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ののしり言葉募集中

主人には2人息子がいます。一人は公務員的なステータスで働く冠水予防計画エンジニアで大々的な工事に取り組んでいますが、長男は海軍パイロットの経験を生かし、航空ファンのためにオリジナルな創作活動に熱中しています。漫画が主ですが、小説を書く努力もしています。限りない想像力を駆使して摩訶不思議な登場人物を創り出しています。

宣伝幟を引っ張る仕事を夏場にしたり、自分の飛行機で飛んだりしつつ、普段は漫画のシナリオを書いているのですが、それだけでも結構忙しい生活を送っているようです。本日その彼からメールあり、彼のヒーローの一人であるBuck Dannyの次回エピソードは日本が舞台になるので日本語のののしり言葉を教えてと依頼がありました。

そう言われてみて困るのは、日本語では悪態をつく習慣が無いのですね(苦笑)。フランス語ではポンポン出てくるのですが、母国語では使ったことがありません。幸いにも外国語に深く親しんだ結果として欲求不満を発散する手段が出来たと言う感じです。

さて、要求されている言葉としては、糞!ちぇっ!すげえ!と簡単に訳せるものを超えてBon sang! Bon dieu! Enfer!などがあります。直訳だと良い血、良い神様、地獄となるのですが、意味としては???の部分があります。

これからじっくり考えて、日本語ではどのような罵り言葉が頻繁に使用されているか調べて、意味的に一番近いものを見つけるしかありません。これは育ちの良い(冗談)義母にとってかなりきつい課題です。おまけに今の世代によって使われているものがいいですね。

ののしり言葉のコーパスを作成するために皆様のお知恵拝借できればと思います。

カラスの行水

カササギのピッコロとは毎日面白い経験を重ねています。もうじき放すつもりですが、これほど人間に懐き、食べ放題のメニュを享受している動物に自給自足の習慣が身につくのか疑問です。頭を傾げて私の言うことに耳を傾け、必死に何かをしゃべりまくる姿を見ると、彼の世界は人間の住処なのかも知れないと思えるほどです。

昨日から実験しているのは行水ですが、水を飲まないと聞いていたので半信半疑で試したら、ちゃんと水を吸い込む上に、小さなコップの中に飛び込もうとするほど水好きなのです。それで出来るだけ広口で、檻の小さい入り口から差し込める入れ物を探し、ジャムの瓶を使うことにしました。

そうしたら、瓶を支える私の手に飛び乗り、頭を瓶の中に突っ込みブルブル、ガシャガシャ、大変な大騒ぎです。水をあちこち撒き散らすので後始末が面倒と言えば面倒ですが、あまりの喜びようなので目を瞑ります。人間が顔を洗うのと同じ要領で水浸しになり、行水の後は嘴の掃除に励んでいました。綺麗好きな鳥であると判明しました。

ピッコロの行動を観察しながら「カラスの行水」と言う言葉が目に浮かびました。思い当たるのは父のお風呂です。母曰く、「お父さんは何時もカラスの行水なので子供を風呂に置いてさっさと出てきてしまう」ので、彼女にとっては役に立たないお父さんだったようです。血圧が高めだったので長風呂は禁物だと感じていたのでしょうね。

確かに鳥の行水は簡素で、石鹸など無用です。これも父の言い草でしたが、あまり丁寧に洗い過ぎると、体の脂肪がとれてしまい、肌がカサカサになるから良くないそうです。不思議なことに私の記憶にはこれがしっかり刻み込まれていまして、現在でもあまり石鹸を使わないようにしています。お風呂よりシャワー。私もカラスの行水組かなと思います。

金髪の女の評判

本日は定例の如く船に行きました。先週は3人分の誕生パーティがあったので行けませんでした。その前の日曜日はお天気が悪かったので家で音楽三昧の半日を過ごしてからちょっと様子を見に行っただけと記憶しています。

何も用事が無い時は自然に足が向きますが、そうかと言ってその場に釘付けになっている訳でもありません。観光シーズンが近づいた今、色々な催しもあるので、街を散歩するのも楽しみのひとつです。

今日のプログラムはジュート(2艘の船が対戦し、槍を持った闘士が相手の盾を突いて水に落とすゲーム)の試合と第7回漫画フェスチヴァルでした。ジュートについては既に記事にしたことがあります。2008年6月24日の記事へのリンクを貼り付けます。水上槍試合

漫画祭は存在に気付いていましたが、それほど漫画好きでもないので気に留めていませんでした。今日はたまたま海に出るには主人の体調が今一だったので街にブラブラ出かけたついでに立ち止まることにしました。ショッピングにはそれほど興味が無いので(何処に行っても同じものばかり)、暇潰しにはこのようなフェスチヴァルのほうが面白味があります。

漫画家のサインとデッサンを楽しみにして買いに来る人で一杯でした。

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漫画家によっては色彩も同時にこなすので、色とりどりのパレットが広げられていました。

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アストロボーイ(鉄腕アトム)の仏語版に微笑みながら会場を一周し、「金髪の女」をテーマにした漫画に目が行きました。ネットでよく回ってくる冗談のひとつですが、金髪女は頭が弱いと言う定評があるのです。ベルギー人をテーマにしたジョークと同じ数、もしくはもっと多数あるかも知れません。

その源のひとつになっている漫画全集がありました。シナリオはGaby,デッサンDzack,色彩Yoann Guilloにより金髪女に関する冗談が網羅されています。既に14巻出ているようです。その金髪女が漫画祭のポスターに載っているので、次のリンクからアクセスできます。PDFポスター


軽薄でおっちょこちょい。人の言うことを鵜呑みにし、想像出来る限りのドジをしでかすキャラクターですが、プロポーションと美貌だけはまあまあと言う感じです。なんとなく黒髪であることに安堵したりする機会ですね。

ついでに写真もアップします。

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ちょっと変わった母の日

昨日はフランスの「母の日」でした。日本のそれと2週間くらいずれています。

私は子供がいないので、以前うさぎが生きていた頃は、うさぎから花束とかカードが届いていたのですが、ペット無しの生活になると、最早こじつける相手もいないという訳で、何も無いひっそりとした普通の日になってしまいました。

個人的には、娘同様に可愛がってくれている元古本屋の奥様にメッセージを送り、日頃の優しい気遣いに感謝したのですが、午後になって奇妙な反応が2つありました。

一番目は既に母上を亡くしている友人たちからですが、一斉メールとして母の日を祝う言葉が着きました。何か言わないでは気が済まないという訳かなと首を傾げていたら、その次は仕事の鬼さんからの電話でした。

「母の日なのに何もしないのはなんだから、家に呑みに来いよ」と言う誘いにすっかり噴出してしまいました。主人と同じ名前の彼はbis(2番目)を自分の名前に付けてクロード2号と名乗るお茶目な人ですが、そう言われて見ると、確かに母性愛に似たものが彼に対する友情にはあると同感させられました。

既にアぺリチフを呑みに行く約束があったのですが、まあいいか、と言うわけで、パラヴァスの一軒目では控えめにし、街に帰ってからゆっくり飲むことになりました。一緒に乾杯するためなら、口実はいくらあっても良いというところです。

風立ちぬ

ここ数日、猛暑を予想させるような夏日が続いていました。2003年と同じシナリオになりそうだと悪い予感がしていたのですが、今晩からまた少し涼しくなりホッとしています。またぶり返すかも知れませんが、とりあえず北風になってくれたので安心しています。

日中は海から来るかなり強い南風が吹きまくり、比較的快適でしたが、湿り気が気になりました。風向きが変わるだけで笑顔が戻ります。雲も吹き飛ばされてしまい、夕焼けがとりわけ綺麗でした。

そんな時に思い浮かぶのが、彼のポール・ヴァレリーの有名な詩です。堀辰雄が誤訳したという節ですが、「風立ちぬ、いざ生めやも」は、確かに生きていても仕方ないという意味に取られそうです。

代わりに「いざ生きざらめやも」とすべきだと説くブログを見ました。その通りなのでしょう。ただし問題はいざ生きめやもと聞き慣れた結果、間違いにさえ慣れてしまったようです。それで、なんとかその間違った形に別の解釈を見つけたくなってしまいます。

5+7と語数も決まっています。では、何を代わりに言えば原文のLe vent se leve, il faut tenter de vivreに近くなるのかと言うと、「風立ちぬ、生きねばならぬ」が一番正統派ですが、「風立ちぬ、立ち直るべし」「風立ちぬ、生に目覚めよ」とか意訳してみると南仏の息吹が感じられるような気がします。

私自身、気分的にモヤモヤしている時に一番風のありがたさを感じます。吹っ切れるような気がするからですが、生きる喜びも風が膨らませてくれるようです。大気に混じる霊気があるとしたら、それを胸いっぱいに吸い込む機会にもなります。