旅とカメラとオートバイと

島根に行ってきました（1）

昨年、60年に一度の式年遷宮でにぎわった出雲大社。
参拝客も爆発的に増え、特に良縁祈願で遠方から参拝する女子が多かったそうで「出雲ガール」なんて言葉も生まれるくらいでした。

・・・実は僕も行ってました。出雲ボーイとして（良縁祈願が目的ではないですよ・笑）

その時に撮った一枚の写真を最後に、前回の「旅とカメラとオートバイ」を終了していましたので、今回はその続きをアップしていこうと思っています。



2013年5月のある休日に、オートバイに乗って出雲大社に行ってきました。
深夜帯のETC割引を利用するつもりでしたが、名神高速道路の集中工事にバッティングしてしまい、延々と下道を行く羽目になってしまったのです。
予定外でしたが、明け方少し前の空も地面も紫に染まる、美しい情景に遭遇した事は、とてもうれしかったです。

国道9号線、京丹波町付近にて。



田畑の畦道にたくさん咲いていたシロバナムシヨケギクです。





薄暗い峠道をいくつもいくつも越え西へ西へと走りました。関西方面から島根へ行くには国道9号線を鳥取にでて海沿いを行くのが最短ではありますが、ツーリングはどれだけ無駄な時間を作り楽しむことができるか、つまり「旅を演出できるか。」に尽きると思うので、あえて9号線は通りませんでした。

薄暗い峠道に僕のオートバイの音だけが響きます。やがて太陽が木々の隙間から顔を出しました。
おはようございます、今日も一日僕らを照らしてください。

丹波市と朝来市を結ぶ国道429号線で



途中で見かけたお地蔵様。この旅の安全祈願をしました。
穏やかな顔のお地蔵さんに見送られてその場を後にしました。

島根に行ってきました（2）



国道427号線から朝来市。
そこから内陸部を国道、県道を交えて、どんどん西へ西へと向かいます。いくつもの峠と集落を抜けていきます。

ある集落で見つけた雰囲気のいい酒屋さん前で休憩がてらに一枚。



主幹道路を選ばず、あえてマイナーなルートを選択するメリットは、交通量が少ない事がひとつ。
信号やペースの遅い車に、ペースを崩されることなく走り続けることができます。

それともう一つ。







こんな風に、のんびりと景色を愛でながら走ることができることです。（もちろん後続車や地元民の車の動向には常に注意が必要ですが。）
道路わきには様々な花が咲き乱れ、新緑の季節を感じることができました。

たぶん国道429号線（兵庫県千種町付近）にて

島根に行ってきました（3）



岡山県から津山市を抜け、勝山。
美作街道こと国道313号線は真庭市付近で旭川と並走することになりますが、その旭川を挟んで向かい側に勝山はあります。





勝山は古くからの土蔵や町屋、格子窓など古い景観が多く残ることから岡山県初の街並み保存地区に選定された町です。
保存地区にありがちなのですが、景観保存と言うよりは観光客を意識しすぎるきらいがあり、この勝山も例にもれず,
案内表示や店の幟が目立ちました。
僕は二度目の訪問になりますが、ちょっと気合が入りすぎと言うか、やりすぎ感が否めない・・・気がします。



ただ、この勝山で、僕は感動して唸ってしまったものもあります。それは・・・。



この造り酒屋辻本店の土蔵にある鏝絵です。鏝絵は豪商の富の象徴として作られるものですが、左官職人の職人芸と気合が伺える一品です。

これが見たいが為に、ちょっと寄り道、でした。

島根に行ってきました。（4）



国道313号線を米子に向かって北上します。と、途中で宿場町のような集落を発見しました。
標識には「新庄村」と書かれていました。





新庄村は出雲街道にあり、かつては宿場町として栄えたそうです。
先の勝山と似たような雰囲気でしたが、案内標識や店の幟は殆どなくて、静かでした。
それだけでなく、目抜き通りは綺麗に整備されており、とても美しい印象を受けました。

がいせん桜通りといって、街道の両脇に多くの桜の木が植えられているようで、春には美しい桜のトンネルが出現するそうです。





あまりに寄り道を繰り返したため、時間が無くなってきました。
仕方なく米子から山陰自動車道を使って、一気に出雲大社までワープです。（笑）

式年遷宮でにぎわう出雲大社は、平日でにも拘らず人人人・・・。
オートバイを駐車場において参拝しましたが、多くの参拝客の中、小汚いライダースを着て歩いているのは僕だけで、完全に浮いてました。

そんなわけで早々に参拝を済ませて、出雲大社を後にしました。
（長い時間をかけて到着したのに滞在時間はわずか30分ほどでした。）

島根に行ってきました。（5）



出雲大社から稲佐の浜、海岸線29号線より日御碕を目指します。



日御碕神社はパスして灯台へ。ちょうど日も傾き始めて、日本海の色が何ともドラマチックな色合いに染まっていきます。時間が遅い事もあって、観光客もまばらでした。



今晩のねぐらも決まってはいませんでしたが、何となく日御碕より海岸線を島根方面へ走りつづけました。
大社町鷺浦にて、間垣を発見。



鷺浦は島根県西端に位置する人口200人以下の小さな漁村ですが、昔は北前船が寄港し、にぎわいを見せていたそうです。集落は湾に沿って立ち並び、その中には商家もありました。



なまこ壁をバックに一枚。
島根ツーリングで一番心に残った場所はこの鷺浦でした。