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2023.9しまなみ&ゆめしま&とびしま海道をサイクリングしてきました。その0

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 昨年の9月初旬、僕は四国にいた。

 瀬戸大橋を渡って香川に入り、おなじみの讃岐うどんを食し(写真はお気に入りのなかむら。定番だけどやはりここは美味しいので外せない。)、腹ごなしに天空の神社と呼ばれる高屋神社を目指して山道を登り(本当は車で行けるはずだったんだけど、車道は通行止めになっていたので、30度を超える炎天下に山道を30分以上登る羽目になった。)、クールダウンにフルーツ屋さんのカフェ「原田商店」で桃のデザートを頬張った。(これが甘くてみずみずしくてめちゃ美味しかった!)

 最後に静かに綺麗な夕日でも拝もうかと、愛媛県の下灘駅まで行った。が、ついてびっくり、大勢の外国人の観光客で簡素な駅のホームは埋め尽くされ、一瞬ここが日本の田舎である事を忘れてしまいそうだった。旅情に浸るもクソもない状況で、ホントがっかりだった。円安の影響とはいえ、ここ昨今のオーバーツーリズムは本当におかしい。

 それはさておき、四国に何をしに行ったかというと・・・。

2023.9 しまなみ&ゆめしま&とびしま海道をサイクリングしてきました。その1へ続く。


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2023.9しまなみ&ゆめしま&とびしま海道をサイクリングしてきました。その2

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 弓削島、佐島、生名島、岩城島と上島町の島々を小柄な橋で結ぶ海道、「ゆめしま海道」。因島の土生港や家老渡港からすぐそこに見えている対岸へと数分のフェリー旅でたどり着くことができる。生口島の洲江港よりフェリーに乗船し、5分程度で岩城島の小漕港に到着。
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 フェリーが港に接岸する瞬間は、いつも旅の高揚感がましましだ。
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 とりあえずすべての島を回ろう、どう走っても迷いそうにないし、と気楽な気分で自転車のペダルを踏む。

 ゆめしま海道はしまなみ海道をコンパクトにしたような感じで、橋も小さいし、しまなみ海道ほど観光地化されていない。何よりも交通量も少なく、そのせいか信号がないのが快適だった。
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 岩城島→生名島→佐島→弓削島と順番に回っていく。途中、生名島のキャンプ場にチェックインして先にテント設営を済ませる。キャンプ場の管理人さんは非常に話しやすい人。退職後の移住組なんだそう。話が弾んでついついゆっくりしてしまった。

 荷を下ろして身軽になった自転車で、佐島、弓削島を目指す。どの島も非常にコンパクトでゆっくり漕いでもすぐに回れてしまう。
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 弓削島を反時計回りに一周。北岸線は結構急な登りで、滝汗ダラダラ、息も切れる。

 でも空は青くて、瀬戸内海はきらきら輝いて、道は独り占めで、もうなにもかもが最高ーだった。
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 日も暮れ始める。
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 弓削島のスーパーマーケットで夕食の買い物。何となくカレーの食材を買う。
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 何とか陽が落ちる前にキャンプ場に戻る事が出来た。

2023.9しまなみ&ゆめしま&とびしま海道をサイクリングしてきました。その3



 サウンド波間田キャンプ場で一泊。僕以外に外国人さんの男性カップルがいるだけ。シャワーを浴びてさっぱりして、備え付けのテーブルでカレーを作る。おなかは空いているけれど蒸しっとしているせいか食欲が今一つ。カレーは失敗だったなとぼんやり考えながら、無理やりかき込む。

 持参していたドリップ式のコーヒーは飲む気がせず、自販機でよく冷えたコーヒーを買ってすぐそこの浜まで散歩。真っ暗な海の向こうに、対岸の街の灯がぼんやり浮かんで、時々、汽笛が聞こえた。

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 翌朝。テント内は暑くてなかなか寝付けなかったので睡眠不足。フェリーの時間に焦りながら荷造り。 キャンプ場から走ってすぐそこの立石港(生名島)から、土生港(因島) の生名フェリーを使って、しまなみ海道へ復帰。
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 この後向島まで走って、後藤鉱泉所のサイダーを飲んだり、因島のしまなみドルチェでアイスを食べたりしたんだけど写真には撮れず。っていうのはこの写真を撮った後くらいから信じられないほど天候が変わって、暴風雨になった為。
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 雨脚の強まる中、ずぶ濡れになりながら必死にペダルを漕いだ。途中個人商店の軒下で雨宿り。合羽を脱いで座っていると、店主からトライアスロンの選手と間違われる。なんでやねん。

 最後の来島海峡大橋まで来ると雨雲はどこへやら、きれいな青空が広がり始める・・・。

 昨日車を停めた駐車場まで帰還しほっと一息。
 駐車場にはトイレの他、自転車を洗える設備も備え付けられており本当に助かった。しまなみ海道は本当にサイクリストに親切な設備が整っていると感じる。

 1日目は87km(今治~生口島~ゆめしま海道)、2日目は100km(生名島~因島~向島~今治)。

 これでゆめしま&しまなみ海道を走破した事になる。
 自転車を車に積み込み、本州に戻る。一日かけて走ったしまなみ海道は車だとあっという間に走れてしまう。

 呉まで移動し港で車中泊。そして翌日はとびしま海道を走った。

2023.9しまなみ&ゆめしま&とびしま海道をサイクリングしてきました。その4

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 しまなみ海道を制覇した後、自転車を車に積み込み、今治から広島の呉市の下蒲苅島まで移動。自転車で一日かけて走ったしまなみ海道も車なら1時間もかからず通り過ぎていく。今更ながら、車のありがたさと偉大さを感じてしまう。

 呉市内で夕食を済ませ安芸灘大橋を渡って、下蒲苅島。見戸代緑地で車中泊。

 そして最終日。快晴。

 見戸代緑地に車をデポって、いざとびしま海道サイクリングへ。
 下蒲苅島、上蒲苅島、豊島、大崎下島、岡村島と順番に巡っていく。ここもゆめしま海道と似ていて信号がなく、交通量も殆どない。
 特段、「これだ。」なんてものはないのだけれど、普通の景色が絵になる、そんなとびしま海道。それを気付かせてくれる自転車。移動手段が自転車だと、そのゆっくりとした速度の中で得る情報量は、オートバイや車なんて目じゃないほどに多い。それが僕にとっての自転車の最大の魅力かな。勿論歩くというのも良い手段かもしれないけれど、それだと時間がかかり過ぎる。残念ながら僕にはそこまで自由になる時間はない。まぁいずれリタイヤしたら、徒歩でお遍路さんするのが僕の夢。

 大崎下島では御手洗伝統的建造物群保存地区を回る。車だったり、オートバイだったら駐車場に止めて歩かなければならないけれど自転車ならそのまま通過できる。もちろん漕いで回るなんて無粋なことはしないけれど、お気軽なのはいいよね。

 岡村島まで回ってUターン。時には必死に漕いで、時にはゆっくり漕いで、坂道では奇声を上げて駆け下る(笑)時々自転車を停めて波音に耳を傾けながらそこに佇んでみる。

 そして、日の傾きかけた頃、見戸代緑地に戻る。往復80km程のとびしま海道サイクリングを終え今回の僕の旅は終わった。瀬戸内海という素晴らしい景色の中を自転車で駆け抜けた、少し遅めの、最高の夏休みだった。


2023.9しまなみ&ゆめしま&とびしま海道をサイクリングしてきました。(了)