山に来たよ
山に来たよ。
小屋の周りにゲンノショウコはあった。
雨水をためていたタライを片付ける。
タライのしたに冬眠するつもりの蛇の子がいた。
ちょうど読み終えたハックフィンの冒険で
ジムを大嫌いなヘビと一緒に過ごさせるために集めたのが
屋敷の中に逃げて大騒ぎになってたっけ。
でもやっぱりトムはよくわからない。
真剣だったのかふざけていたのか、
何度も読み返してみないと。
トムソーヤの冒険で
マフポッターじいさんの無実を証言したときの
トムが一番良かった。
インジャンジョーという強敵もいた。
ハックがなんとかトムを冒険したつもりにさせて
ジム奪回計画を遂行させるのは
ある意味詐欺師たちを欺くよりもめんどくさかった。
結果的にトムがいちばんのお荷物だったんじゃないか?
それでもジムはトムのために自由になるチャンスを捨てる。
ということは、ふざけていようが、騙されていようが
この時点では、まわりくどいやりかたにしろ、
トムがジムを逃がす気持ちが伝わっていたのか、
それ以前からの信頼関係なのか・・・
トムはまんまとジムを取り戻したあとで、
すでに自由の身になっていることを話すつもりだったのか
いつもの場所にユキノシタもあった。
ヤマビルがくっついてきやがった。
11月でもあたりまえになった。
冷感タイツと冷感シャツの効果はあるも
上から落ちてくるやつが首に入るとか
ジャージの上を上っくてくるとか
油断できぬ。
ホウノキの落ち葉がなにかの足音のように聞こえて
ドキッとする。この小屋にかぶった枝を切らなきゃな。
トカゲの子供がひなたぼっこ。
うちの山、木俣山が借景になる場所少なくなってきた。
乗鞍に比べるとうちの山なんて情けなくって
価値なんかないような気になっていた。
玄徳が江東での暮らしに馴らされ荊州を忘れかけたように。
でもこの金色が、ここで頑張ってたことを思い出させた。
うちの山はおらに、
いちどだって、なまけものとか
無能とか、働けとかいって責め立てたりしなかった。
自分がやることを拒みはしなかった。
思い通りにならないだけで、
自分はそこから悟るしかなかった。
やっぱり今年も色が悪いカエデ。
金欠でコンビニでおべんとうを買う余裕なくって
手巻きおにぎり。
ああ、今週は財布に一円もない。なんていってた頃が
本当に楽しかったな。
借景式にするためには、
あのホウノキを切らなきゃならない気がする。
15時でもう日が傾く。
早めに引き上げる。
家まですぐ其処じゃなくなったから。
ばいばいばいばい、また今度。
草に埋もれていたブナの苗を持って帰る。
ひとつは買った種から育てたやつ。
竜頭山で拾った種から生えた3株は
葉が落ちて冬芽だけになっていた。
家について、日が落ちるまで1時間あったので
先に書いた雨樋の補修をやりました。