「コスモス・エンド」
35年ぐらい前の少年ジャンプで、恒星間宇宙船やブラックホールをテーマにした本格SFマンガが連載されていたなあとふと思い出して、調べてみたら本書がそれらしいようだった。で、ネットで古本を購入して読んでみたら、記憶にあったのはまさに本書だった。オリジナルで2冊、再編集本で1冊におさまっている。
今読んでも面白い。100年前の恒星間宇宙船が漂流しているのが発見され、宇宙基地「ミッドガルド」に曳航され、一人だけ生き残った乗組員が銀河系全体の危機を伝えて死亡する。しかもなぜか主人公を知っているらしい。
これを受けて探査船「イグドラジール」が、銀河の中心にある巨大ブラックホール「ギンヌンガ・ガップ」に向けて旅立つ。そこには宇宙やら船内やらに謎の現象が相次ぎ……という話。
このように、銀河の危機の話と、北欧神話っぽいネーミングが、十代の心をくすぐったのであった。銀河の中心にブラックホールがあるという説は、現在では定着しているけど、当時はまだ走りだったらしい。作者さんもあとがきで、付着円盤(降着円盤)をマンガに登場させたのは世界初じゃないかと書いている。
なんというか、昔のSFだなあという雰囲気だけど、それが嫌いでなければむしろ正統的に感じる。本書が書かれたのは、だいたいJ.P. ホーガンの「巨人たちの星」シリーズぐらいの時期だったり、参考文献にカール・セーガン「コスモス(宇宙)」が挙げられていたりで、そうそうあの時代だよなあと。
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