「Visual Studio 2010 Ready Day」基調講演を聴いた
4月13日、Visual Studio 2010のローンチイベント「Visual Studio 2010 Ready Day」に参加してきました。
全般的に、コンセプトや新機能羅列だけじゃなくて、ポイントを絞った説明や実演を重視していたところなど「現場のエンジニア」目線を狙っていたように感じました。そういえば、参加報告書の素をサイトで配ってましたねw
まずは基調講演のメモ。「Life Runs on Code」(未来はコードで創られていく)というタイトルがいいですね。
開発ツール、チーム開発、品質向上の3点
開発ツール製品部部長の遠藤敦子さんは、「開発ツールはMICROSOFT BASICで始まるMicrosoftでもっとも長い製品」と語りました。そして、Visual Studio 2010について、開発ツール、チーム開発、品質向上の3つが新機能のポイントだとオーバービューを示しました。
ASP.NET MVCやjQueryでモダンなWebアプリ開発
Microsoft本社のVisual StudioプロダクトマーケティングディレクターMatt Caterさんが登壇。開発者の直面する問題を「継続的な仕事への割り込み」「保守的な開発環境」「メンバー間の連携不足」の3点で説明し、Visual Studio 2010により作業サポートや最新環境への対応が受けられると語りました。特にチーム内での連携については、進捗レポートを作業から自動生成したり、他人が書いたコードから意図を可視化したり、テストや過去の状況を再現する機能を紹介しました。
それを受けて、近藤和彦さんがWebアプリの開発について、サイトを改善する手順をデモしました。まずコードとWeb画面をマルチモニタで分けて表示。複数バージョンの.NET Frameworkに対応していてドロップダウンリストで選べるところや、ASP.NET MVCなどを紹介しました。
さらに、Visual Studio自体がWPFベースで作られていてホイールでフォントを拡大縮小できたりすることや、Extension ManagerからVisual Studioの拡張機能を追加できるところ、HTMLコードスニペットが強化され、jQuery 1.4.1に対応してアニメーション効果をさっと追加できるところなどを実演しました。
最後に、「未来はコードで創られていく」テーマを無償公開していることも紹介しました。
C++でWindows 7っぽいアプリ
続いてCaterさんは、Visual Studio 2010はWindows 7の新機能に対応し、マルチタッチやリボンUI、ジャンプリストなどを使った「Windows 7っぽいアプリ」を開発できることを紹介しました。
それを受けて、太田寛さんがC++でのネイティブアプリケーションをデモしました。アプリケーションにリボンを追加し、そこにボタンを追加してアイコンとIDを割り当て、メインフォームに追加
してみせました。これらには、復活したMFC Class Wizardが使われました。
タッチ対応では、同じくMFC Class Wizardを使いWM_APPCOMMANDにハンドラを追加し、マルチタッチでズームするためにOnGestureZoomメソッドを定義するところを実演しました。
SharePoint開発も一般の.NET開発と同じように
次にCaterさんが紹介したのはSharePoint開発。Visual Studio 2010では27ステップから数ステップに工程が短縮されたことを紹介しました。
それを受けて松崎剛さんがデモ。64bitのWindows 7/Vistaでも動くこと、さまざまなテンプレートがデフォルトで入っていること、ASP.NETベースのWebパーツが使えること、スニペットのショートカット、パッケージのSolution Explorer、サーバーエクスプローラなどを紹介しました。
特に大きく変わったのがデータアクセスだそうです。いままではXMLで定義する必要があり、「一般の.NET開発者はひいてしまうような面倒さ」だったとのこと。それがLINQなどが使えるようになったということで、実際にコードを見せました。さらに、F5キーでビルドしてバックグラウンドで自動的にデプロイしたり、ブレークポイントを設定したりというところを実演して、「一般の.NET開発とおなじようにできるようになった」ことを改めて強調しました。
エラーの状況を一発で呼び出し、シーケンス図も自動生成
Carterさんはさらに、Windows Phone開発やWindows Azure、今週リリースされる予定のSilverlight 4にも言及。そのあと、テスターなどの同僚と仲良くして人的資源を最大化するためのチームワークについて語りました。Team Foundation Serverです。
今度のTeam Foundation Serverは、クライアントOSでも動く、買収したテクノロジーを元にしたTeam Explorer Everywhere 2010で、LinuxのEclipseなどとも連係できる、他人のコードを理解するために、ソースコードからシーケンス図を自動生成する機能、進捗ミーティングのかわりに開発の中で状況を収集する機能、バグをよりよく修正するためにテスト管理やUIテストの自動化の機能、などを紹介しました。
それを受けて、長沢智治さんがデモしました。まずは、進捗や共同開発のために他人のコードを分析するための機能。DGMLでプロジェクトを可視化したり、アセンブリの依存関係をグラフ化したらい、コードからシーケンス図を生成したりしてみせました。
また、開発者とテスト担当者とのチームワークのための機能も披露しました。テストマネージャにより、両者が同一のリポジトリにアクセスしてバグ情報なども一元管理します。さらに、テスト時に生成されたレポートに含まれる例外の状況からその時点を再現してデバッグを実行したり、一連の操作を動画で再生したり、UIのテスト操作を自動で再現したりして、問題の再現を簡単にする機能も追加されています。ほか、テストの進捗、ビルドごとの状況、バグ、カバレッジ、などを自動的にグラフで見せるダッシュボードなども紹介されました。
製品構成をシンプルに
再び遠藤敦子さんが登壇。対応パートナー企業が多数ついていることが語られたあと、パートナーとして、NEC(業務システムの統合開発環境での対応)、NTTデータ(社内開発環境整備)、新日鐵ソリューションズ(開発環境のクラウド化)、MOTEX(ネットワーク管理製品LanScopeの開発)の4社の事例が紹介されました。
最後に、製品構成をシンプルにすることを発表。そして、リリーススケジュール、優待パック、開発者支援策、MCP認定資格などを発表して締めました。それぞれについては正式な発表やニュースをご参照ください。
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