インターネット配信の医師向けニュースを見ていたら、
素敵なメールに辿りつきました。
『さあ立ち上がろう「美しい日本」にふさわしい外科医とは』
というブログです。
http://blog.m3.com/Fight/
とても全部は読みきれませんが、
例の、福島県の産婦人科医の
あまりにも馬鹿げた逮捕騒動のことを詳しく検証した内容です。
一般のかたから見れば、
大した問題ではないように感じておられると思います。
しかし、何回もこのブログでも書きましたが、
医者、それもメスを持つ医者から見れば、
大変な大問題です。
万一、かの産婦人科医が有罪にでもなったなら、
日本の外科医療は本当に崩壊します。
先日も書きましたが、
本当に音を立てて日本の医療は崩壊、
否、壊滅の一途を辿ると思います。
特に、死と隣りあわせのガンの手術を行う外科医は、
メスを捨てる人間が続出するはずです。
あるいは、
医者のためには極めて安全な
徹底的に手抜きのガン手術ばかりが行われることになるはずです。
ガンでの手抜き手術とは、
シッカリと切除しないということです。
ガンが残ってしまうことは承知で、
切除範囲を少なくすることです。
当然、再発確率は高くなります。
しかし、手術そのものの浸襲は、
確実なガン手術よりは遥かに軽くなりますから、
患者さんの術後経過は順調で、
術後の合併症も無く、
患者さんはサッサと退院していきます。
患者さんからも感謝されます。
メデタシ・メデタシです。
しかし、患者さんは間も無くガンが再発して命を落とすことになります。
しかし、それは、ガンが悪いのであって、
医者の責任は問われません。
そのときそれを食い止めることができる方策の一つは、
お金になります。
大金を積んではじめてまともな手術を受けることができる。
そして、その大金の多くは、
医者の医療裁判の保険の掛け金に飛んでいく、
まさに、アメリカ型医療そのものです。
もっとも、アメリカでは、
医者の医療行為をそのものが、
刑事告訴を受けるなどという馬鹿げたことはなく、
患者さんからの民事訴訟に対する、
裁判、賠償保障のための保険ですので、
日本の場合はさらに複雑になります。
医者苛めの極致とでもいうべき、
今回の刑事告訴のツケは、
結局はすべて患者さんに帰ってきます。
それを先導していた無責任なマスコミも、
少しずつ方向を変えつつあるようですが、
チョット遅すぎた感があります。
すべての病に対する治療で、
「絶対」はありません。
すべての治療は副作用があります。
そして、最悪の場合には「死」もあります。
特に、ガンの治療をしているときなど、
どちらかの方法を選んだら「死」という選択もしなければならない場面にも
しばしば遭遇します。
そのハズレクジを引いた責任がすべて医者に押し付けられ、
それに対して、
刑事責任を負わされるのであれば、
医者になる人間そのものがいなくなります。
先日も書きましたが、
国立がんセンターの中堅医師の
年俸が700~800万円とは驚きました。
他の医者はそれほど薄給ではありませんが、
一般の患者さんが想像しているほどの収入はありません。
皆、収入が多いと思って医者になったのではありません。
私の時間当たりの収入は、
週休2日で有給休暇も夏休みも正月休みある一般サラリーマンと
比較するとあまりにも悲しくなります。
患者さんの命の重さを背負うだけで精一杯なのに、
そこに刑事責任が負い被さってくるとなると、
とてもやっていけません。
あの馬鹿げた裁判をみて、
そして、前述のブログを見て、
あらためて、
日本の医療の危機的状態を強く感じました。
是非、ご一読ください。
以上 文責 梅澤 充
素敵なメールに辿りつきました。
『さあ立ち上がろう「美しい日本」にふさわしい外科医とは』
というブログです。
http://blog.m3.com/Fight/
とても全部は読みきれませんが、
例の、福島県の産婦人科医の
あまりにも馬鹿げた逮捕騒動のことを詳しく検証した内容です。
一般のかたから見れば、
大した問題ではないように感じておられると思います。
しかし、何回もこのブログでも書きましたが、
医者、それもメスを持つ医者から見れば、
大変な大問題です。
万一、かの産婦人科医が有罪にでもなったなら、
日本の外科医療は本当に崩壊します。
先日も書きましたが、
本当に音を立てて日本の医療は崩壊、
否、壊滅の一途を辿ると思います。
特に、死と隣りあわせのガンの手術を行う外科医は、
メスを捨てる人間が続出するはずです。
あるいは、
医者のためには極めて安全な
徹底的に手抜きのガン手術ばかりが行われることになるはずです。
ガンでの手抜き手術とは、
シッカリと切除しないということです。
ガンが残ってしまうことは承知で、
切除範囲を少なくすることです。
当然、再発確率は高くなります。
しかし、手術そのものの浸襲は、
確実なガン手術よりは遥かに軽くなりますから、
患者さんの術後経過は順調で、
術後の合併症も無く、
患者さんはサッサと退院していきます。
患者さんからも感謝されます。
メデタシ・メデタシです。
しかし、患者さんは間も無くガンが再発して命を落とすことになります。
しかし、それは、ガンが悪いのであって、
医者の責任は問われません。
そのときそれを食い止めることができる方策の一つは、
お金になります。
大金を積んではじめてまともな手術を受けることができる。
そして、その大金の多くは、
医者の医療裁判の保険の掛け金に飛んでいく、
まさに、アメリカ型医療そのものです。
もっとも、アメリカでは、
医者の医療行為をそのものが、
刑事告訴を受けるなどという馬鹿げたことはなく、
患者さんからの民事訴訟に対する、
裁判、賠償保障のための保険ですので、
日本の場合はさらに複雑になります。
医者苛めの極致とでもいうべき、
今回の刑事告訴のツケは、
結局はすべて患者さんに帰ってきます。
それを先導していた無責任なマスコミも、
少しずつ方向を変えつつあるようですが、
チョット遅すぎた感があります。
すべての病に対する治療で、
「絶対」はありません。
すべての治療は副作用があります。
そして、最悪の場合には「死」もあります。
特に、ガンの治療をしているときなど、
どちらかの方法を選んだら「死」という選択もしなければならない場面にも
しばしば遭遇します。
そのハズレクジを引いた責任がすべて医者に押し付けられ、
それに対して、
刑事責任を負わされるのであれば、
医者になる人間そのものがいなくなります。
先日も書きましたが、
国立がんセンターの中堅医師の
年俸が700~800万円とは驚きました。
他の医者はそれほど薄給ではありませんが、
一般の患者さんが想像しているほどの収入はありません。
皆、収入が多いと思って医者になったのではありません。
私の時間当たりの収入は、
週休2日で有給休暇も夏休みも正月休みある一般サラリーマンと
比較するとあまりにも悲しくなります。
患者さんの命の重さを背負うだけで精一杯なのに、
そこに刑事責任が負い被さってくるとなると、
とてもやっていけません。
あの馬鹿げた裁判をみて、
そして、前述のブログを見て、
あらためて、
日本の医療の危機的状態を強く感じました。
是非、ご一読ください。
以上 文責 梅澤 充