fc2ブログ

旅行記その4 「樹木の数が人口を超える国」

最初の1週間は山歩きに慣れるための訓練期間でしたが、同時によく観察していたのは各地の天気予報でした。最初の思いつきとしてドイツの「黒い森」に行ってみたかったのですが、アルザスを通過しなければなりません。大陸気候の影響下にあるアルザスは、冬は寒く、夏は酷暑になりやすい場所です。案の定、出発した直後、天気予報はストラスブルグで37度以上を予想していました。

罠に嵌らないように途上で足踏みしていたのですが、少し気温が下がると言う予報が出たので、それでは少々目的地に近付きましょう、と言う訳で赴いたのがフランシュ・コンテ地方でした。フランシュ・コンテはフランス北東部にあり、アルザスとアルプスに挟まれ、スイスに隣接した地方です。特にジュラ県の山岳部は深い森林に覆われ、総面積の46パーセントは樹木が占めているそうです。ここなら絶対涼しいと確信して行ったら期待通りでした。

シャルトルーズからジュラに行くには、シャンベリーのように比較的大規模な都市を通過しなければなりません。そのストレスを避けるために、大移動(と言っても高が知れているのですが)は日曜日にするようにしていました。通勤ラッシュを避けられるので快適です。殆ど無人に見える町をスイスイ通り過ぎ、ジュラ県に入って直にこの教会の前に駐車し、新鮮な空気を吸ってホッとしました。

FSCN2747.jpg

休憩後、行き先を考えながら走行し続けたのですが、空模様は怪しい限りでした。キャンピング・カー用のガイドブックに出ているサービス・ステーションが途上にあると気付き、ミジュという町で一夜を過ごすことに決めました。

風景を眺めながら壮大な自然に圧倒されるばかりでした。未知のジュラですが、深い付き合いになりそうな予感がしました。7月4日日曜日の午後にちっぽけな町ミジュに着いたら、憲兵さんが交通整理に出るほどの大々的なお祭りの真っ最中でした。ご親切にサービス・エリアまで先導してくれたので、警察とか憲兵に対する警戒心というか遠慮が薄れたみたいです。とりあえず駐車場に直行し、夜に備えて場所を確保しました。

DSCN2752.jpg

オ・ジュラ(ジュラの山岳部)の人里離れた山中にある町は、商店も疎らなのに、夏の陽気に浮かれていました。7月は催し物が多数予定されているようでした。パリ際の前後は花火を打ち上げる習慣ですが、それに伴なう興奮に便乗するのか、お祭りの雰囲気が倍増されるようです。おまけに自転車レースのツール・ドゥ・フランスももうじき通過するとあっては、居ても立ってもいられないようでした。

この日は楽団も何組か参加していましたが、一番オリジナルだったのは、ウェイターに扮して竹馬に乗った3人組が飲み屋の親爺らしき人物と小柄な女性一人を相手にして繰り広げた芝居でした。シナリオは勿論この上なく幼稚なものでしたが、何故か腹の底から快く大笑いできるような内容でした。ビデオを見せられないのが残念です。

DSCN2761.jpg

大人しそうに見えますが、上記の小柄な女性は、竹馬で飛び越えるための標的であり、風呂敷のような布を被って立っていたと言うと雰囲気が伝わるかも知れませんね。

DSCN2772.jpg

お祭りに溶け込むことによりジュラに惚れ込んでしまったようです。この日から1週間以上ジュラを転々とすることになりました。
コメント
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する