はてなキーワード: シックスとは
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https://anond.hatelabo.jp/20250526010321 を読んで思い出したので、少し書かせてほしい。
ローカルLLMなら卑猥な文章も制限なく書くLLMモデルが使えると聞いて、当時最新のGPUを持て余したハイスぺゲーミングPCがあったから官能小説を書かせたことがある。
元記事の増田みたいにサックスとかシックスどころか、勃ちもしなかった、ので増田のことを心から尊敬する。
文章を書かせ始めて10分で「『エロい』ってなんだっけ?」とわからなくなった。
高性能モデルとかいろいろ試して、どれもそれっぽい単語を並べた文章を生成したんだけど、
「どうせAIが書いた文章だしな」と我に返るとかじゃなくて、純粋に読んで「あれ?男と女が出会って、そういうことして、…うん」って。
自分のプロンプト力がないのか、と知人にも試してもらったり、なんだかんだ1週間ぐらい格闘しても、「えっろ!」って感じた瞬間はなかった。
そもそも官能小説をほとんど読んだことがなかったので、ビジュアルがないとダメなのか?とStable Diffusionにつなぎこんで挿絵を描かせる機能も付けたりしたけど、そういう問題でもなかった。
「舞台に在る銃は発砲されなければいけない」、有名なチェーホフの銃のロジックを官能小説で言うと、
「メイドが出てきたら、そいつがどんなに勝ち気で主人公を嫌いだろうと『ご主人様ぁ』にならなければいけない」みたいなもんだと思うんだけど、
その伏線が回収されるまで早すぎて、「親いないからウチおいでよ」「うん、行く!」みたいな「銃出てきた次のシーンでもう撃ってる!」感じが特にダメだった。
もちろん、今ならもっと長いコンテキストを扱えるようになって、回収までもう少し引っ張れるようになってるだろうけど、
じゃあ引っ張ればいいのか?そこがエロいのか?みたいに考えてしまって余計にエロスから遠いところに思考が飛んでしまった。
ちなみに、知人に試してもらったときには女性の知人にも試してもらったが、俺よりも飽きが早かった。
ただ、特殊性癖を持つ人なら話は違うのかも、とは思った。
つまり、ノーマルエロはAI様に生成してもらうまでもなく飽和してて、たぶん、一流官能小説家みたいな人が書いた秀逸なコンテンツが既にあるのでそっち読め、って話だったのかもしれない。
それに気づいたとき、「お前はどこまでも普通でつまらない人間だ」と言われたようで正直少し気落ちした。
実際、えぐい性癖を持った人がLLMとどう付き合うのか興味はある。
「こんなに刺さるコンテンツはなかった!」って喜ぶ姿とやっぱり「いや、そゆことじゃないんよ」って萎えてる姿と…どちらかというと特殊性癖の人はこだわりが強そうなので俺より萎えてそう、とは思う。
ここまで読んで「エロなんて簡単でしょ」って思った人にはぜひ試してもらって、俺にエロス(とそれを再現するプロンプト)を教えてほしい。
俺は、正直、試すんじゃなかったと後悔し続けている。
というのも、あれ以来、何を見ても「あ、エロい、え、なんでエロい?」ってメタ認知する癖がついてしまって、メンタルEDになった。
グラビア見て「曲線に惹かれてるのか?」とかAV見て「声が大事なのか?」とか思うようになってしまって、純粋に消費できなくなった。
生身を相手にしたときは温度とか匂いでなんとか興奮できているが、やっぱり頭の片隅で「温度はそもそも文章や写真にない要素だからAI関係ないしなぁ」と考えてしまう。
他の人の実験記を読んでみたいが、俺みたいに純粋なエロがわからなくなる人間がこれ以上増えないでほしいとも思う。
もう試しちゃった人だけ反応してくれたらうれしい。
そのDVDのタイトルは『O46』。まったく聞いたことがない。
ジャケットには地味なスーツの中年男、どこにでもいるおっさんの後ろ姿が映ってるのみ。
ジャケット裏を見ると、あらすじが書いてある。
”O46(オーフォーティーシックス)は、独身中年男性・岡崎誠のある一週間を淡々と描いたアニメーション作品。特に大きな事件は起こりません。朝起きて、会社に行き、帰宅して、寝る。ただ、それだけ”
……なんだこれ。
シナリオを書き、キャラデザインを指定すれば、AIが勝手に動かしてくれる。
昔の「ボカロP」みたいなノリで、今は「アニP」と呼ばれる個人制作者が山ほどいる。
名作もあれば、駄作もある。だから個人製作アニメのDVDが中古コーナーに並んでいても、もはや珍しくはない。
でも、これは違う。
普通、個人アニメってもっと「俺の考えた最強の異世界モノ」とか「青春群像劇」とか、そういうのを作るもんじゃないのか?
こんな、ただのおっさんの日常をアニメ化して誰が得するんだよ。
なんて思いながらも気になったので、買ってみた。
朝、アラームが鳴る。
布団の中でゴソゴソと動く男。
起き上がる。寝癖のついた頭。
台所へ行く。冷蔵庫を開ける。納豆を取り出す。ご飯にかける。味噌汁をすする。
ただそれだけのシーンが、妙にリアルな作画で描かれている。光の加減、箸の持ち方、納豆の糸の伸び方。こだわりがすごい。
やっちまったな。
買ったことを後悔する。でも、なんとなく停止ボタンを押す気にはならなかった。
男はスーツを着て、家を出る。
駅のホームで電車を待つ。電車が来る。乗る。吊革を持つ。スマホを見る。ニュースをスクロールする。イヤホンをつけて、音楽を再生する。
画面にはスマホの中身が映る。Spotifyの再生画面。流れているのは80年代のシティポップ。再生リストのタイトルは”最近聴いてる”
会社に着く。
セリフは一切ない。ただ、PCのキーボードを叩く音、紙をめくる音、誰かが遠くで笑う声が聞こえるだけ。
終業時間になった。定時で帰る。
電車に乗る。家に着く。夕飯はコンビニの弁当。風呂に入る。歯を磨く。布団に入る。スマホを見ながら眠くなってくる。
画面が暗転し、**「Day 2」**と表示される。
……えっ、まだ続くの?
何か劇的なことが起こるわけじゃない。というか何も起きない。
それだけなのに、目が離せなかった。
なぜだろう。それも、分からない。
画面の向こうの男は、全く知らない誰かだ。
冷蔵庫の中のラインナップ、スマホのニュース画面、PCのデスクトップのフォルダ名、すべてが「ありそうなもの」ばかりだった。
男は何も語らない。モノローグもない。ただ、黙々と日々を過ごしている。
それなのに、なぜか引き込まれる。
面白い、とは違う。楽しい、でもない。だけど、目を逸らせない。
けど、ひとつ思ったのは、「人の生活って、それだけで物語になるんだな」ということだった。
もし、俺の毎日も誰かがアニメ化したら、こんな風に映るんだろうか?
そんなことを考えながらDVDをケースに戻した。
250円。
悪くない、そう思える買い物だったかもしれない。