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一息つくチャンス

繁忙期のさなかに発生した閑散期と言うべきか
仕事が休みになる。収入の心配もなく、
夏バテしそうな身体はホッとしている。

自分はただの賃金労働者。
会社幹部の苦悩をよそに
ストレスフリーな勤務内容。
申し訳なく思うけど、
苦悩を背負い込める力量もないので
今は気楽なご身分。

それは・・・

ジャベル刑事に追われ絶体絶命の
ジャンバルジャン、行き止まりの高い塀を
よじ登り、コゼットを引き上げる。
乗り越えた塀の内側の畑に身を潜めていると
鈴の音をさせた見回りの男が近づいてくる。
月が人影を映す。ああ、見つかった。と思ったその時、男は
「あなたは命の恩人のマドレーヌ市長ではないですか、
私です、荷馬車の下敷きになっているとき、助けて頂いた!」

ジャンバルジャンがマドレーヌ市長であった当時の記憶が蘇る。
「誰か、あの荷馬車を動かしてあの人を救い出してくれ!」
そのとき後ろから彼を付け狙うジャベル刑事の声がする。
「そんなことのできる人間はたったひとりしかいない。
それはかつて起重機のジャンと呼ばれた受刑者だった男だ。」
その言葉に構わず、マドレーヌ市長は自ら荷馬車の下に潜り込み
四つん這いになって背中で荷馬車を持ち上げた。

男は救い出され、その時足が不自由になったためこの修道院で
農作業をする仕事をあてがわれたのだと。

ジャンバルジャンとコゼットはこの男が身内だということにしてくれたので
男と同じ修道院の中で働きながらつかの間の安らぎを得ることが出来た。

つかの間の安全圏・・・
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明日から休みだという晩、
控えている甘いものについ手が出る。

ナタデココのシロップ漬け。
同じシロップの味なのに
シロップよりナタデココのほうが美味しいのは
味が薄いからか?
ぜんざいの中のあずきより餅のほうがうまいとおもう
ようなものか?
甘みを求めているのに甘みが薄いほうが良いとは・・・

コロナ前まではあのブラインドの向こうがわで
買食いをしていた。
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事は予定どおりに運ばなかった
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