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The Artiste

昨日は慌しく一日が過ぎてしまいました。団欒らしき雰囲気を感じるために、夕食後「ドクター・ハウス」を主人に付き合って見ることにしたので尚更時間不足になってしまい、ブログを書く暇も無しでした。義務にしていた「復興の狼煙」の最新版の翻訳提案だけは、仲間に送れるように準備してから眠りにつきました。

そのような物足りなさを償うために、今日は素敵な一日を過ごすことにしました。友人と一緒に昼食をとり、その後5つのアカデミー賞に輝くホリウッド製フランス映画「ザ・アーチスト」を観に行きました。カンヌで最初の受賞をしてから長く上映されていたので、一旦プログラムから姿を消していたようでした。

1月末からアカデミー・ノミネートを理由にスクリーンに復活していましたが、先週のプログラムでは1日に1回くらいしか上映されていませんでした。朗報を手にした映画館経営者たちは即座に変更をもたらしたらしく、今週は上映回数も増えているようです。

前置きはその程度にして本題に入ると、真に豊かな俳優人がこのサイレント映画に参加していると言えます。主役のジョージ・ヴァレンタインを演じるジャン・デュジャルダンとペピー・ミラー役のベレニス・ベジョのどちらも最高ですが、脇役も重要で、犬も名優の一員です。執事兼運転手クリフトン役のジェームス・クロムウェルも適役です。

デュジャルダンがアカデミー男優賞ノミネートに輝く影で忘れられがちであったベレニス・ベジョにはフランスのセザール(シーザー)女優賞が授与されています。映画を観て、彼女には本当のメリットがあると思いました。助演ではなく競演していますが、アメリカで繰り広げられた宣伝キャンペーンではやはり男性優先だったのかも知れませんね。

サイレント映画の衰退、トーキーの成功を背景にした恋愛ドラマと言い切れない面白味があります。両方の良いところを合わせたような新ジャンルの誕生にも立ち会うことになるからですが、これは是非映画館でお楽しみ下さい。Hugo CABRETでサイレント時代の映画に興味を持ったばかりだったので、このテーマに対する関心が深まっていくような気がします。