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旅行記その3 「気温に適応する毎日」

うさぎの飼い方を教える本を主人が買ってくれました。大昔の話ですが、その中で私の目に留まったのは、最適気温が22度というくだりでした。夏でも冬でも22度とは贅沢な話だと思いました。やってやれない話ではありません。アパートではなんとか気温上昇を防げるとしても、キャンピング・カーで出かけると、それほど思うようにいきません。日向に駐車しておくと37度以上に上がる恐れがあるので、うさぎがいた間は常にハラハラしていました。

それがうさぎに留まらないと気がついたのは最近です。何時の間にか主人でさえ心臓病になり、知らぬ間に気温の上下に敏感になっていました。「俺のサーモスタットの機能は抜群だ」とか言いたい放題のことを主張していた彼ですが、暑い、寒いと頻繁に文句を言うようになりました。私が暑がるほど暖房を入れたがるし、冷房も欲しがるようになりました。気温変化に対応できる度合を体力低下のバロメーターにしても良いような気がします。

今回のヴァカンスは一種の賭けでした。無事に、より元気になって帰宅するか、最悪の場合は病院直行という極端な選択肢が目に見えていたので、全て慎重に計算しました。高地に行かずに、いかにして涼をとるか、散々頭を痛めましたが、3番目の選択肢として、急激なショック無しに暑さに慣れることも可能であると気がつきました。

文明の恩恵に慣れ過ぎて、冷暖房無しには生きられなくなるとしたら最悪です。ヴァカンスのテーマとして「気温変化に適応」を選びました。後日報告しますが、モンブランの近く(海抜3842メートル)までケーブル・カーで登った時は早朝で、多分0度でした。最高気温は見物から帰った時の車内気温で、38度近くになっていました。格差38度を数時間で経験するのは稀ですが、今回のヴァカンスは着たり脱いだり、忙しないながら、とても良い訓練になったような気がします。

思うに、好きなことをしている時は何でも受け入れやすくなっています。そのように精神的な援助があるから上手く行くだけかも知れませんが、以下の写真のように大きな駐車場で2泊3日したのです。背景に見えるのはシャルトルーズ自然公園の最高峰であるシャムショッド。海抜2082メートルです。

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周囲は小高い山と森林に囲まれているので、爽やかなそよ風が心地良く、涼しく感じられましたが、午後は33度まで上がり、ストールの影で生き延びました。これほど切り開かれていなければ、気温上昇も抑えられたと思いますが、人間の手がかかると全て便利になるとともに弊害も出るという例です。このサービス・ステーションは無料だったので、文句を言うと罰があたりそうですが、敢えて言うと木陰があれば満点でした。

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文句を言いましたが、おかげで体が徐々に暑さに慣れていくのが感じられました。朝は森の中で散歩。

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夕暮れを見ながら散策するのも旅行中の習慣になり、テレビから遠ざかるようになったのは良いことだと思いました。母が生前に、食後にすぐ寝ると牛になると言っていましたが、少なくとも相撲取りが太るためにするのが昼寝だということを忘れてはなりません。

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これら全てつまらないことの連続なのですが、生活習慣を見直す絶好の機会だと直感し、文字通りウォーミングアップに成功したようでした。かくして最初の1週間が過ぎ、次の目標はフランシュ・コンテ地方と決定しました。狭い行動範囲に搾り、未踏の地を徹底的に見られるだけ見るという方針です。
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