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2016/08/21

シン・ゴジラ3回目は字幕付上映

「シン・ゴジラ」は
普通の劇場、IMAX、爆音上映、4DMX、字幕付と5回観なければならないそうである。
ウソだけど。
そんな勢い。

ええ、言ってきました3回目の「シン・ゴジラ」。
全部「夫婦50割」←つまり妻も3回観てるわけです(笑)。

最初は立川へ爆音上映に行こうといっていたのだが
字幕付上映は期間限定だから今行こうってことで、
錦糸町のTOHOシネマへ。

錦糸町は錦糸公園がポケモンの巣だそうで、
ちょっとはやめにいって
退屈がってる妻を尻目にちょっとだけアレする。

クソ蒸し暑かったのだけど、うろうろしてる人たちはみなポケモンGOやってるといって過言じゃない状態。ケーシー見つけたけど逃げられた。がるる。
THETA S

で、「シン・ゴジラ」。
3回目だけど意外と飽きない。
字幕がついてると又別の意味で楽しめる。
字幕なしでもあのスピード感についてくの大変なのに
字幕があるとつい読もうとするからよけいハイスピードでそれはそれで面白い。

飽きないのはあれだな
ポリティカルドラマ仕立てにしつつ
政治的主張やややこしい世界観がないシンプルなエンターテイメントだからだろな。

シンプルだからこそ、勝手にいろんなことを読み取って
勝手にラベルを付ける人がでてくるのもまた面白い。

あれにテーマがあるとしたら
「私は好きにした。君らも好きにしろ」に尽きると思うのだけどね。

シンプルなエンターテイメントでありながら
ラストでムチャでデタラメな愛と勇気に走ることなく
(これが普通のエンターテイメント邦画やハリウッドなら、最後に不測の事態が起きて、主人公が放射能まみれの中に死を覚悟で飛び込んで行き、ゴジラを手動操作で倒したあと、致死量のアレがアレのハズなのになぜか生きてたよかったねになりそうなところだ)
きっちり終わらせたのでイラッとくることなく観られるのがよいのだろうな。

で、優秀な天才科学者あるいはリーダーが引っ張って人々を動かすのではなく、
普段はモンモンと頭を抱えている各ジャンルの専門家が
誰かが新しい情報をつかんでその意味を共有したとたん、
全員がぱっとそれを把握して自分がやるべきことを理解して
外の人々を巻き込んでプロジェクトを実現に持って行く姿が
(しまいには民間企業や海外の研究所までも)
ひとりの天才科学者が苦悩の末解決するよりも
感動的なのはなぜだろう。
ああいうシーンをきっちり描いた映画ってはじめて観た気がする。

2016/08/14

真田丸とシン・ゴジラの共通点

日曜の夜は「真田丸」。

ってことで、ふと思ったのだけど、
真田丸とシン・ゴジラの面白さってシンクロしない?

○会話劇が中心である
・シン・ゴジラはゴジラと戦う映画なのに会議シーンが多い
・真田丸は戦国時代の武士のドラマなのに城内の会話シーンが多い

○政治的なやりとりが多い
・シン・ゴジラはいうまでもなくポリティカルドラマである
・真田丸も義理や人情より政治的行動をする人物がメイン

○濃い顔をした個性的なおっさんがいやというほど出てくる
・シン・ゴジラはゴジラより官僚や政治家の顔の方が長いと話題に。
・真田丸もおっさん武将がぞろぞろ出てくるおっさん大河ドラマ。

○感情移入すべき強い主人公がいない
・シン・ゴジラは強い主役がいるわけではなく誰かに感情移入して鑑賞する作りにはな ってない
・真田丸は真田信繁が主人公なのだが影が薄く誰かに感情移入して鑑賞する作りにはなってない

○マニアックである(というか脚本家がマニア)
・シン・ゴジラはディテールに凝っていてマニアックな楽しみに事欠かない
・真田丸は歴史的な小ネタが随所に盛り込まれておりマニアックな歴史好きにはたまらない

○愛や勇気や感動で物語が動かない
・シン・ゴジラは感情的に泣き叫んだり愛し合ったり愛で地球を救ったりしない
・真田丸も比較的感情的に泣き叫んだり愛し合ったり愛で戦況をひっくり返したりしない

○観る人を感動させるステレオタイプの文法を排除してる
 ハリウッド映画を観てると思うけど、明らかに観る人を感動させる文法ってあるじゃない(特に、そのために愛や死を使うという展開)。
 真田丸もシン・ゴジラもそれに頼ってない。

他にもないかな。

まだ誰もいってないようなのでいってみた。
真田丸とシン・ゴジラが似てるんじゃなくて、
共通する底流を持っている気がするのだ。

そして、これが一番大事だと思うのだが、
このふたつのマニア好みな作品が
・シン・ゴジラは東宝の夏休みロードショー映画
・真田丸はNHKの大河ドラマ
というメジャーな場所に同時期に出てきたところが興味深い。

時代を象徴する何かがある気がしません?
そんなあれやこれやを
誰かうまく社会学的にまとめてください。


2016/08/10

またシン・ゴジラみてきた

「私は好きにした。君らも好きにしろ」といわれたので
「シン・ゴジラ」2回目観てきた。

そもそも映画を観に行く習慣があまりないわけで
同じ映画をこの短期間で2度も観に行くなんて
自分的には前代未聞であり、
まあそれだけ面白いのである。

もういい加減ネタバレもなにもないよなということで。

アクアラインのトンネルで崩落とかこえー
海底トンネルを走りながら、ああここで事故が起きて海水が入ってきたら怖いよなあと思ったことある人ならわかるかと。

前半は会議シーン中心なるも早口も含めハイテンポで進むので退屈しない上に、ゴジラの登場を受け入れた国がどういう国なのか見せる大事なシーンで
しかもまだみんな切羽詰まってないので笑えるシーンも随所に。
御用学者3人登場なんてあそこは笑うとこでありましょう。

集められた各省のマニアたちがちゃんとマニアな喋り方をしてて違和感なくてそれだけでたまらん。

やっぱ隠れ主人公は文科省の安田と環境省の尾頭だよなと思うわけだが
Twitter見たら同じ感覚の人が多くて納得。
あのふたりの喋り方とテンションがいい。
特に尾頭人気が予想以上。
【シン・ゴジラ】尾頭ヒロミいいよねという画像まとめ【ネタバレあり】 - Togetterまとめ

巨大不明生物は第二形態が特にいい。
あの抜けた顔とぶるぶる震えるエラで呑川を遡上するすがたがたまらん。
あれこそキモカワいいというべきではないかと小一時間。
デカい映画で「呑川」が連呼されるとは!

あれだけ細かい会話が多いのに説明過多にならない凝縮感。

武蔵小杉に多摩川浅間神社。
お馴染みの場所過ぎてそれだけで萌える。
多摩川浅間神社の多摩川側にあるバルコニーに前線基地とか。
市街地を避けて多摩川で戦うというのもよし。

全弾命中。
自衛隊が全力でゴジラと戦ってはじめて
ああ自衛隊の武器では倒せないのだなと納得できる。

日系三世役が浮いてるのは浮いてる役だから浮いてるのであって
尾頭課長補佐の引き立て役としてもあれはあれでいいのである。

一部の天才や愛や偶然の産物やスーパー主人公の活躍ではなく、
他よりちょっとヘンでちょっと優秀な人たちの知恵と集中力で戦う姿が
斬新でドキドキする。

民間企業や他国の研究施設まで巻き込んでの総力戦。

誰も全力で走ったり号泣したり叫んだりしない。
コツコツと作業を進める緊迫感。

米国の攻撃をうけて
全力を出したゴジラはエネルギーをふたたび溜めるまで沈黙する。
全力のだしっぷりとそれを冷静に観察する面々がみどころ。
ゴジラがためてためてためてぐわーっと爆発するシーンの
圧巻は何度みてもたまらん。

やっぱ安田と尾頭のコンビがいい。

24時間足りないってときに
安保理常任理事国のどの国を崩して時間を稼ぐか
根回しに走るところが妙にリアル。

スーパー超兵器で派手なドンパチするのが戦いだと思ってる人から
酷評の最後の戦いだけど、
いや、派手なドンパチだけが戦いじゃないから。
圧倒的でチートな敵に対して知恵と科学で対抗する非力な人類という
構図できっちり戦ってるのがよいのではないか。

怪獣映画のやられ役として定番な
電車とビル群の武器としての逆襲がたまらん。
無人在来線爆弾もいいけど、
その前の新幹線がつっこんでく姿も泣ける。

怪獣映画の様式美をきっちり踏まえた上で
それを活かしたり逆手にとる演出のマニアックさ。

この映画にメッセージがあるとしたら
「私は好きにした、君らも好きにしろ」
でありましょう。
このひとことを中心にクライマックスは回るのである。

お子様には難しい……ってのは確かにそうかもしれない。
現代の日本が現代の日本ならではの戦う姿をきっちり映像で残したという
良質な大人の巨大不明生物災害エンタテイメント映画なのだから。

これは劇場で見ておくべきでしょう。


TOHOシネマ新宿 from ogikubokei on Vimeo.


2016/08/02

やはり「ネタバレ避けつつ絶賛したい」映画なのだった

わたしのTLに映画の話が並ぶことは滅多にないのだが、
それなりにその鑑識眼審美眼に一目置いている人たちがこぞって
絶賛してるのである。
これは観に行かねばなるまいと思ってた「シン・ゴジラ」。

TOHO CINEMAS 新宿のIMAXシアター。
夫婦50割。IMAX分の500円を追加しても安い。
平日なのにけっこう埋まってるけどなんとか予約完了。

新宿へ。
「シン・ゴジラ」である。
なんとみんなでTOHO特製モンスターボールを投げて
ゴジラをゲットするという映画であった。←ちがいます!

戯れ言はさておき、
日本の特撮映画なんて、「平成ガメラ」以来である。
「シン・ゴジラ」の感想っていたるところに上がってるのだけど、
面白いのは、
みながみな、「ネタバレせずに絶賛する」よう苦心してること。

おかげで事前情報先入観ゼロで観に行けたのである。
感謝。


で、だな。
これは面白い!
想像の10倍くらい。
「特撮は楽しめるだろうけど、学芸会なアイドルやら謎の恋愛シーンやらを我慢してみなきゃいかんかなあ」と思ってたのだが、
そういう夾雑物が一切ないのだ。
ゴジラから東京を救ったのは愛だった、てな話を期待してる人は
肩すかし。そんなものは一切ないのだから。

その代わり冷徹なのである。

だって、主人公(的な人)が内閣副官房長官ですよ。
そんな特撮映画観たことない。
日本が日本であるまま怪獣と立ち向かう、
日本にしか作れない日本映画なのである。

でもって、総監督が総監督なだけにディテールや様式美にすごくこだわってて
ひとつひとつのシーンがいちいちたまらんのだ。

ゴジラの哀しい叫びも含めて。

100点満点で98点くらい。
マイナス2点は……細かく語るとネタバレになるので書かない。

やはり、これを観たら
「感想を書きたいけどネタバレはしたくない」
気分になるのだ。その気持ちよくわかる。
できれば、事前情報なしで観に行って欲しい。

パンフレットにもそう書いてある。

そういう映画なのである。

わたしはこの手の映画が大好きなので大絶賛なのであるが、
アニメ特撮SF……そういったものにまったく興味がないうちの妻が
見終わったとたん「パンフレットは買わないの?」といったくらいなので
やはり映画として面白いのである。

にしても、本気になればこんな映画作れるんだなあ。

帰宅して
残りの仕事を仕上げてメールして寝る。