「鎌倉幕府抗争史」
鎌倉時代初期、源頼朝の死から伊賀氏の乱までの、中世にしても内紛と内戦が突出して多い時期について、細川重男氏が経年式で解説する新書。
大河ドラマ「鎌倉殿の13人」を観る参考に読んだので、その観点で面白かったポイントを拾ってみる。
- 北条時政は、有能だが単純で気の良い田舎豪族の親父
- 北条義時の政治行動には矛盾がある。不可解と言っても良いほど
- 強硬策を実行する一方で、時政追放後も政所執権別当に就かなかった
- 北条義時は和田合戦の後で執権に就く
- 和田義盛の就いていた侍所別当に就任
- 政所別当と侍所別当を兼任した地位が、これ以降、執権と呼ばれる
- 北条時政の執権とは別物
- 北条政子の薨去の1か月前に大江広元が没した
- 伊賀氏の変の後、北条泰時は伊賀氏を赦免した
- 著者は、戦いの連鎖を断ち切り、殺し合いの時代を終わらせるだったと考える
- 中世の武士の倫理観は「兵 の道」
- 司馬遷が記した任侠の徒や、マフィアのファミリーと同じ
- ただし、行動規範と実態に乖離があることも古今東西で共通
- 武士の実態は、本書のとおり
なお、中世国家論で学会を二分する権門体制論 vs. 東国国家論については、著者は権門体制論の立場とのこと。
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