuntu)です。
ただ、ここ何年か、ゲストOSの動作がときどき異常に重くなる症状を抱えていました。
調べてみると、ホストOSのLinuxカーネルのproactive compatcion機能(メモリのデフラグのようなもの)との組み合わせで起こるようです。
これを参考に、カーネルパラメータvm.compaction_proactiveness(procfsでは/proc/sys/vm/compaction_proactiveness)に“0”を書き込んでやります。
$ sudo sysctl -w 'vm.compaction_proactiveness=0'
私はこれで症状が解決しました。
なお、永続化するほどでもないので、VMware Workstation Proを使う前に手で実行しています。