逝きし世の面影

政治、経済、社会、宗教などを脈絡無く語る

かくすれば、かくなるものと・・・理研のSTAP騒動の内幕

2014年04月12日 | 社会

『一億総健忘症の日本の不幸』

1年少し前の2012年10月、世界初となる人工多能性幹細胞(iPS細胞)の臨床応用とのハーバード大学客員講師を名乗る東大病院特任研究員の森口尚史博士48歳(元東大特任教授)は、マスコミ発表と客観的事実との齟齬を理由にして東大は懲戒解雇処分にしている。
人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使って世界初の治療を6人に行ったと主張していた森口尚史博士であるが、今回のSTAP細胞疑惑の理研の小保方晴子博士の経歴よりも遥かに素晴らしい。論文だってネイチャーの理研論文よりも素晴らしい出来上がりである。
ところがである。今回の理研のSTAP細胞疑惑で一部週刊誌以外、誰一人も1年半前のiPS細胞疑惑の森口尚史博士を話題にしない。
日本のマスコミは辻褄が合わず余りにも具合が悪すぎるので、多分全員が都合よく『忘れている』のである。

『猪瀬直樹や渡辺善美より余程凄腕の小保方博士』

今回の理研のSTAP細胞の見苦しい騒動ですが、日本国内だけではなくて海外のマスコミも注目して大きく報道しているが、見かたや興味の方向が日本とは違っているので面白い。
フランスのAFP通信は、小保方博士が大勢の記者の前で涙の謝罪を強制されたと書いている。
欧米では一人前の大人が、しかも科学者が人前で泣かない。そもそも余程のことが無いと謝罪自体行わない。日本では見慣れた光景でも、世界基準では驚天動地の異常事態である。
今回の謝罪会見は、欧米など世界の一神教徒的な常識(グローバルスタンダード)では有り得ない出来事なのです。
謝罪会見の小保方博士ですが、みなさん5千万円の猪瀬都知事や8億円の渡辺善美より余程凄腕だと思いませんでしたか。
猪瀬や善美とは大違いで、厳しく追及する記者の方が悪者に見える。
ノーベル賞級の発見をした世界的な科学者の会見ではなくて、外見も発言も3流高校の落ちこぼれ女子高生の学芸会レベル。我々大人が論評する水準に達していない。
『逝きし世の面影』の古い記事で未だに物好きな読者が読みにくる不思議な記事(2009年12月20日 スポーツ・文化)不思議な労災事故?『押尾学事件より悪い片山右京遭難事故』の、5年前の自称プロ登山家(元F1レーサー)片山右京の謝罪会見を連想する。

『初心者と第一人者とでは「失敗」の意味が180度正反対』

片山右京の遭難事故はイロハの『基本』が疎かになった初心者以下の恥ずかしいミス。事故後の『事故は全部自分の責任です』との涙の謝罪記者会見は恥ずかしい。
事故後に登山家が泣くべきでない。!死んだものに対して無礼千万、山の自己責任の原則を舐めきった態度で失礼だ。
登山家が謝罪するな。!その時々に全力で最善を尽くしたのであれば、誰に対しても謝罪する必要は全くない筈だ。
登山家が『全部自分の責任』などと口に出すな。!死んだ者に対して『責任』を如何とる心算か、?責任を取る気がなくて軽々しく『責任』を言ったのであれば不真面目すぎる。
初心者なら大事な時にこける御粗末なミスは批判されて当然で、当人も『失敗』を反省すべきである。
しかしフィギアスケートの第一人者である浅田真央選手を『大事な時にこけた』と批判できる資格があるものは誰一人居ない。
科学でもスポーツでも原則は同じで、精鋭的な前例が無い行為にはミスは付きものであり世界基準では謝罪する義務は一切無い。
ソチ冬季五輪でトリプルアクセルを失敗してメダルを逃したとしても、失敗をあげつらうのでは無く、誰にも出来ないことに果敢に挑戦した勇気こそ称えるべきであろう。

『泥仕合(悪魔の証明での勝負なし)に持ち込む裁判闘争』

高等数学を駆使した理論物理学は存在しているが、脳内論理だけで実践が伴わない理論生物学は存在しない。
どれ程美しい論文でも『再現性』が無ければ科学的な価値はゼロ。今回もSTAP細胞の再現性の有無の一点に絞られるのです。
理研の最終報告で指摘された画像の切り貼りなど、STAP細胞が再現されれば天地が引っくり返って、やっぱりノーベル賞級の偉大な発見とされ、今回のように小保方博士が記者会見で頭を下げて謝罪する必要性は無い。
再現性があるなら、船場吉兆や阪急阪神ホテルズの食品擬装騒動の敏腕弁護士を4人も雇って裁判闘争する必要性はもっと無い。
胸を張って『私が正しい』(お前たち全員が間違っている)と主張して、公開の再現実験をすれば良いだけなのです。
逆に再現性が無いなら詐欺かペテン、インチキ手品の類。
科学的な正誤の判定では、全員一致で『間違っている』と思っていても意味が薄い。科学には民主主義の多数決の原理は働かないのである。
たった一人の主張でも正しいものは正しい。裁判の勝敗と科学の正誤は同じでは無く、ガリレオ・ガリレイの『それでも地球は動いている』のである。
ただ今回の小保方博士の主張はガリレオとは大違いですよ。多分インチキです。

『科学とは別世界、マエストロ(偉大な大家、巨匠)としての小保方博士』

小保方博士は理研に外部の弁護士などを半数入れた調査チームによる再審査を要求しているが、『良く見せたい』とのネイチャー論文の画像の切り貼り等は法律的な意味での『悪意ではなかった』ことを言いたいのだろう。確かに刑法では『疑わしきは罰せず』であり、小保方博士の側が正しい。
しかし科学的な意味では、法的な意味とは大違いで、生データー(一次資料)の加工は即座に『悪意があった』と看做される。
姑息過ぎる言い訳は見苦しい限りである。
4月10日の毎日新聞余禄氏は、遺伝の法則性を発見した有名なメンデル(1822年~1884年)が『良く見せたい』とえんどう豆の実験の生データーを加工していた疑惑を紹介しているが大笑い。
今では遺伝学の祖といわれているメンデルは200年前の博識の修道士ではあったが、近代科学とは全く縁が無い。(毎日新聞は小保方博士は、科学者よりも聖職者に近いと言いたいのだろうか)
大昔の話ですが私がまだ小学校の純真で真面目な生徒だった時に、教科書の白い花と赤い花が三世代目にきっちり3対1の比率に綺麗に分かれるメンデルの法則の図を見たときに、子供心でも『結果を分かりやすく説明するためだろうなぁ』とデーターの加工(単純化)を直感している。
生物学は、個々の個体間に差があり小学生用の教科書のような『単純』で『綺麗』には結果が出てこない。1回の実験結果ではなく、長期間大量に実験すると大体メンデルの法則のとおりになる。
小保方博士は200回以上の成功と言うが、ところが他の研究者は誰一人成功者が無い。
200回の成功事例とは小保方博士の短い研究生活から推察して、ほぼ100%近い成功率なのである。
ほんとうなら誰もが真似できる科学の世界の話ではなくて、近寄りがたい偉大な大先達とか孤高の巨匠、人間国宝級の恐れ多いマエストロ。ダライ・ラマ以上の教祖様なのである。
理研もSTAP細胞の存在については態度を保留している。
STAP細胞に限らず基本的に、何かが『存在する』ことは証明が可能なのですが、逆の『存在しない』ことは悪魔の証明で、誰であれ不可能に近いのです。

『個人の過失ではなくて、理研ぐるみの組織的犯行(論文の擬装・捏造)』

今回の小保方謝罪会見で明らかになった新しい事実は少ないが、それでもSTAP細胞は密室で個人が行ったものではないことが証言から明らかにされる。
何故か実名が明かされなかったが、理研の研究者の何人もがネイチャー論文(STAP細胞の作成)に関係していたのである。(上司である笹井副センター長など理研の最高幹部の関与が疑われる)
今回STAP細胞の有無を裁判で争うとの小保方博士ですが、本来の科学論争とは無縁の世界です。
科学なら再現実験での成功こそ、反対する全員をその場に土下座させる水戸黄門の印籠以上の絶大な威力があるのです。
理研は最終報告で、ネイチャー論文の筆頭著者である小保方博士を排除した上で1年かけて再現実験を行うと言っているが余りにも馬鹿馬鹿しくては話にもならない。
小保方氏は理研が用意したユルキャラ程度の存在で、論文の擬装は理研の組織ぐるみ。世論のバッシングを恐れて結論を先送りしているだけであろう。(本来は小保方博士自身が理研で公開実験するのが筋)
理研の調査委員会が最終報告書で小保方一人の擬装・捏造(他の幹部研究者は無関係)と断定しているにも拘らず、何と年収1000万円の正式な研究員として4月1日に再雇用している。
ノーベル化学賞授賞者の野依良治理事長が『未熟でお粗末』と罵倒したのに、理研と小保方博士とは実質的に和解していたとは驚きである。
密かに円満解決を図ているのですから、理研ぐるみの犯行(ネイチャー投稿論文の偽造・捏造)であることは数々の状況証拠で明らかなのである。
理研の『個人の間違い』(組織は無関係)の逃げ口上の嘘八百の自己矛盾もはなはだしい。苦し紛れの悪あがきである。
それにしてもSTAP細胞を擬装したらしい理研幹部にとっては、現在の恥ずかしい騒動は『かくすれば、かくなるものと知りながら・・・』で、余りにも当然である。
1月末のネイチャーへの御粗末な擬装論文から2ヵ月後の謝罪会見まで一直線なのであるが、組織トップの堕落腐敗が凄まじい。
摩訶不思議な出来事が連続する我が日本国は『もう、終わっている』可能性が高い。

『美しい姫の絶体絶命の窮地を救う騎士道物語』

『義を見てせざるは勇無きなり』
朝日新聞デジタルによると、孤立無援の小保方博士救援に颯爽と白馬に乗った正義の騎士が現れた模様である。
『かくすれば かくなるものと・・』の、お粗末極まる理研による組織ぐるみの替え玉事件に責任を感じての『やむにやまれぬ大和魂』的な、破れかぶれ。自己破滅型の義挙である。
これは面白くなってきました。
今までは下手糞な前座(小保方)だけだったが、マスコミの舞台にとうとう真打(ES細胞の第一人者である理研幹部の笹井芳樹)が登場して来るようです。
STAP細胞の研究論文の筆頭著者である小保方晴子ユニットリーダーの研究不正行為を認定した理化学研究所(理研)の調査委員会は、3月31日作成の最終報告書を4月1日に公表して幕引きを図った。
ところが4月9日に涙の謝罪会見で小保方博士が猛然と反撃。マスコミ報道が今までよりも一段と過熱する。
理研の方針(最終報告書での一件落着)に真っ向から挑戦した今回の笹井芳樹であるが『火に油』どころの話ではない。
もしも真実を全部洗いざらい喋れば、全てを吹き飛ばす原子爆弾並の破壊力があるでしょう。
端役の大根役者(小保方)でも大騒ぎなのに、満を持した今回の理研のエース級の大立者笹井芳樹の登場予告で、最後のカタルシス(破滅と、その後の浄化)は避けようが無い情勢になってきています。
(理研の幹部である笹井芳樹による4月11日の重大発言は朝日新聞デジタル以外の他のメディアは無視して報道していない)

『小保方氏の指導役「STAPは本物の現象」 来週会見へ』朝日新聞

『STAP(スタップ)細胞の論文問題で、理化学研究所の小保方(おぼかた)晴子ユニットリーダーの指導役の笹井芳樹氏(52)が朝日新聞の取材に「STAPはreal phenomenon(本物の現象)だと考えている」とこたえた。小保方氏の現状については「こうした事態を迎えた責任は私の指導不足にあり、大変心を痛めた」と心境を説明した。来週中に会見を開く方針。』
『笹井氏は理研発生・再生科学総合研究センターの副センター長で、ES細胞(胚(はい)性幹細胞)から体の組織をつくる研究の第一人者。
小保方氏とともに主要著者の1人になっている。記者が1月末の論文発表時に直接取材したあと、先月中旬から4月9日まで、メールで複数回、研究の経緯や論文の疑問点などをやり取りした。
小保方氏は9日の会見で「200回以上STAP細胞の作製に成功した」などと主張した。
一方で、専門家からの指摘では、STAP細胞が実は別の万能細胞(ES細胞)が混ざったものではないかという疑念が多い。
これに対し、笹井氏は「他の万能細胞を混ぜても、一つの塊にならない。実験をやったことのない人の机上の考えだ」と反論。ES細胞からつくれない組織がSTAP細胞ではつくれたことなどをあげ、「ES細胞では説明のできないことが多すぎる」「STAPが存在しないなら、私たちが再立証に力を入れることはない」と指摘した。
ただ、小保方氏の会見や笹井氏とのやり取りでは、STAP細胞が存在するかどうか具体的な証拠は示されていない。』
(2014年4月11日)

『哀れ「飛んで火に入る夏の虫」的な自爆攻撃(カミカゼアタック)』

朝日新聞デジタル記事では、
『論文撤回に反対する小保方氏と違って、笹井氏は「信頼が失われたのは否めない。撤回は適切な判断だ」として論文の撤回に同意している。』と言うから面妖な。
少しも科学的な常識にも、論理的な整合性も無い。
小保方晴子ユニットリーダーの指導役の笹井芳樹の主張は全く『辻褄が合っていない』。
本末転倒どころか科学的な論理が無茶苦茶なのである。
まだしも未熟な小保方博士の方が余程正常である。
ほんとうにSTAP細胞が『存在する』ならですが、笹井副センター長の論文撤回の選択肢は論外であり絶対に有り得ないのである。
理研のエースである笹井副センター長は、『撤回をめぐる話し合いは、「不服申し立ての結果が出るまで、難しい」とした。その上で、反対している米ハーバード大のバカンティ教授らとも「交渉、協議には時間がかかるだろう」との見通しを示した。』と言う。
この人物はほんとうに科学者なのだろうか。
小保方氏の会見を見た感想について、『彼女の気持ちと考えを率直に語っていた。平素の小保方さんと同じ感じだった。』とか『若い研究者の芽を枯らせかねない状況になり、慚愧(ざんき)の念にたえない』。
来週開催予定の会見では『質問の集中砲火は覚悟して、会見に臨みたい』という。
2月に論文の疑惑が浮上してから、小保方氏ら国内の主要著者のうち公の場で見解を示していないのは笹井氏だけだった。
理研の4月1日の最終報告書で、小保方博士の論文の捏造・改竄を認定したが上司の笹井氏の不正は認めなかったが、『立場や経験からその責任は重大である』と指摘していた。
理研のエース(笹井芳樹)を守ろうとした調査委員会による情実認定が今回は裏目に出たようである。

『一度出した科学論文は原則的に撤回できない』

『高知に自然史博物館を』のLadybirdさんから丁度ぴったりの記事をTB頂いたので、全文を参考文献として掲載します。
『論文の「取り下げ」について』
 小保方博士の論文騒動に関し,すでに発表された論文の「取り下げ」は「不思議な行為」だと前回書いた.間違いが判明したら素直に「取り下げ」るのが社会常識であるが,この常識は科学論文には当てはまらない.このことについて少し書いてみたい.

 科学上の発見には,重要な事実を誰が発見したのかをめぐり,深刻なトラブルが起こることがある.その1つの典型例が生物の「新種」の発見である.たとえば生物の1新種が,2人の学者によって相次いで発表されたとする.両者が同一種であることが判明したら,2人のどちらが提唱する学名を採用すべきか,という問題が生じる.これを解決する1つの原則が「先取権」(priority)である.つまり,より先に発表された学名が採用される.

 この原則が成り立つためには,新種を発表した日付けが明確でなくてはならない.従って分類学には,1つの暗黙のルールがある.すなわち,1つの新種の発表は1回しか行ってはならない,というルールだ.ある新種を学会で発表し,次に学術誌Aで発表し,さらに学術誌Bでも発表したら,発表の日付けが3つできてしまう.どれが本当の「発表」なのかによって,競争相手よりも早かったか遅かったかの判定が違ってくる,という可能性が生じる.こういうトラブルを避けるため,新種発表は1種につき1回きりにしようというルールだ.違反しても罰則のようなものはないが,分類学の基本ルールを知らない半人前という評価は免れないだろう.

 これと関連して,「学名の訂正はできない」というルールもあって,これは命名規約にも書かれている.学名を訂正したら,最初の発表と訂正論文とのどちらが本当の「新種発表」なのかで,トラブルの原因になりうるからである.遠い昔のこと,「ペルーの木」は熱病に効くとして,その利用を熱心に推進したチンチョン伯爵夫人(Countess Chinchon)という人がいた.その木は現在はキナノキと呼ばれる.言うまでもなくマラリアの特効薬キニーネの原料である.キナノキの学名はCinchona officianalis である.チンチョン伯爵夫人を顕彰する趣旨の命名であったが,命名者のリンネはつづりを間違えてしまった.明らかな間違いであるから訂正すれば良さそうなものだけど,それは規約上できない.

 何と不合理な,と思う人が多いだろう.生物学者の中でも分類学者は,特に頭の固い,融通のきかない人種だと思われている.しかし,「固さ」には理由がある.すべては先取権の原則を有効にするため,トラブルを避けるためのルールである.間違いに気付いたら訂正すれば良い,などという融通を「きかさない」ことが肝要なのだ.大学で生物学を学んだ人であっても,こういう原則を知る人は少数である.しかし新種を発表したことのある人には常識だ.

 別の角度から考えてみよう.
 科学の専門誌において,「正誤表」というものを,私は見たことがない.仮に正誤表があったとしたら,どういう事が起こるだろうか.専門誌を読む人は,全体を読むわけではない.自分の研究と関係する特定の論文(Aとしよう)を読むだけだ.その箇所をコピーしたりダウンロードして読む.そして必要なら自分が書く論文(Bとしよう)に引用する.

 その引用元の論文Aに間違いが見つかったとする.そして編集者が,雑誌の次の号に正誤表を掲載したとする.この正誤表は,よほど大規模に宣伝しない限り,論文を引用した人は気付かないだろう.仮に気付いたとしたらどうなるか? この人はひょっとしたら,自分が書く論文Bの主要な骨組みに,その間違い論文を組み入れているかもしれない.ところが元の論文Aは正誤表によって「間違い」であったと宣言された.では,この人はどうすれば良いのだろう.論文Bをまだ執筆中なら何とかなる.すでに印刷されていたら,今度はこの人が「正誤表」を出すのだろうか?

 小保方論文は理研の偉い先生方によって「取り下げ」られた.ことは正誤表どころの騒ぎではない.起こりうる連鎖反応の大きさ,この行為が他の研究者に与える混乱は,あまりに大きい.

 であるから,すでに発表してしまったものを,取り下げるようなことをしてはいけない.わざわざ著者が取り下げなくても,間違いがあればそれは,やがて衆人の知ることとなる.科学とはそういうものである.

 間違いに気付けば率直に訂正すれば良いという常識は,科学論文に関しては通用しない.そのような事をお気軽にされたら,科学そのものが成り立たなくなってしまう.大切なことは間違いを発表してしまわないよう,出版に至るまでのプロセスで著者自身が,著者全員が,最善を尽くすことである.

 いまマスコミが喧伝しているような「管理の強化」だとか「研究機関としてのチェック機能」などは論外.この人たちはどこまで的外れな議論を重ねるのだろう.
(April 6, 2014 )
(『高知に自然史博物館を』さんには何度もコメントを試みたのですが残念ながら何故か相性が悪く成功していません)

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16 コメント

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小保方は悪ではない (温泉地獄)
2014-04-11 13:16:41
今回のドタバタはマスゴミと理研によるもので
小保方が悪ではなく、もちろん研究の方向性も正しいと考えている医師(医師も学位取得のために研究を行います)が大部分と思います。
ただマスゴミが騒いでいるだけで。
それによって日本の気違い加減が世界にまた知れ渡ることも面白いですね。
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もういいんじゃないかな? (のすひろ)
2014-04-11 17:10:28
連日この記事がテレビでも取りだたされ、小保方博士の涙を拭くカットが見られますが、一般のものはまず興味の無い世界ですね。あっても可愛らしい女の子がたくさんの記者に吊るし上げられ可愛そう程度でないでしょうか。
極限られた専門家のオタクでないと気にもしない画像を取り上げてさあ捏造だなんだと騒ぎ出した。
その裏にはどろどろした金と権力が渦巻いているのは見え見えなんですがもういいんじゃないかなと思いますけどね、

彼女が言うようにどこででも再現実験して、成功すればそれこそノーベル賞ものでしょうし、再現できなければあれは間違いだった(裏があった)ってことでしょう。

マスコミが飛びつき数を獲得する絶好のネタというだけの話、そもそも各局が生放送で長々と放送する意味があるのかとさえ感じました。

よくムーミンのシールが貼られ黄色い壁のラボでバッチリ化粧し割烹着姿の彼女のシーンが映し出されますが、私はそのカットを見るたび女優が演技の中で演出の芝居をしているように見られて仕方ないのです。
毎日真剣に必死になって研究者し作業している者のピペットを扱う姿が素人のように果たして見えるものあろうか?その分野の人たちの動きは極自然でなんの違和感も無い動き、動作をするものなんだけど彼女は違うなあとつくづく感じます。

ブログ主さんが良く書かれていますが、こんなニュースよりもっと大事なことが裏で幾らでも動いていて、これもまた赤いニシンなんじゃないかなと感じますけどね。
予想通り株価も下がる一方だし何より、原発は現在どうなっているかなど全くもって報道がありません、無いということは綱渡り状態か、破滅へ向かって一直線かって気がしますけど。
返信する
何から何まで異例尽くしのSTAP騒動 (宗純)
2014-04-11 17:22:00
温泉地獄さん、コメント有難う御座います。

全く仰られている通りで、『今回のドタバタはマスゴミと理研によるもの』であり『小保方個人』の問題で無い。
4月9日謝罪会見ですが、ゴーストライターを告訴すると開き直った和製ベートーベンの河内の守の謝罪会見と内容的には同一で、
擬装問題のプロの弁護士を4人も雇って理研に対して裁判闘争すると宣言しているのですよ。自分の犯したミスを謝罪したのは話のマクラ程度で、本質は自己弁護に尽きるのです。
ただ、多分小保方個人は理研本体を守るために作られた弾除けのユルキャラ。
実質的には自分の名前を貸した程度でしょう。
マスコミの対応が異常すぎる。
フジテレビ系が昼のバラエティを深夜にずらして特番を組み、テレビ朝日はワイドショーの放送枠を拡大。NHKも通常の番組を変更して会見開始から生中継を行うなど、キー局がこぞって生中継を行う「特例」扱いの会見となった。
このSTAP細胞の論文不正問題で、小保方晴子・研究ユニットリーダーの9日の記者会見について、
下村博文文部科学相は、『多くの国民から非常に好意的な見方と、(STAP細胞を)200回以上作製したことが本当かという疑問の声が上がっていると思う』『私も率直なところ両方の感情を持った』
と語るが、国辱的な大騒動はこの男が多分張本人です。もちろんマスコミも理研も全員がグルですね。
返信する
ひょっとしたら素晴らしい宝箱かもしれないSTAP細胞騒動 (宗純)
2014-04-11 18:04:35
のすひろさん、
本来なら、『一般のものはまず興味の無い世界ですね。あっても可愛らしい女の子がたくさんの記者に吊るし上げられ可愛そう程度』なのですよ。
STAP細胞がもしも存在したとしても、
世間がそれによって影響されるのは10年先ですよ。
基礎科学など、本来は『今の話』では無いのです。
遠い将来を見据えた話なのです。
人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使って世界初の治療を6人に行ったと主張していた森口尚史博士の方が余程影響が大きいのですよ。
ところが森口尚史の擬装は数日で収まったが、
対照的に良く似た小保方騒動は数ヶ月続いていて、しかも治まる気配が無い。
最初から私が強く主張していることですが、安倍晋三政権の科学の現場への露骨な政治介入が疑われるのですよ。
理研は我が日本国のトップの研究機関ですよ。その擬装が子供騙しにもほどがある御粗末なものだった。
小保方一人で行ったにしても天才的に下手糞、『やる気』を疑うような出来上がり。
これ、多分わざとですよ。
擬装が世間にばれるようにわざと失敗している。
多分文科省の下村大臣に言われて、上からの厳命なので理研としては仕方なく嫌々行ったのでしょう。
理研幹部ですが全部の裏事情を知っている。もちろんマスコミも知っているのですよ。
だから全員で大騒ぎしているのでしょう。
暴走する安倍晋三政権を叩く、素晴らしい宝箱(致命傷となるアキレス腱)がこのSTAP騒動の可能性が十分あるのですね。
安倍晋三政権によるお馬鹿すぎる政治介入だと、今までの不思議すぎる数々の謎に簡単に答えがでるのですね。全ての状況証拠は真っ黒ですよ。
返信する
さっそく (紙さま)
2014-04-12 02:36:10
こんな動きが↓
「東大 全学生に研究倫理教育へ」
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140409/k10013601081000.html

うーん、倫理ね、倫理・・・
いろんなとこで、色んな動きが出てきて、連動してメンタリティが水面下で生成されていく過程。うかうかしてると、どんどん
返信する
理研騒動 (虚飾)
2014-04-12 10:25:17
http://blog.livedoor.jp/route408/

一般人に大変わかりやすい記事と思い貼り付けさせて頂きました。 失礼しました。
返信する
落ちこぼれの女子高生レベル (宗純)
2014-04-12 15:32:59
それにしても情けない。心底呆れ返ってあいた口がふさがらない。涙が出そうです。
誰も彼も、科学の根本を少しも理解していないのです。学校で習う『理化』と、似ているが、まったく別物の『科学』を混同しているのでしょうか。
東大ですが常識ある学校の先生とか役人の養成なら、インチキしないとの倫理教育も十分頷けるのですよ。
しかし、最先端の科学者の養成なら独創性の芽を摘む以外の悪い影響しかないでしょう。
今回の謝罪会見での小保方博士ですが、全く矛盾した二つのことを主張しているのですが、この事実に全く誰も気が付かないとは・・・
落ちこぼれの女子高生の小保方は自分の未熟さ至らなさを何度も何度も謝罪して涙まで流している。
ところが同時に『自分は正しい』と主張しているのですよ。
この大馬鹿者が。
科学の世界では、『私が正しい』との主張の意味するものは、
自働的に、『お前たち全員が間違っているのだ』(今までが間違っていたのだ)との、トンデモナク傲慢な上から目線の超強硬な発言なのである。
理研のネイチャー論文がマスコミで取上げられた時に小保方自身が語っているように、『生物学の数百年の成果を愚弄する』との、今までの科学の常識の下克上の話なのですね。
胸を張って『私が正しい』(お前たち全員が間違っている)と主張して、同時に未熟だったと謝罪されても意味不明。気持ちが悪いだけで腹がたつのです。
政治ブログだけではなくて、科学系のブログでもこの『理化』と『科学』との違いが理解出来ていないとは絶句するしかない。
科学の再現性とは、客観的な事実と同じ意味であり、再現性の有無は全ての事柄に優先する。科学論文は茶道や華道などの伝統芸能とは違い様式美は一番の構成要素では無いのです。
返信する
党国体制で没落する日本 (ネプギアソリッド)
2014-04-12 17:28:10
今や、科学・学問・教育・経済に政治イデオロギーが介入する。
「はやぶさ」(宇宙開発)やオリンピックを国威高揚に結びつける。
(原発+宇宙開発=核ミサイル)
この共産党国家みたいな体制で、日本のあちこちが腐敗劣化している。
(国民が気がつく時は来るのか・・)

長い間「公務員・官僚は悪、格差の少ない日本は社会主義だ」として政治主導にして来たが、官僚社会より悪くなってると思います。
返信する
Unknown (Ladybird)
2014-04-13 06:54:40
 私のブログへの言及ありがとうございます.楽天のブログですが,トラバを受け付けなくなったうえ,コメントさえうまく通らないとなると,何か対応を考えねばなりませんね.

 理研が論文を「取り下げる」と言った時に,そのような事をしてはならない,と思いました.多くの賛同を得られないかもしれませんが,いちおう自分の考えを文章にしてみた次第です.
返信する
金になるのなら科学にも介入する政治 (海坊主)
2014-04-13 08:17:21
私は予てより政治問題はすべからく経済問題であると考えています。経済の問題は主に富の分配であり、それは政治によってのみ解決されるからです。

科学に政治が介入する理由も富の分配の問題であって、本ケースは公正とは言えない分配をしようとしているから、でしょう。

ならば、理化学研究所内で解決すべき今回の騒動が世間を賑わしている理由、それは金の話であって、同時にワイドショー的目くらまし効果をも狙ったと私は考えます。森口氏の件より幕引きが長いのは、(金を巡る)綱引きの決着がついていないから、でしょうかね。
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