★真夜中のひとりごと★

二児の母「たっちー」のひとりごとです。

夫婦別姓と子供の姓(2)

2004年09月27日 | ★夫婦別姓
夫婦別姓のことを読んでくれている友達にメールをもらいました。
同じようなことを思っている方もいらっしゃるのではないかと思いましたので、さらにご理解してもらえるよう、ここに書きたいと思います。

☆夫婦別姓と子供の姓Q&A☆


【Q】 夫婦別姓を選択した場合、子供の姓はどうなるのか?

【A】 3通りのパターンができます。

9月11日付けのブログ「夫婦別姓と子供の姓」にも書きましたが、子供の姓は子供が産まれた時点で夫婦が相談して、どちらかの姓に決めるのが一番いいと思います。ということは、兄弟姉妹で姓が違う場合もあるということです。もちろん今までのように夫か、妻のどちらかの姓で統一しても構いません。というわけで、また3通りのパターンができます。

それでは、また「タッチ」を例にしてみましょう(^-^)
子供の名前は「みゆき」の若松兄弟にしてみました。
※ここでは「長男、長女」という標記は避けました。その理由は後ほど語ります。

1.子供の姓を【夫】の姓で統一

夫:上杉達也
妻:浅倉 南
 第1子(男):上杉真人
 第2子(女):上杉みゆき

2.子供の姓を【妻】の姓で統一

夫:上杉達也
妻:浅倉 南
 第1子(男):浅倉真人
 第2子(女):浅倉みゆき

3.子供の姓をそれぞれの姓にする。

夫:上杉達也
妻:浅倉 南
 第1子(男):上杉真人
 第2子(女):浅倉みゆき


【Q】 子供が親の姓や兄弟姉妹の姓が違っていることを、大きくなったときにどう感じるのか?

【A】 成長につれ、周りと自分のウチは違うなぁということを感じるのではないかと思いますが、最初から別姓家族で育つと、それが当然のことと受け止めるような気がします。子供の考え方は大人が考えるよりも柔軟にできていると思います。子供にとって一番大切なことは親からの愛情、周囲からの愛情なのではないでしょうか。

その実例をとったアンケートをご紹介します。

まず、別姓夫婦の子どもたちのアンケートをご覧下さい。

これは、実際に両親が事実婚(=婚姻届を出さずに事実上は夫婦として生活を送る結婚)により、夫婦別姓を行っている家庭の子供たちに聞いたものです。

「説明が面倒だった。」や「何か悪いことをしているようでこそこそしていた。」という回答があるようですが、これは周りの理解がないせいで、特に後者は、親からの説明不足のように思います。

子供は、親の姓や兄弟姉妹の姓が違うということを成長するにつれ確かに感じると思います。
「どうしてウチは、他のウチと違うの?」という問いに対して、別姓を選択した親は子供に必ず分かるように説明をするべきだと思います。また同時に、子供の友達、学校の先生などにも理解していただけるよう努めるべきだと思います。これは同姓が当たり前の世の中で、それでも別姓を選んだ親としての責任だと思います。

いづれ社会全体に理解してくれる人が多くなれば夫婦別姓も当然のことになるので、こんな面倒な説明も要らなくなるときがくるでしょう。そうなれば、もうこんな心配はないと思います。

その昔、漫画は「くだらないもの」と思われていて、学校に持ってきてはいけないとまで言われていたものが、世の中の人々も世界にも評価され「芸術や文化の一部」というものに変わったことに似ているような気がしました。

また、夫婦別姓を実行されている方、ご本人のお子さんのことが書かれている「別姓夫婦のこどもたち」というページにもあるように、やはりそんなに違和感を持ってはおらず、当たり前のこととして受け止めているようです。子供というものは、自分の一番身近なものを普通のこととして育つので、そんなには問題にはならないと思います。やはり子供にとって一番大切なものは親からの愛情だと思います。

夫婦別姓に反対する方々が、「別姓にすると家族が崩壊する。」という理由を挙げますが、夫婦同姓をしている現在、どうひっくり返してみても夫婦や家族が同姓だからと、家族の一体感があるようには思えません。家族・夫婦同姓であるにも関わらず、既に家族が崩壊している事例がたくさんあるように思います。そうなってしまったのは今までの教育や慣習が間違っていたことの証であり、家族一人一人を大切にしようという考えがないからのように感じます。
自民党が提案している「基本的人権の尊重」に関する憲法第24条の改正案なんて、最悪だと思いました。「家族」を主体にしたものにしようとしているんですから。「家族」あっての「個人」ではなく、「個人」があっての「家族」だと私は考えます。「個人」がしっかりしていなければ、「家族」は生まれません。

これは、天動説を信じていた人が地動説を唱えている人に地球が回っているなんておかしいと言っていることに似ている気がしました。

どうも日本人は、国際化したわりにはいまだに異質なものを排除して、すべて同じでないといけないような罪悪感や錯覚を持たせようとする感じがあります。これも間違った教育や慣習のせいでしょう。問題になっている「いじめ」においてもその典型的な感じがします。さらに子供のいじめにはその親たちの考え方や言っていることに影響を受けています。子供が自分自身の考えで最初から偏見を持っているとは思えません。すべては大人たちの影響です。
そもそも顔や体型が人それぞれ違っているように、考え方も多種多様なのは当たり前な気がします。それを姓が違うからと差別するのは、人種差別と同じことではないのでしょうか?

NHKスペシャル子供がみえない」でも書きましたが、子供を一人の人間として育てることが一番大切なことだと思います。
氏名も本人を表す記号であると同時に、本人の一部だと私は考えます。


【Q】 子供が大きくなって、父または母の姓に変わりたいと言ったらどうするのか?

【A】 父または母の姓に変わってもいいと思います。
しかし、よくわからない年齢のうちに子ども自身が姓の選択はできないと思うので、私は下記の改正案に賛成です。

日本共産党
選択的夫婦別姓制度の導入など民法改正案大綱(1997年10月31日)


この改正案では、子供が18歳になったときにどちらかの姓を選べるようにするといいのではないかと書かれています。私もこれでいいと思いますし、子供も自分の姓の選択権を持つのは当然だと考えます。

また、今の法律でも、子供は15歳になると自分の意思で養子縁組をできたり(=自分で両親を選べる)、姓を変更できる(=離婚した片親の姓への変更)そうです。


【Q】 もし、両親が離婚したとき、現状の姓ではない親に付いていくことになったらどうなるのか?

【A】 原則は、子供は出生時のままの姓でいいのではないかと思っています。親と子が姓が違っていても構わないと思います。しかし、必要であれば、親子の姓を統一する選択もできるようにすればいいと思います。

私は、親子の精神的繋がりがまず最優先で、そこに本人のアイデンティティが氏名ならばそれを大切にしてあげるのが一番いいと考えます。子供が姓を変えたくないというならば、それでいいのではないでしょうか。子供だろうと選ぶ権利くらいあると思うんです。ま、その場合は手続きは親がすることになるでしょうけど。

そもそも、いちいち親の都合で姓を変えられてしまったら、子供ははっきり言って迷惑だと思います。特に物心をつくころには、姓が変わることに抵抗があると思います。くどいようですが、大切なのは親子の間の信頼関係であって、姓が同じことではないと思います。

現状の法律では、離婚、再婚を繰り返す親(この場合、今は母親が多いでしょう。)に付いていかなければいけない子供を例にすると、自分の意思とは関係なく、親の勝手な都合で変えさせられるようです。そういった苦痛を味わった方のお話をある本で読みました。

そこには要約するとこういった内容で書かれていました。


小学校高学年くらいのころ、両親が離婚しました。
母親と暮らすことになり、
姓を「佐藤かすみ(仮称)」から母親の旧姓「鈴木かすみ(仮称)」に変えました。

ところが、しばらくして母が再婚し、次は「田中かすみ(仮称)」になりました。
丁度、学校も転校したこともあり、名前が変わったことを誰にも知られずにすむとホッとしましたが、
ノートやカバンについていた前の名前をすべて新しい名前に付け替えましたつもりが、
一つ残ってしまったものがあり、それをクラスの子に見つかってしまいました。

「鈴木かすみって誰?おまえは田中かすみだろう?」

知られてしまいとてもショックでした。



このように、親の都合で姓を変えなければいけない子供の方が、精神的苦痛は大きいのではないでしょうか。しかも、その名前は自分で選んだわけではない場合は余計に。ただし、親の結婚相手に、自分の新しい親になってくれることを望んで、自分も新しい姓になってもいいと同意しているなら別ですけど。

同姓だろうと、別姓だろうと、再婚だろうと、家族間の信頼関係が家族になるために必要だと思います。

なのに、お互いに信頼関係がないような中身の伴わない戸籍上の家族ってそもそもなんなんでしょうか。
そんなものがいくら法律で認められていても家族というのでしょうか。
私はその辺が一番疑問に思います。

今の世の中、体裁ばかり考えていて中身がないために失敗しているように思います。
やっぱり一番大切なのは中身でしょう?
コメント
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