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藻場礁の課題対策へ

昨日、設置済みの藻場礁にて起きている課題対策と清掃へ、地元:八幡浜にてダイビング。

タイミングよく、素潜りの漁師さんとお会いすることができましたので、海の異変について情報交換も行い潜水開始。

すると海底で、海藻クロメの茎だけが目立つ「葉状部消失現象」の広がりを確認。

クロメの成長体が残ってなく根元まで食べられた茎もある状況01

藻食性魚類による食害と自然凋落が混在しているものの、ほぼ茎には成長点が見当たらず、中には根元まで食べられた茎と食害の割合が高い。

アイゴによる食害が活発化する水温20度、海藻クロメの貧植生状態は自然界的には好ましい状況とは言えない。

クロメの成長体が残ってなく根元まで食べられた茎もある状況02

成長点が幾つも枝先にある食害に強いホンダワラ類に比べ、クロメは付け根が食べられてしまうと復活せず、思っている以上に南方化の進行が早く、早期に対策を施す必要性が出てきています。

クロメの成長体が残ってなく根元まで食べられた茎もある状況04

藻場の変化や衰退は、アジなどの青魚やサザエやアワビの不漁、更には藻場で幼生期を過ごすイセエビの不漁にも繋がります。

この環境がもたらす今後の影響について、海中世界の可視化は難しく、どのように周知啓発方法と対策を行っていくかを考えながら、設置済みの藻場礁にて起きている課題対策へと作業開始。
(課題対策作業:採取したクロメが藻場礁内で潮流などにより、藻食性魚類の食害防止除けに張った網に押し付けられて弱らないように藻場礁内で再付着)

藻場礁_清掃
(Before/対策前)

海中で持ち運びし易いように折りたたみ式にて製作したワイヤ-ネットに海藻クロメを生け花をするかのように植付け、多孔質の着生基質の上にセッティング作業をしておりますと

4分割_藻場礁_ワイヤーネット付け
(After/対策後)

オハグロベラが再固着により出来上がった海藻クロメの林の中に隠れにきたり、ホンベラ♀の群れが集団で葉を突っつきにきたり、そんな光景に癒されながら一人で作業を続けていたのですが、気が付けば潜水時間は老体には厳しい90分。

藻場礁_ワイヤネット付け01_ホンベラ♀

海の南方化の進行による影響は、決して水産業だけの問題ではなく、農業被害や高潮被害にも繋がりいく問題。

早期に責任感と打たれ強い精神力、強き向上心と探求心、そして実行力を兼ね備えた若き次世代の社会の担い手を育む必要性を切に感じております。


◆2023.10.14.sat/大潮 <愛媛県八幡浜市>

[1本目/Point:向灘矢野崎・シーロード]
潜水時間87分、最大水深8.2m、平均水深4.8m、水温21度、透明度4~5m、EN.11:05


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テーマ : 地球温暖化
ジャンル : その他

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