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記憶の悪戯

先ほどから一生懸命ピカサに記録してある写真アルバムをめくっています。捲るとは比喩的な言い方に過ぎませんが、マウスを使ってあちこち駆け回り、紙のアルバムだったら大変な重さになっていた筈の映像を見直しています。

その目的はある日訪れた町の姿を見直し、古い造りの門がどのようであったか自分の目で確認するとともに、それが何時の出来事であったか思い出すためです。写真は後記した目的のためにふんだんに撮る習慣が出来ていたので、見直せばOKと思い込んでいたのですが、全然見つかりません。

目的地への移動中に、あるいは旅行からの帰途に通り過ぎただけなので当然かも知れませんが、一応訪問して写真も多数撮った記憶があるので、思い出せないのが不愉快極まりません。認知症の始まりかなと不安になったりします。

そこで相変わらずしつこい、本当に執拗な、執念と呼べそうなものを注ぎ込み、自分のブログ内のカテゴリー、紀行文から探して見たら出てきました!タンプリエとオスピタリエ

3枚目の写真に出てくる門が下手な左官屋の手にかかり、昔の魅力を失ってしまいました。黄色っぽい素材を使って石を固定している最中だったので、思わず「冒涜」と言う言葉が念頭に浮かびました。

記憶が薄れているようでいて、この門の古びた美しさだけはしっかり覚えていました。写真が直ぐに見つからなかったのは、行ったのが2008年10月20日であり、自分が思ったより以前であったからでした。

実は本日この町を再訪問するチャンスに恵まれたのですが、恒常的な雰囲気に変りは無いとしても、この門の修理の仕方にショックを受けたり、サテライト・アンテナが歴史建造物の塔の上にくっつけられているのを目撃して憤慨したりでした。

記憶の中に残るもので満足しておくほうが無難なのかなとロマンチックな一人は囁いていますが、その反面、証拠写真を手にしているようなものだと歴史保護を重視するもう一人の自分が叫んでいます。