近況報告
夏季休暇はひたすら、裏山で過ごした。
先日行った熊野古道ハイクで自分の体力のなさを痛感して以来、暇があれば裏山を登っている。標高500mにも満たない低山ではあるが、180段程度の階段や急斜面の場所もあり、トレーニングには適した山だ。最初は普通に登っていたのだが、それにも慣れたので、今は登りは走らない程度の早歩き、下りは見様見真似のトレイルランで駆け下るようになった。最近買ったばかりの登山靴ではあったが重くて用途に合わないので、あらためてトレランシューズも買った。
私事ではあるが、僕は今まで運動が大っ嫌いだった。
運動神経が悪い事も理由ではあったが、一番の原因は子供の頃隣に住んでいた同級生T君にあった。このT君は勉強をさせても運動をさせても成績優秀で、特に運動にかけては100m走もマラソン大会でも常に学年トップの成績を修める奴だった。僕が5歳の頃からスイミングスクールに通っていたことで、唯一得意としていた水泳ですら、T君は習ってもいないのに僕より早く華麗に泳ぐのを見て落胆したことを今でも覚えている。
親同士仲が良かったこともあって、彼とは一緒の時間を長く過ごしたが、何をするにも比べられ、彼に何一つ勝てない僕は、勉強も運動も嫌になってしまった時期があった。勝てないことで自信を失い、運動することに対する嫌悪感はそこで生まれたといっても過言ではない。
今、山登りを通して、運動することの楽しさを実感している。始めたころは裏山の山頂まで2~3回の休憩を挟まないと登れなかったのに、今は、息も絶え絶えではあるけれどスピードハイクで休憩を挟まず登りきる事が出来るようになった。そして何度見ても山頂から見る僕の街は綺麗だ。下りは駆け下るのでTOTALすると30分以下で終わる。日々の体幹トレーニングの継続で下りも安定した足取りで下れている感じがする。やってみて思ったのだが、木の根や浮石、ごつごつした山肌を、足さばきでリズミカルにうまく超えていけるととても気持ち良い。それなりにスピードが出て軽快だ。これは病みつきになる。
その後も体力に余裕がある事から、心肺機能が上がっていることを実感している。こうなると嬉しくてたまらなくなって、最近ではさらなる身体機能の向上を目指してジョギングも始めた。心なしか姿勢が良くなって、下肢の特に腓腹筋が固くなってきたように思う。
どうしてこんな素晴らしいことを避けてきたのだろう、どうして他人と競争することばかり強いて、大切な運動することの楽しさを誰も教えてくれなかったのだろう、今はそう思う。
今の目標はとりあえず、熊野古道でも高島トレイルでも、京都トレイルでも何でもいい。体を鍛えて最後まで歩ききることを目標に頑張っている。