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浜辺で寛ぐ人々

皮肉な世の中だと思います。モンペリエっ子は何時ものように日曜画家でしたが、家から10キロ離れた所にある浜辺では、多数の観光客と地元民がインディアン・サマーを楽しんでいたようです。一見、極楽です。

異常気候が日常になった今なので,11月に海水浴しても不思議ではないのですが、一番身近な存在だと言っても嘘ではない隣国スペインでは、洪水のせいで本当に大変なことが起こっています。こちらは地獄絵の連続です。

更に危機感をかき立てるのは、民衆の憤慨が抑制できないほど高まっていることだと思います。バレンシア近辺が被災地ですが、マドリッドはほど遠く、中央政権は未だに死者数を正確に把握していないほどなので、住民の怒りは増すばかりです。

地元民の連帯によって地道な救助(遺体探しと大掃除)が進んでいる状態ですが、本日、スペイン国王が現地見舞いに訪れ、散々な目に遭いました。

災害から5日も経っているのに、未だに温かい食事の配給もされていない中で、王家の公式訪問に良い顔する気は無いとはっきり断言する人ばかりでした。

道を歩く国王と女王に向けて窓から手当たり次第にモノを投げるので、警備官は女王を雨傘で保護しながらさっさと退避させた模様です。破損された自動車もありました。

テレビで見た光景ですが、真に悲しい限りです。絶望して当然の事態なので、慰める言葉は存在しないと言うことですね。行為があるのみです。

このまま同じ場所で生き続けられるか?答えの無い疑問を前にして途方に暮れていると思います。見捨てられていると言う気持ちに変わり無しです。

続くのが当然であった日常が急激に切断されてもみくちゃにされると、憤りのやり場が無くて当然ですよね。東北大震災のビデオがテレビで流れるのを見ながら同じ気持ちを味わった気がします。

現在、約200人の遺体が発見されていますが、多分被害はそれに留まらないと思います。あまりに急な進展だったので、地下駐車場で車に閉じ込められたまま亡くなった人も多いようです。津波同様の怖さです。

予定通りに降る雨

モンペリエでは、今のところ全く問題ありませんが、30キロほど離れた内陸の山間部では、集中豪雨によって川がかなり増水しているようです。

一旦降り始めると、1か月分が数時間で降ることもあるので油断禁物ですが、幸いにも今のところ長く続きません。昔は3日続きで豪雨だったこともあるので、断続的な雨はスズメの涙段階です。笑

最悪の場合にどうなるか知っているので、成り行きが悪化しないように祈っていますが、雨が避けて通る地方もあるみたいです。農業地帯でないモンペリエ周辺ではそれほど不満が上がりませんが、スペイン寄りの地帯では深刻な水不足に悩んでいます。

ペルピニャンを中心とするルースィヨン地方の話ですが、降水量ほぼゼロが続いています。とは言え、20年くらい前には、大洪水のせいで膨大な被害を負ったこともある地域なのですね。

非常に複雑です。水はあり過ぎても無さ過ぎても災害になると言うことですね。今日は一時的にかなり強い雨を記録していますが、今のところ度を過ぎない恵みの雨で済んでいます。

度重なる水害に震え上がる人々を見ると本当に胸が痛みますが、災害の度合いはますます予想し難くなっているので、住む場所を変えるべきか思い悩む人々の姿を見ると、真に返事に困ります。

おまけに、以前浸水していた地域が水不足で枯渇しているのを見ると、理想郷なんてありそうも無いとしか言えません。

住めば都的な見解ですが、今年のモンペリエは運が良いみたいです。幸運が長続きするように祈るしかありません。

能登地震について思うこと

新年初めは、こちらでも大々的に報道されていた能登地震でしたが、今は全く情報が届かなくなっています。それが良い便りなら心配しませんが、ブロ友さんの記事を読むと、被災者の救助がそれほど進んでいないと言う気がしなくもありません。

台湾の救援を断わるほど余裕を見せていた政府ですが、それが内輪の恥を隠すための手段なら、不快にならざるを得ません。被災地の住民を大変な状態に放置したままで大丈夫と言えませんよね。

現地の様子が全く分からないので、何とも言えませんが、こういう場面でも国家に対して不信任案を出せないものか、考えてしまいます。笑

寒いだろうな、お腹が空いているだろうな、晩酌したいだろうな、お風呂に入りたいだろうな... 普段当たり前ないろいろな欲望が満たされなくて、ただ忍耐するだけの人々が気になります。

こちらでも、ノルマンディ地方の住民が散々な目に遭っています。豪雨の連続で水位が下がらず、数ヶ月前の洪水で修理したばかりの家が更に水浸しなのです。

地球温暖化の余波の一つだと思いますが、海辺に近い海抜ゼロちょっとの街では、河の流れが海に注げなくなることが原因で長期化する水害が増えています。潮が高いと、河の水が停滞・逆流して当然ですよね。

報道を見ると心が潰れますが、せめて現地の人に対する思いを深くする機会にしなければなりません。一緒に反省して、一緒に将来を考えないと、被害者の苦しみは増えるばかりだと思います。

そのためには、メディアがもっと現地に侵入して、現状を伝えなければなりません。聞き伝えによると、紙の新聞が廃れることにより、報道陣そのものの需要・供給も大幅カットされて、以前のような動きが出来なくなっているとか。

有り得る推測であると思いました。自然災害の対応が悪いと、人災化する恐れもありますね。

予想外の出出し

昨夜の年越しパーティは本当に和やかでした。鬼さんの温かいお持て成し、参加者の積極的な援助があったので、ご馳走盛り沢山、飲み物たっぷり。最後はシャンペンで乾杯となりました。

思ったより遅く、午前1時半に床に就き、元旦の朝は7時半に目が覚めると言う快挙を果たしたので(苦笑)、ちょっと疲れ気味で起きたモンペリエっ子でしたが、身支度を整えて、フルート吹き初めの最中に奇妙なメッセージに気付きました。

福井県若狭に住む親友宛てのFB上のメッセージでしたが、その内容が「津波が来るから急いで逃げて!」だったのですねー

これにはギョッとして、おまけに肝心の友は、メッセージを読んでいるように見えなかったので、早速スカイプを通じて連絡して見ましたが、最初のアラートであったメッセージが発信者によって削除されてしまったので、普通のメッセージ交換の枠内で投稿が為されました。

後で分かったことですが、発信者は津波の可能性が減ったので、人騒がせにならないように、アラートを消したとのこと。

何が何だか分からないまま、思い切って親友に電話して無事確認をしたと言う次第です。後で見返すと面白い交換があり、「私、今昔話している暇が無い筈なんだけど」と言う彼女のユーモアに笑わせてもらいました。

彼女の素晴らしいユーモアはその後まで続き、「とりあえず貴重品を何時でも持ち出せるように準備して寝てね」と言うモンペリエっ子に、「枕元にちゃんとリュックを準備してあるけど、無いのはそれに入れる貴重品だよー」お腹を抱えて笑う羽目になりました!

危機の只中でも、これだけ居直れる友に脱帽です。地震恐怖症のモンペリエっ子には考えられない強靭さだなと思いました。因みに、大学時代の友は皆優秀な人ばかりで誇りに思っています。

新年早々に酷い目に遭っている被災者の方々に心からお見舞い申し上げます。

人災続きだった2023年を終えた途端に始まった天災ですが、もっと心温まる出来事も欲しいですよね。被災地の救済が速やかに進むように祈っています。