山霧
OLYMPUS OM-D EM-1/M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO
長野・高山村 山田牧場付近 2016.7
オートバイで写真を撮る為に購入したOM-Dと、一緒に購入した12-40ミリ、40-150ミリがすごく使い易くて、それ以外でも使う頻度が多くなった。そのおかげで殆ど出番がなくなったフィルムカメラ達。
ここ数年はずっと防湿庫で眠っていたのだけど、5月に能登半島を旅した際、どうしてもフィルムの質感が欲しくなって、久しぶりに持ち出した。
2台のフィルムカメラに単焦点レンズを1本ずつ付けて、旅すがら思い思いにシャッターを切った。
この天邪鬼ともいえる思いつきは正解で、何枚かすごく気に入った写真が撮れた。
この写真もその1枚。
Leica M6/Voigtländer NOKTON Classic35mmF1.4
デジタルの進歩に反比例するかのようにフィルムは衰退し、もはや優劣を語る事もなくなったが、フィルムでデジタルのよう緻密な画が撮れないように、デジタルでは撮れないフィルムの写り過ぎない素朴な画というものがある。(と思う。)
合計4本のフィルムを消費したが、4本目がまだ少し残っていて、全ての写真が揃うまでには、もうしばらく時間がかかりそうだ。
この、撮った写真を現像から仕上がってくるまでワクワクしながら待つ時間も、フィルムならでは、だ。
梅雨入り前にもう一度キャンプがしたいと思い、キャンプツーリングに出かけた。
予定外のカブで。
予定外と言うのは、本当はBMWで行くつもりだったのが、そのBMWがツーリング目前にレギュレーターの故障で不動になってしまったからだ。
カブ自体も30000km走ってチェーンが伸びきっているので、急遽交換してのツーリングとなった。
出発当日。
フロントキャリアとリアキャリアに沢山の荷物を括り付けたカブのスタンドを下ろしシートに跨る。
どんよりとした空を見上げながら、「雨が降らないだけましか。」と、キックペダルに足をかけ、勢いよく踏み込む。
ブワーン!! パン、パン、パン・・・。
早朝の駐輪場でキャプトンマフラーのように歯切れの良い音が響く。
「あれ?こんな良い音してたっけな?」とマフラーを見ると、メインパイプの部分に母指大に開いた穴を発見。
前からひび割れていた場所ではあったけど、たぶんダート走行とかやっているうちにひび割れが大きくなってしまったのだろう。
レギュレーターの故障に、バッテリーの交換(過充電でこちらもダメになってしまった。)に加え、チェーン交換、マフラー交換まで余儀なくされて、懐がかなり痛い状況。
本当の事言うと、10年くらい使っているソロ用テントのポールが折れてしまったので、こちらを買い替えるつもりだったんだけど、これは随分先の話になりそうだ・・・。
5月のある日曜日。
絶賛婚活中の幼馴染と、滋賀県の長浜までサイクリングに行ってきた。
ちょっと変わった僕の幼馴染は、久しぶりに電話してきたかと思うと唐突に「何かいい趣味ってない?」なんて聞くものだから、僕は適当に「自転車なんかええんちゃう?」と答えた。自転車は、自分がいつかランドナーを買ってツーリングしてみたいと思っていたからなんだけど、その幼馴染は「ふ~ん。」と興味なさげなリアクションを返した後、他愛ない話をして電話を切った。
その1週間後、再び彼から電話があって、自転車を買ったのでサイクリングに連れて行けと言われた。
お互いの予定を合わせてのサイクリング当日。
僕が自宅前で長男から借りた折り畳み自転車を車に積み込んでいると、彼は本格的なロードバイクに乗ってやってきた。まさかそこまでの自転車に乗るとは思っていなかったので面喰ってしまった。値段を聞いて更にビックリ。
「よくもいきなりそんな高い自転車買えたな。」と言うと、「お前が自転車がええっていうたんやん。」と平然と返す。
「人がええいうたからって、ろくに調べんとそんな高い自転車買うか?ちゅうか趣味って人に聞いて始めるもんか?」と呆れたものの、まぁ、どっぷりはまれば、身体にも良いし、もとは取れるかと思った。
2人してペダルを漕ぎだすと、ロードバイクと折り畳み自転車の差は歴然。
僕が3回ペダルを漕ぐ間に彼は1度漕ぐだけで、すーっと前に進む感じ。距離が伸びるにつれ、僕は汗だくになっているのに彼はずっと涼しい顔でペダルを漕いでいる。
・・・とかなりどうでもいい話で前置きが長くなってしまったが、涼しい顔の彼をよそに、這う這うの体でたどり着いた先が、長浜にある中島屋食堂。
昭和20年に建てられて以来、ほとんど改装されない状態で現在に至る、老舗中の老舗だ。
そのレトロな外観に惹かれて訪れる客も多いのだとか。
勿論店内も、美空ひばりのポスターや、昔懐かしい感じの看板があちらこちらにかかっていて、昭和にタイムスリップした錯覚に陥る事請け合い。
メニューはそんなに多くなくて、うどん類とどんぶり系。
僕は天ぷらうどんとびわマスのにぎりセットを注文したのだけど、味は至極あっさり。男性には少し物足りないかも。
びわマスは、サーモンのような色合いで脂がのっていてとても美味しかったです。できればもう少し量があるとよかったかなぁ。
常連客らしき男性が「やっぱここのヨモギうどんはいつ食べても美味しいね。」と言っているのが聞こえて、「ここはヨモギうどんだったか。」とちょっぴり後悔。
長浜の伝統的建造物群の街並みの中にあっても、一際目を惹く、この中島屋食堂。
一見の価値ありです。